「はぁ、はぁ‥‥‥‥」
「うっはー!!楽しかったぁー!!」
警備員さんの立つ校門に背を向けて、嬉しそうな声が響く。
体育祭の走り込みで速くなった足は、まだ使えるらしい。
ちょっとだけ体力ついたかもしれないと思うと、嬉しくなった。
「響、星どこで観るのっ!?」
「帰り道で。このまま」
「ここからも観えるかなぁ」
「さっきほどじゃないけどね、街灯もあるし」
「うーん、だよねぇ‥‥‥‥!!」難しい表情をしていたけど、青を見上げて「ここもきれいに観えるんだねぇ」と瞳をきらきらさせる。
「‥‥‥‥そうだね」なんだか今日は、いつもより澄んでよく観える。
「私、夜の帰り道も、好きになったかも!!」
「よかった」
「響ー、あれなに?」
「明るいから‥‥‥‥この位置だとアルタイルだと思う。見えにくいけど、多分わし座。‥‥‥いるか、アプリは?」
「今日はいーのっ!!流れ星の日なんだから!!」こんなところから観えちゃったらラッキー!!と白が揺れる。
「たしかに。奇跡かも」こんなに明かりのあるところで観えたら。
「でしょ〜!!神様!!私に運をください!!」
「今年の運、使い切っちゃうよ」
「いいの!!」
「いいんだ‥‥‥‥」たしかに、明かりはあるけど。建物に遮られて月明かりが届かないぶん、場所によっては視える、かも。
________‧⁺ ⊹˚.
____あ。
「「あった!!」」
そんなことを言うから、こんな奇跡も、起こるのかもしれない。
「今、観えたよねっ、観えたよね!!」きゃーきゃー!!と飛び跳ねる。
一瞬だった。
ちょうど街灯が途切れて、空が開けた。
「初めて観えた。流星‥‥‥‥‥ここで」
「神様!!ありがとーうっ!!」空に向かってぶんぶんと手を降っている。
「「きれいだったね」」声が揃ったのがおかしくて、2人してしばらく笑ってしまった。
「あーあ、部屋の中でも流れ星、観えたらいいのに‥‥‥‥‥」また流れないかなー、と明かりの少ないところで空を見上げている。
「____あ」
「なに?」
「文化祭の、出し物‥‥‥‥‥」
「「プラネタリウム!!」」
なんでこんな簡単なこと、気が付かなかったんだろう。
「うわぁ〜、どんなふうにしよっかなぁ〜!!」僕の前で、白いふわふわを揺らしながら考えている。
「楽しそうだね」
「楽しみだもんっ!!お星さまは欲しいし、飾り付けはどうしようかなぁ〜!!‥‥‥‥あっ、ライトとかぁ、シャラシャラにして、照らしてぇ」
「ふふ‥‥‥いるか、全部口に出てる」
「んぇ、いいじゃん!!天文部だよ!!せっかくの文化祭なんだから!!ほらっ、響も考えてっ!!」
「うーん‥‥‥‥‥」あまりこういうのは、得意じゃないんだけど。
____なのに。横でこうも楽しげに言われると、なんだかこっちまで楽しくなってしまう。
いるかといると、いつも楽しい。
「ね、響!!」
「ん?」
「さっそく!!文化祭の買い出し、行こう!!」
「えっ、早いでしょ‥‥‥‥準備するの、夏休み明けだよ」それにまだ、出し物の申請もしてないし。
「んもー!!響!!忘れちゃだめ!!」
「え?」なにを。
「天文部は、天文部はぁ‥‥‥‥‥部員が2人なんですよ!!プラネタリウムも、展示もあるのにぃ‥‥‥‥!!」
「はっ‥‥‥‥‥!?」そうだった。
「でしょぉ〜」かなり、まずくないですか!!と楽しそうに飛び跳ねている。
「行こう、買い出し。早めに」
「やったぁ!!」



