碧と春    【ボカデュオ2025『 Azulight 』  原案・原作】







____『如月 (おと)


たしかに女の子みたいで、可愛い名前だったけど。

彼の綺麗な碧色と、『おと』っていう名前の響きがすごく合っていて。



「‥‥‥いいなぁ」


「なんで?」


「だって、動物の名前だよ?いるかって。なんか、もうちょっと名前っぽいのがよかったなーって」今までそんなこと、誰にも言ってなかったのに。つい、出てしまう。


「でも、夕凪さんは、自分の名前好きでしょ?」


「えっ」


「‥‥‥なんか、そんな気がする」それにさ、と続ける。


「いるかって、幸せとか、道しるべとか____そういう意味があるよね」


「えっ、そうなの?」全然知らなかった。


「夕凪さんとはあんまり話したことないけど、クラスでもこうやって、元気に笑ってるんだろうなって思う。声もよく通るし‥‥‥」


「言われてみれば、そうかも」よく通る声は、特徴的だねって言われるけど。私には良かったり悪かったりする。


「だから、『いるか』って名前、合ってると思う」


「‥‥‥ありがとう。自分の名前、もっと好きになった!!」



もともとは響きが可愛くて好きだったんだけど、そんな意味があるなんて知らなかった。

(おと)が教えてくれなかったら、ずっと動物の名前だと思ってただろうな。

____あっ、もちろん、動物の『いるか』は可愛いから好きだけどね!!



「そう」よかった、と笑う彼を見て、話しかけてよかったなと思う。


「ねぇ、(おと)!!____あ、名前で呼んでもいい?」


「うん」


(おと)!!私のことも、いるかでいいから!!」


「‥‥‥‥いるか、よろしく」




その日は、帰り際に連絡先を交換した。


望遠鏡で観る星は、いつもと全然違って。

きれいな碧の中を、2人で観ていた。






____それから、数日後。
(おと)からメッセージがきた。


『許可おりたよ』