こちら中津興信所


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。
 中津[本庄]尚子・・・弁護士。中津と事実婚だったが正式に結婚した。(今回は出番無し?)
 中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。実は、元巡査部長。
 中津[西園寺]公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。元は所員の1人だった為、調査に参加することもある。
 泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
 泊[根津]あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。同僚の泊と結婚した。
 高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。EITO東京本部の馬越と結婚した。


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 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


 午前10時。中津興信所。会議室兼所長室。
 スクリーンに、中津警部が映っている。
 「4月20日のことだ。参院議員会館で、自称50代の男が入館のために金属探知機で手荷物検査を受けたところ、刃物を持っていることが判明し、駆け付けた警視庁の警察官が銃刀法違反容疑で現行犯逮捕した。総理のセキュリティー強化案が、早速役に立った訳だが、男は財務大臣に渡しに来た、と嘯いている(うそぶいている)。大臣は、1ヶ月前に、脅迫メールを送っており、いつか来るだろうと思っていた、と言っている。」
 「財務大臣が狙われている理由は?」
 「文面からは、税金ばかり取るから、ということだが、知っての通り、大臣は12月に就任したばかりだ。大臣が独断で税金を決める権利もなければ、そんな余裕もない。背後関係があるに違いない、と夏目リサーチが探し出したのが、この男だ。今、アジアに出国中だ。」
 「兄貴、じゃ、議員会館の侵入男は、その男の指示で?」
 「多分な。出国中と言ったが、今日帰って来る。警視庁は成田を警戒するが、お前達は、二課の連中と羽田を張り込んでくれ。」
 「二課?」「二課から指名手配している特殊詐欺の半グレだ。」
 「警部。暴力なら四課じゃないんですか?」と、根津が言った。
 「参議院の侵入男はな。昔は、脅しと言えば、カミソリが入った郵便が定番だったが、今は簡単には相手に届けさせない。チェックが入るからな。だから、いずれ、四課も出動だ。この男は、那珂国の人間だということは判明している。」と警部は応えた。
 「警部。悪のカルテルですね。」
 「上手いこと言うね、高崎くんは。とにかく、応援、よろしく。」

 午後2時。羽田空港。
 出国手続きを終え、駐車場に向かう男に、根津は、『落ちましたよ』と、片言の那珂国語で話しかけた。
 男が、思わず、自分の胸の中を改めようとしたとき、泊と高崎が後ろから羽交い締めにした。
 健二は、ホルスターから、拳銃を抜いた。
 警部と部下達が、取り囲んだ。
 「15時10分、確保!」と、警部は叫んだ。

 午後5時半。中津家食堂。
 興信所面々は、流し素麺をしていた。

 同じ時間。議室兼所長室。
 スクリーンに、中津警部が映っている。
 「おーいい。誰もいないのかあ。」
 「明日でいいわよ、敬一。5時回ってるし。」
 「そうだな。」
 おしどり夫婦は、画面から消えた。

 「誰か、呼んだ?」「気のせいよ、きっと。」
 こちらの夫婦は、空とぼけた。

 ―完―

 ※実際の事件では、侵入男が現行犯逮捕されたことのみ、伝わっておりますが、後はフィクションのエピソードです。
 クライングフリーマン