5月×○日。

A子さんから話を伺った翌日です。

まだ家族全員が戻ってきていないことを電話で確認したあと、僕はA子さん宅が使っているゴミ捨て場へと向かいました。

この日はペットボトルや缶の回収日だったようで、近所の奥さんたちがふたりでおしゃべりをしていました。

僕は車の中につい溜め込んでいたペットボトルのキャップとラベルを剥がして、それっぽいふりをして近づいていきました。



「おはようございます」



こちらから爽やかな挨拶をして笑顔を向けることで、ふたりも快く挨拶をしてくれました。

見ない顔だな。
アパートに引っ越してきた人かな。
くらいの感覚だったと思います。