「そういえば、いるか、部活は?」
「???今日、お休みだよね?曇りだし」
「えっと、そうじゃなくて‥‥‥‥チア部の、方」ずっと前から聞こうと思っていて、聞けなかった。なんだかいけない気がして。
「チア部?なんで?」
「だって、兼部してるんでしょ?」とはいえ運動部だし、大会もあるだろうから、そこまで天文部優先ということもできないだろうな、と思う。
「えっ?辞めちゃったよ?」
「辞めたの!?」言ってから、はっとする。ここ、図書室だった‥‥‥‥。
「そんなに驚かなくってもー!!」響の方が声大きいじゃんー!!と言われてしまう。
「いや、だって‥‥‥‥」まさか辞めてるだなんて思わないだろ。
「辞めたって、いつ‥‥‥‥?」
「んぇ、天文部に入る前かなぁ」
いるかが天文部の申し込みをしてきたのは、初めて会った次の日。
____こと座流星群があの日までピークだったから、2ヶ月は前になる。
「ごめん、全然知らなくて」
「えっ、なんで響があやまんの?私が決めたことなのに」
「なんで、って‥‥‥‥‥部活の時間、被るし」
「響、私がそんなことで辞めたと思ってたの?」
「いや、そういうわけじゃないけど‥‥‥‥‥‥」荷物をまとめて僕の前を行く白を追う。
僕はいるかのことを、実はよくわかってない。



