冷淡な玄武様はオッドアイの神子の愛に溺れる

緑が多く小さい川が流れる場所に玄武神社があった。
手入れがしっかりされていて、散歩がてら森林浴ができそうなほど広い神社だ。

「綺麗な場所…心が洗われそう」
「そうですね!榛名さん、ロングスカート汚れないよう気をつけてくださいね」

境内をキョロキョロみていると「あ!」「え?」とお互いに大きい声を出してしまう。
そこにいたのは制服姿の京介と麗菜子。

「汚らわしいよそ者が来るとこじゃないわ、帰りなさいよ!!」
「学校に来てないと聞いて死んだのかと喜んだんだがな」
第一声は相変わらず嫌味な2人。
当主の子供なので言い返せずに悶々としていると「ぎゃああああっ!!」と麗菜子が断末魔のような雄叫びをあげる。
京介も化け物でも見たかのように怯え、尻もちをついた。

「………?」
なんだ?なんだ?と後ろをみると紅葉の強い霊力と榛名の神通力、いつの間にか人型に戻った風雅と十六夜の美しく神々しさに冷静さを失うほどパニック状態になっていたようだ。

香夜が、紹介すると怯えながらも中に入れてくれお茶と茶菓子をだしてくれた。

「あんたのとこも宮司や巫女やってんだ」
「「はい……」」
紅葉は初代神子が先祖にいる当主の家系なので白虎を祀っており家の手伝いで巫女見習いをしていた。
霊力が強い紅葉に恐縮している京介たち。
蛇に睨まれたカエル状態。

ニッコリと笑う榛名にも怯えていたので「榛名さんは霊力がないのに怯えるの?神子様だから?」と尋ねるが「オーラみたいな…圧が強いのよ!紅葉様の方と違う圧が!」麗菜子が今にも泣きそうになりながら答える。

『神子の家系だから神通力を感じ取れるんだな、上位のアヤカシもだが神子の家系は強い神通力を持つ者ならわかる。香夜と紅葉は微量でわからないんだろうが俺たちや俺の榛名レベルならわかるんだろ』

「なるほど」
霊力や神通力を感じられなくて本当によかったと本気で思った香夜。
感じとれていたら京介たちのようになって仲良くなれなかっただろう。

「神通力?なに…?」
プルプルしている2人が可哀想になってくる。
香夜は翡翠から喋っていいのか聞いていないので黙っていると風雅と十六夜が教える。
神子の子孫たちが嫁いだり嫁いでいったりした先祖にいれば島の人間なら神通力を持って生まれるとか、神通力は能力持っているとかなど。
京介たちは神通力のことは知らず、霊力だと思い込んでいたようだ。

「これで香夜が神子になった理由がわかった?あんたらは神通力がない時点で神子にはなれないのよ」
「「ぐっ……」」
紅葉にざまぁと鼻で笑われると悔しそうにしている京介たち。