冷淡な玄武様はオッドアイの神子の愛に溺れる

帰りのホームルームで香夜は話すことがあった。
学校に着いて職員室にいる雪村に説明し許可をもらっていた。
話す内容は四神会議のこと。
翡翠は香夜が学校に行ったあとに氷神家にも話しに行くとのことだったので、すでに当主には伝わっているだろう。

香夜のクラスには先行で伝えるようにとの指示をされた。噂程度でも広めてもらい、正式に取り入れることになった時に大混乱が起きないようにと反応をみるためだ。
他の3つの島でも当主が住む本家にだけは伝える予定なんだとか。
反応次第でまた会議になり、当主と次期当主あたりは参加もありえる。

改めて朱雀の焔以外が集まり会議したことや時代遅れの改善、他の島へ移り住んだり留学や観光がすぐには無理だが将来的に行なわれることを説明した。

生徒たちの反応はというとよそ者の香夜の話は半信半疑がほとんど。翡翠のお気に入りの水無月が同席して香夜の話が事実だと言えばワァーと盛り上がる。

(よそ者の私とは違う反応……)
香夜は複雑だ。

「他の島に行けるの!行きたい〜」
「本当は街に行きたいけど…島から出れるなんて夢みたいだわ」
「すまほ?ってやつで離れた島の連中と話せるとかマジすげぇ!」
「北は寒いから南ノ島行ってみてぇよ」
驚きがほとんどだが、香夜のような外から来る者に不安を感じている者たちもいた。

香夜としては他の島から観光に訪れることが当たり前になれば「よそ者」なんて呼ばれず平和な暮らしができそうだと期待しているのだが、やはり難しそうだ。
当たり前になる頃までにメンタルが持つかはわからないけど……。


帰りのホームルームが終わっても興奮冷めやまないのかクラスメイトたちは熱く意見交換をしていた。
それほど島の住人側には革命的なものだったのだろうら、

香夜はそっと教室を抜け出し階段を降りた。エレベーターを使っていいと言われているし使わせてもらうものの、小学校から階段で昇り降りをしていたので身に染み付いてしまい自然と足が階段に向かっていってしまうことが多い。
下級生に会うと嫌味は言われるのだが階段を使ってしまう性だ。

校門の前で氷神兄妹を見掛けるが、また色々言われるだろうと見ないふりして通りすぎようとしたが「よそ者、こっちこいよ!」と京介から声を掛けられる。

「な…なにか?」
「「……………」」
なにこの沈黙…一体何を言われるのか身構える香夜。

「親父から神子のことや神通力のことは聞いた。親父はお前の神通力はわからなかったらしいが……だからおれも麗菜子も神子になりたいのは諦める」

また嫌味かと思ったので京介から出た言葉は意外だった。

「アンタの神通力の力ってなに?」
「瞬間移動だけど」
「へぇ~じゃあ神子の証拠見せなさいよ。それとも神通力があるって嘘なんだ〜?」
「おれたちの屋敷まで送ってみせろ。できたら学校内にいる生徒たちを黙らせてやる」
麗菜子が煽ってくる。
とはいえ、氷神兄妹の権力で学校が過ごしやすくなるのは魅力を感じた。

(屋敷内ならいいかな?翡翠様に制限されてなかったよね……たしか)


香夜は了承し、氷神兄妹が氷神家の屋敷まで瞬間移動したイメージを頭の中でする。
しかし氷神家の屋敷はめちゃくちゃ広いのはわかるがどんなだったっけ?とモヤモヤでフニャフニャのイメージになってしまった。





「おい……ここって…」
「ちょっとどうなってるのよ!!」


氷神兄妹の声で目をパッと開けると………「嘘でしょ」思わず声が漏れる。



━━━━ここは島の住人たちがいうところの「街」だ。