「おかしかったとは、なにがですか?」


家の中の様子よ。

誰も入ってきていないはずなのに、誰かが入ってきたような、いえ、出ていったような妙な寒々しさもあって。

とにかくおかしな感覚になって、私慌てて義母がいる部屋に向かったんです。

ちょうど、このリビングの隣が和室になっていて、寝たきりになってからはずっとその部屋にいたんです。

でも……私が部屋に入っていたとき、義母はもういなかったんです。



「いなかった? 失礼ですが、寝たきりだったんですよね? ひとりでいなくなることなんてできるんですか?」