「響、大変‥‥‥‥!!」
駅の明かりが観えてきたところで、いるかが焦った表情をする。
「なに?忘れもの?」
「お願いごと、3回言ってない!!」
「____あ」そうだった。
「うわーん!!流れ星ぃ!!もう1回!!神様ぁぁぁ!!」
「また一緒に観れるよ」僕もお願いごと、なにかしておけばよかったかな。
「いるか、ありがとう」
「____ふぇ?」ガコン、と落ちてきた炭酸ジュースを取って、不思議そうに見上げてくる。
「学校でこんなに星観れたの、初めてだから」
「うぇっ!?そーなのっ!?」
「流星、いつもはそんなに観えないから」
「いるかちゃんのおかげー!!」
「ふふ、そーかも」
「買い出し、いつにする?」
「うーん」
「響、バイトある?」
「ない。いるかは?」
「バイトしてないっ!!」成績優秀じゃないと許可されないしねぇ〜、と口を尖らせる。
「夏休み、夏期講習があるから全部は無理だけど‥‥‥‥‥7月中なら、大丈夫だよ」
「ほんとっ!?やったぁ!!私、夏祭りも行きたい!!」
「買い出しに行くんでしょ」
「そう、だけどぉ‥‥‥‥‥‥」と飲みかけの炭酸ジュースをいじり始める。
「響と、出かけたいなぁ‥‥‥‥‥って。親睦会もしたいし」
「親睦会」そんなこと、考えてなかった。
「せっかく、部活できたから‥‥‥‥同好会、だけど」
「たしかに。考えてなかった」
「だめ‥‥‥‥‥?」
「____やろうか、親睦会」
「ひぇっ‥‥‥‥!!ほんとっ!?」がば!!と立ち上がった拍子に、炭酸の欠片が僕の顔面に飛んでくる。
「‥‥‥‥うん」そんなに驚かなくてもいいのに。
「えっえ!!!‥‥‥‥‥‥じゃ、予定決めよ!!今すぐ!!」スマホを取り出して、カレンダーを開く。
2人で決めて、7月の最後の日になった。
みずがめ座流星群がこのあたりだから、またいるかと一緒に観れればいいなと思って、僕が提案した。
「響!!またねっ!!」
「ん、また」
「楽しみにしてるねっ!!」にこにこと去っていく白に、ドア越しに手を振る。
買い出しが終わったら、2人で流星群を観に行く予定になった。
夏休みなのに、またいつも通りだなと思いながら、なんだか嬉しかったんだ。
____いるかの秘密を知って、まさかしばらく会えなくなるなんて。
このときは、思わなかったけど。



