碧と春    【ボカデュオ2025『 Azulight 』  原案・原作】





「はぁ、はぁ‥‥‥‥」


「うっはー!!楽しかったぁー!!」



警備員さんの立つ校門に背を向けて、嬉しそうな声が響く。

体育祭の走り込みで速くなった足は、まだ使えるらしい。

ちょっとだけ体力ついたかもしれないと思うと、嬉しくなった。





(おと)、星どこで観るのっ!?」


「帰り道で。このまま」


「ここからも観えるかなぁ」


「さっきほどじゃないけどね、街灯もあるし」


「うーん、だよねぇ‥‥‥‥!!」難しい表情をしていたけど、青を見上げて「ここもきれいに観えるんだねぇ」と瞳をきらきらさせる。


「‥‥‥‥そうだね」なんだか今日は、いつもより澄んでよく観える。


「私、夜の帰り道も、好きになったかも!!」


「よかった」


(おと)ー、あれなに?」


「明るいから‥‥‥‥この位置だとアルタイルだと思う。見えにくいけど、多分わし座。‥‥‥いるか、アプリは?」


「今日はいーのっ!!流れ星の日なんだから!!」こんなところから観えちゃったらラッキー!!と白が揺れる。


「たしかに。奇跡かも」こんなに明かりのあるところで観えたら。


「でしょ〜!!神様!!私に運をください!!」





「今年の運、使い切っちゃうよ」


「いいの!!」


「いいんだ‥‥‥‥」たしかに、明かりはあるけど。建物に遮られて月明かりが届かないぶん、場所によっては視える、かも。




















________‧⁺ ⊹˚.








____あ。



「「あった!!」」







そんなことを言うから、こんな奇跡も、起こるのかもしれない。














「今、観えたよねっ、観えたよね!!」きゃーきゃー!!と飛び跳ねる。





一瞬だった。

ちょうど街灯が途切れて、空が開けた。









「初めて観えた。流星‥‥‥‥‥ここで」


「神様!!ありがとーうっ!!」空に向かってぶんぶんと手を降っている。



「「きれいだったね」」声が揃ったのがおかしくて、2人してしばらく笑ってしまった。





「あーあ、部屋の中でも流れ星、観えたらいいのに‥‥‥‥‥」また流れないかなー、と明かりの少ないところで空を見上げている。


「____あ」


「なに?」


「文化祭の、出し物‥‥‥‥‥」






「「プラネタリウム!!」」

なんでこんな簡単なこと、気が付かなかったんだろう。







「うわぁ〜、どんなふうにしよっかなぁ〜!!」僕の前で、白いふわふわを揺らしながら考えている。


「楽しそうだね」


「楽しみだもんっ!!お星さまは欲しいし、飾り付けはどうしようかなぁ〜!!‥‥‥‥あっ、ライトとかぁ、シャラシャラにして、照らしてぇ」


「ふふ‥‥‥いるか、全部口に出てる」


「んぇ、いいじゃん!!天文部だよ!!せっかくの文化祭なんだから!!ほらっ、(おと)も考えてっ!!」


「うーん‥‥‥‥‥」あまりこういうのは、得意じゃないんだけど。



____なのに。横でこうも楽しげに言われると、なんだかこっちまで楽しくなってしまう。

いるかといると、いつも楽しい。







「ね、(おと)!!」


「ん?」


「さっそく!!文化祭の買い出し、行こう!!」


「えっ、早いでしょ‥‥‥‥準備するの、夏休み明けだよ」それにまだ、出し物の申請もしてないし。


「んもー!!(おと)!!忘れちゃだめ!!」


「え?」なにを。


「天文部は、天文部はぁ‥‥‥‥‥部員が2人なんですよ!!プラネタリウムも、展示もあるのにぃ‥‥‥‥!!」


「はっ‥‥‥‥‥!?」そうだった。


「でしょぉ〜」かなり、まずくないですか!!と楽しそうに飛び跳ねている。


「行こう、買い出し。早めに」


「やったぁ!!」