こちら中津興信所


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。
 中津[本庄]尚子・・・弁護士。中津と事実婚だったが正式に結婚した。
 中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。実は、元巡査部長。
 中津[西園寺]公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。元は所員の1人だった為、調査に参加することもある。
 泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
 泊[根津]あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。同僚の泊と結婚した。
 高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。EITO東京本部の馬越と結婚した。

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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 ※日本では「未成年者喫煙禁止法」により、20歳未満の喫煙が禁止されているため、吸ってはいけません。

 午前9時。中津興信所。所長室兼会議室。
 マルチディスプレイに、中津警部が映っている。
 「マスカットの事件が流行ってるの、知ってる?」
 「兄貴。今年の流行色は?みたいな言い方、止めようよ。」
 「自粛する。2022年の九州の事件以来、各地で頻繁に起っているのが、シャインマスカットの盗難・転売だ。昨日、千葉県でまた盗難があった。千葉県警は農協の協力を得て、マスカットマップを作った。昨日襲われた農家以外に3箇所生産地がある。そこで、諸君の使命だが・・・。」
 泊と高崎と公子は、すぐに駐車場に走った。
 「優秀な調査員は、違うねえ。狙われる時間帯は午後5時から7時だ、健二。」
 「時間潰してから、張り込むよ。地図、メールで送ってくれ。」
 「了解した。」

 午後5時。千葉県。地点A。
 「今日は、うどん屋じゃないんだ。」と、高崎が言った。
 「今、ソレ言う?飽きたけどさ。帰り、どっか寄ろうぜ。」
 「所長。あれじゃないですか?」
 「あれだな。」
 白い軽トラがやってきた。
 シャインマスカットに手をかけた瞬間、健二所長は言った。
 「そこまでだ。」
 何か言っている。
 取り敢えず、捕縄してから、自動翻訳機アプリを使った。
 『ちょっと食べたかっただけだ。ちょっと食べるくらいの権利はある筈だ。』
 健二は、ニッコリ笑って、録音した。

 午後5時。千葉県。地点B。
 黒いパネルバンがやってきた。
 シャインマスカットに手をかけた瞬間、泊が言った。
 「そこまでだ。」
 何か言っている。
 取り敢えず、捕縄してから、自動翻訳機アプリを使った。
 『ちょっと食べたかっただけだ。ちょっと食べるくらいの権利はある筈だ。』
 根津は、ニッコリ笑って、録音した。

 午後6時。千葉県。地点C。
 公民館から畑の様子を見ていた中津警部は、言った。
 「了解。今、県警と所轄チームが向かっている。ここは不発だったようだ。公民館の隣だから、狙いにくかったかな?」

 午後7時半。ドライブイン。
 皆、好き勝手な注文をして、食事をしている。
 「兄貴。全国的になったから、政府で何とかならないの?」
 「俺に言うなよ。でも、久保田管理官には提言しておいた。」
 「何て?」
 「何とかするべきです。」
 「私、聞かなかったことにする。」と、公子は言った。
 「転売すると、ボロいらしいけどね。」と、健二は言った。
 「幾ら?」公子は尋ねた。
 「7万円、1房。」
 「聞かなかったことにする。」と、公子は言った。
 「当分、ぶどう食べられない。」と、根津が言った。
 「右に同じ。」
 そこは、同意するんだ、と健二は感心した。

 ―完―

 ※他の作品でも題材にしていますが、シャインマスカットの事件は多いようです。
 クライングフリーマン