こちら中津興信所


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。
 中津[本庄]尚子・・・弁護士。中津と事実婚だったが正式に結婚した。(今回は出番無し?)
 中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。実は、元巡査部長。
 中津[西園寺]公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。元は所員の1人だった為、調査に参加することもある。
 泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
 泊[根津]あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。同僚の泊と結婚した。
 高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。EITO東京本部の馬越と結婚した。


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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


 午前10時。中津興信所。会議室兼所長室。
 スクリーンに、中津警部が映っている。尚子が後ろで手を振っている。
 「4月30日に福生市で大学生をハンマーで殴打した男が千葉県習志野市で目撃された情報が入った。転入転出データから、男が以前住んでいたことがあることが判っている。そこで、君たちの使命だが・・・。」
 「千葉県警に協力して、ふん縛れ、だろ。」
 「まあ、そんなとこだ。」
 「ええーー。また、千葉県に行くの?多く無い?千葉県。」と、公子が不平を言った。
 「まあまあ。兄貴。立ち回りそうな場所は判ってるの?」と健二が尋ねた。
 「以前、と言ったが、中学の時の頃だ。その時のアパートは無論引き払っているが、仲の良かった同級生が3人、判明している。」
 「じゃ、その内、1箇所見張ればいいんだよね?」
 「いや、その内、2箇所見張ればいいんだ。」
 「ええええええ、県警が1箇所で私達が2箇所?」と、今度は根津が言った。
 「警部。もう返事してあるんですよね?」と、高崎が確認した。
 「そういうことだ。後はよろしく。」
 画面は消えた。
 「何が、後はよろしく、よ。」と、公子はまたふくれっ面をした。
 「僕たちが優秀ってことですよね、所長。」と、泊が言った。
 「給料上げるように、言っておくよ。」と、健二は言った。

 午後4時。千葉県習志野市。
 健二達は、A地点とB地点に分かれた。
 所長の健二は、中間地点で待機した。
 今回は、男子チームと女子チームだ。
 表をクルマの中で監視していた泊が、ゲームセンターに入って行く男を見付けた。
 キャンピングカーは、却って警戒されにくい。
 「先輩。」
 「よし、裏口を頼む。」
 高崎は、DDバッジを押し、正面から入って行った。
 DDバッジは、本来は、緊急避難信号として、EITOから支給されたものだが、簡易連絡にも使える。「もしもし」の間に逃走されたら水の泡だから、中津興信所所員の場合、簡易連絡に使う。無論、今回の仕事が認知されているからだ。
 「えーっと、山田さん、でしたよね?人違いかな?」
 男は裏口に向かって走った。
 出て来たところを泊が、背負い投げした。
 高崎は、長波ホイッスルを吹いてから、トランシーバーで健二に報告した。
 長波ホイッスルとは、犬笛に似たサイレント・ホイッスルで、「任務完了」を意味する。
 間もなく、県警のパトカーが到着し、逃走犯を高崎達は引き渡した。
 逮捕連行した刑事は、健二に、そっと封筒を渡した。

 午後5時半。インターチェンジ。
 「みんな、素麺たらふく食え。」
 ひらひらした紙切れには、素麺のクーポン券が印刷されていた。

 「外で、素麺も、たまにはいいわね。」と、公子が言い、「どこで、それを?」と、高崎が尋ねた。
 「お義姉さまからのプレゼントさ。県警は預かってただけ。」と、健二は苦笑した。

 ―完―