「ぶぇーっくしょーい!!」電車の中に、いるかのくしゃみが轟く。
「ほら、だから言ったでしょ」
「ごめんなさぁい‥‥‥」
「家来る?すぐそこだから。制服くらい、乾かしてけば」
僕がベストとか持っていればよかったけど。あいにく、今日は持ち合わせがなかった。
そんなにびちゃびちゃだと、むしろ制服がかわいそうだ。
流石にこのまま電車に乗っているのは、冷房が効いていて厳しそうだし。
さすがに危ないので、窓際に行ってもらって、僕で隠してはいるけど。
同じ車両に乗っている人の目も、実は厳しい。
「えっ、で、でも、迷惑じゃない?」
「迷惑って___」ふ、と胸元が視界にに入ってしまって、慌てて逸らした。
いつもはベストを着ているのに、今日は着てないから。だいぶ目のやり場に困ってしまう。
「天文部、2人しかいないでしよ‥‥‥いるかに風邪引かれたら、困るだけ」ただでさえ、いつも一緒なのに。
____一緒がいい、だなんて。恥ずかしくて言えなかった。



