____『如月 響』
たしかに女の子みたいで、可愛い名前だったけど。
彼の綺麗な碧色と、『おと』っていう名前の響きがすごく合っていて。
「‥‥‥いいなぁ」
「なんで?」
「だって、動物の名前だよ?いるかって。なんか、もうちょっと名前っぽいのがよかったなーって」今までそんなこと、誰にも言ってなかったのに。つい、出てしまう。
「でも、夕凪さんは、自分の名前好きでしょ?」
「えっ」
「‥‥‥なんか、そんな気がする」それにさ、と続ける。
「いるかって、幸せとか、道しるべとか____そういう意味があるよね」
「えっ、そうなの?」全然知らなかった。
「夕凪さんとはあんまり話したことないけど、クラスでもこうやって、元気に笑ってるんだろうなって思う。声もよく通るし‥‥‥」
「言われてみれば、そうかも」よく通る声は、特徴的だねって言われるけど。私には良かったり悪かったりする。
「だから、『いるか』って名前、合ってると思う」
「‥‥‥ありがとう。自分の名前、もっと好きになった!!」
もともとは響きが可愛くて好きだったんだけど、そんな意味があるなんて知らなかった。
響が教えてくれなかったら、ずっと動物の名前だと思ってただろうな。
____あっ、もちろん、動物の『いるか』は可愛いから好きだけどね!!
「そう」よかった、と笑う彼を見て、話しかけてよかったなと思う。
「ねぇ、響!!____あ、名前で呼んでもいい?」
「うん」
「響!!私のことも、いるかでいいから!!」
「‥‥‥‥いるか、よろしく」
その日は、帰り際に連絡先を交換した。
望遠鏡で観る星は、いつもと全然違って。
きれいな碧の中を、2人で観ていた。
____それから、数日後。
響からメッセージがきた。
『許可おりたよ』



