「いるかのところは、文化祭、なにするの?」
「私はねぇー、縁日とたこ焼き!!」
「へぇー」
「響のところは?」
「冥土喫茶‥‥‥」
「えっっ!!?メイド喫茶!?」いーじゃんっ!!と食いついてくる。
「メイドじゃなくて、冥土だから‥‥‥」
「??なんか違う??」ありがとうございます!!とジュースを2つ受け取る。
「ホラー系カフェにしようってなってさ‥‥‥僕、ホラー苦手なのに」ジュースがたぷたぷに入っていて零しそうだったので、2つとも僕が持つことにした。
「私も怖いのだめだぁ~‥‥‥響のクラスは行けないかも」
「うん、まぁ、無理しないで」
僕としては来ない方が助かる____全員メイド服を着せられることになっているから。
前にいるかの「メイド服一緒に着よう!!」という提案を退けてしまったので、この事実を伝えるわけにはいかない。きっとノリノリで来るだろうから。
「カフェ、好きなんだけどなぁ~」
「よく行くの?」
「うんっ!!____あ、ごめん、響の、‥‥‥‥はどっちだったっけ?」
「僕はこっち」黄色いジュースをいるかに渡す。
「ありがとうっ!!2つも持ってもらっちゃったね」結構たっぷりあるね‥‥‥と先に空いていた席に着く。
「いるかの服、白いから汚したら大変だし」
「響もTシャツ白いじゃん‥‥‥?」
「‥‥‥‥そうでした」
2人でテーブルを囲んで、ストローに口をつける。
僕の横で「おいしい!!」とすごい勢いで飲んでいく。
「こういうところで頼んでジュース飲むの、初めて」てっきり自販機かと思ってたのに。
「そうなんだ?私もー!!」うへへ、と嬉しそうにまた口をつける。
「なんの味にしたの?」
「私はパインだよ!!響は?」
「僕のは、キウイフルーツ」
「「おいしいね」」
「いるかとこうやってなにか食べたりとか、初めてだね」
「そうだっ!!いつも部活だけだもんねぇ。なんか特別感あるー!!」
「いるかのそれ、おいしそう」
「あっ、響も飲むっ?」はい!!とコップを渡される。
「‥‥‥僕、これ口つけていいの?」
「?‥‥‥うん!!」少しして、ダメだったらいいけど!!とジュースを引っ込める。
「私も、キウイジュース飲みたいし‥‥‥」と名残惜しそうに目の前の黄緑色を見つめている。
「ストロー刺しちゃったら、味混ざっちゃうね」
「蓋外すから、コップから飲んでいいよ!!」なるほど、その手があった。
「じゃぁ、僕のも‥‥‥」一瞬でも、間接キスとか思ってしまった自分を殴りたい。
「「おいしい!!」」
「響の、つぶつぶがある‥‥‥!!ありがとう、甘くておいしかった!!」
「いるかのジュースもおいしかったよ、ありがとう」
「どういたしましてー!!」と残りを飲み干していく。
「店員さん、どっちがどの味って言ってくれないから、色が似てて分かんなかったやー」
ぼそっと聞こえたそれに、思わず「____え」と反応してしまう。
いるかはもう飲み干して、
「おいしかった!!捨ててくるねー!!」とゴミ箱に向かってしまったけれど。
____黄緑色と黄色って、そんなに似てるものなのかな。



