「なんでだよおおおおおお！？」
　
　デスゲームの運営者――死之崎(しのざき)四季(しき)は、想定外のクリア方法を見て、目の前の机に両の拳を振り落とした。
　デスゲームのルールは、四季が全て作っている。
　大介が「このガスはゲーム終盤に絶望を与えるために使う」と言った時、四季は自身が考えた絶望させるためのルールを看破されたと驚いた。
　そして、心の中で大介を対等な敵と認め、ヒントが見つかった後にヒントから正解の扉とパスワードを導き出せるかという、次の知恵比べを楽しみにしていた。
　
　だが、現実に起きたのは、花の知恵比べなき攻略。
　四季の想いなどとは関係なく、イケメンの匂いがしたという四季の理解が追い付かない理由での攻略だった。
　あっさりと攻略されたこと、大介との知恵比べを邪魔されたこと、二つの理由で四季は花に怒りをにじませた。
　
「くそ……！　なんだこの女は……！　次のゲームは、こんなに簡単にはいかないぞ……！」
　
　そして、負け惜しみと言う形で、四季は怒りを吐き捨てた。