「紅茶だよ?」
「こっ‥‥‥紅茶」ティーバッグのやつしか知らない。
「いるかも、これにする?」
「えっ、ええでも、お高いんじゃ‥‥‥」
「お客さんなんだから、遠慮しないでいいよ」
そう言われてしまうと、さすがに断れなくて、紅茶を選んだ。
「ドライフルーツ入れる?ジャム?あ、ハチミツもあるけど」なんて言われて、
さすがにそんなにレパートリーあるなんて思わないじゃん。
ミルクティーにして、お砂糖とハチミツを入れてもらった。
私は甘いのが好きだけど、響が「この紅茶美味しいんだよね」って言いながらスプーン3杯くらいお砂糖をドバドバ入れてるの、見ちゃった。
ちょっと意外だった。
コーヒーとか好きなタイプだと思ってたんだもん。
なんか、身長が高くて大人っぽいけど、同い年なんだなって分かるかわいいところもあって、なんだか安心した。
「その辺座ってていいよ」と言われて、部屋を改めてよく見る。
壁付けに2つ、模様の入ったふわふわのソファーが並んでいて、その間に置かれたランプの模様に目が留まる。青色が、鮮やかですごくきれい。
水色のクッションに、細かい刺繍がたくさんある。もう1つのソファーも色が違うのに、ちゃんとお部屋に合ってる。
視線を戻すと、ご飯を食べるテーブルと椅子。その周りには素敵な絵やドライフラワーが飾ってあって、テーブルクロスにはたくさんの模様が敷き詰められていた。
さっき、ここに来る手前でちらっと見た寝室も、水色のランプが光っててきれいだった。
「いいなぁ、なんか、水族館みたい‥‥‥!!」
「水族館?」
「うん、青がすごくきれいだから!!」
「気に入ってくれたんだね、よかった」



