======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。
 中津[本庄]尚子・・・弁護士。中津と事実婚だったが正式に結婚した。
 中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。実は、元巡査部長。
 中津[西園寺]公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。元は所員の1人だった為、調査に参加することもある。
 泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
 泊[根津]あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。同僚の泊と結婚した。
 高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。EITO東京本部の馬越と結婚した。

 大文字伝子・・・EITOや久保田管理官を通じて、普段から連携している。元々は翻訳家。
 大文字綾子・・・伝子の母。介護士。普段から伝子に「クソババア!!」と言われている。
 井関民恵・・・警視庁鑑識課井関権蔵の妻。元鑑識課員。
 井関[新町]あかり・・・元EITO東京本部隊員。警察から出向していたが、井関五郎と結婚後、隊員も警察も辞めている。
 高峰圭二・・・元刑事。退職してから警備会社に再就職。嫁の妹みちると共に闘う伝子やEITOの協力者になった。

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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 午前11時。あるスーパー。
 「だから、謝りなさいよ。もう大人でしょ。」
 「うっさい、クソババア!!」
 「その一言が余計なのよ。撤回しなさい!」
 「老いては子に従え、って言葉、知らないの?」
 「この場合は、当てはまらないでしょ!!」
 ある家族が、買物帰りに、突然出入り口付近で始まった親子喧嘩に恐れをなし、他の出入り口に向かった。
 このスーパーでは、3つの出入り口があるのだ。
 2つ目のスーパー出入り口に向かった親子だったが、ここでも嫁姑喧嘩が始まった。
 「それが嫁の取る態度ですか!すぐに離婚させます。」
 「あなたにそんな権限はないわ。婚姻届離婚届は夫婦間で・・・。」
 「だまらっしゃい!!婚姻届を役所に出したのは、私よ。とにかく、ここに土下座しなさい。」
 「土下座ああ。パワハラだわ、ワイハラだわ。貴方たち、見たわよね、この傲慢で高飛車な姑を!!」
 家族は、また回れ右をした。
 3つ目の出入り口に向かうと、今度は痴話喧嘩が始まった。
 「だからあ、ペットを飼う余裕なんかないだろう?確かに、あの犬は可愛い。でも、誰が面倒見るの?共働きだよ、ウチは。」
 「どうにかなるわよ。私のお友達の家んあか2匹も飼っているのよ、2匹。私は1匹でいいのよ。」
 家族の子供達が、両親を見て困った顔をした。
 「お困りですか?」
 やってきた警備員がそう話しかけ、自動翻訳機で那珂国語に翻訳した。
 母親がいち早く反応した。
 「どの出入り口でも喧嘩していて、外に出られない。日本って野蛮な国ね。早く帰らないと、『フライト』に間に合わないわ。」
 自動翻訳機が母親の言葉を日本語に翻訳した。
 「それはお困りでしょう。どうぞ、こちらへ。警備員室から従業員出入り口を通じて外に出られます。」
 自動翻訳機は、警備員の言葉を那珂国語に翻訳した。
 一行が警備員室に入ると、警官隊と1人の男が待ち構えていた。
 「ダメだな、欲を出しちゃあ。、車のヤクは応酬したよ。あ、日本語分かるよね。ワンさんと、『お仲間』達。荷物も、まとめて改めさせて貰うよ。」
 一家は逃げようとしたが、全員に手錠がかけられた。
 連行されて行く一家に、中津警部は言った。
 「野蛮なのは、オタクら民族と、一部の売国奴の日本の政治家だけさ。日本は『民主主義国家』なんだよ!!」
 駐車場からパトカーと押収した『盗難車』が出発すると、中津興信所の面々と大文字親子、井関和子・あかり、それに高峰圭二警備員がやってきた。
 「流石、大文字さんね、よく緊急で『役者』を揃えてくれました。」と、本庄弁護士が代表して言った。
 「いや。一番の功労者は井関さんとあかりでしょう。私達は、普段から喧嘩してますから、台本無し。」と、大文字伝子は笑った。
 突然、スマホの着信音が幾つも鳴りだした。
 やはり、皆忙しいんだ、と中津健二所長は思った。

 ―完―