冷淡な玄武様はオッドアイの神子の愛に溺れる

『がおー』

「きゃあ!可愛いいいっ!」
「触りたい」
「虎ちゃん!ぐへへ〜〜」
風雅(神獣の姿)で北ノ島まで香夜たちを運ぶと人型ではなくホワイトタイガーの赤ちゃんサイズになる。
あまりのモフモフの可愛さに香夜たちはときめき、神子兼番の紅葉はヨダレを垂らしながら獲物を狙う猛獣の顔をする。

『一応、神獣とはいえ俺たちも神なんだが…プライドとかないのか』
『プライドより女の子の温もりがいいんだよ〜』
十六夜が文句を言うが、風雅は香夜たちに抱っこされると前足で胸を触ったり顔をスリスリしていた。

午後になり、北ノ島に観光へ来た紅葉たち。
メンバーは香夜と水無月、風雅と紅葉、十六夜と榛名と護衛の葵。
葵はセクシーなくノ一姿で見えないように行動するんだとか。
香夜は付き添いで水無月が案内係をする。
翡翠は誘ったが、留守番だ。

「まずはお昼ね!」
紅葉の提案で飲食店を目指す。風雅は紅葉のミニリュックの中に入り顔だけぴょこっと出している。

「定食屋あたりでいいエマか?」
「美味しいとこならなんでもいいわ」
水無月は飛びながら道案内をするが、島の住人達は「よそ者がよそ者を連れて来た!」だの「よそ者に島が侵略されるぞ!氷神家に報告だ!」など、物騒なことを叫び怯えるように慌てている。

「なにこいつら…」
紅葉はイラッとしながら険しい顔で島の住人を睨みつけていた。

「こ、この方々は翡翠様と同じ四神の白虎様と青龍様とその神子兼番であらせられます。今日は観光ですから機嫌を損ねないようお願いします!」
香夜が頭を下げお願いすると「翡翠様と同じ姿をされている」「よそ者の願いは聞きたくないが、たしかに翡翠様の機嫌を損ねるわけにはいかねぇか…」となんとか収まる。

定食屋につくと昼時とあって賑わっていたが、霊力が強すぎる紅葉が店に来たことで慌ててご飯を口に駆け込み出ていった。

北ノ島で例えるなら翡翠が玄武で神様なのは代々伝わっていて神として崇めているが、翡翠以外の四神は存在は知ってても見たこともないので、風雅と十六夜には反応しなかった島の住人たち。

店員も「いいいらっしゃいませぇぇ〜……」と冷や汗をかきながら水とおしぼりを持ってくる。

「紅葉さんの霊力、どんだけ凄いの…」
香夜は紅葉の凄さを感じつつ、北ノ島で初めての外食を楽しんだ。
東京にいた時は学校の友達と寄り道してファミレスでドリンクバーをたくさんおかわりして喋りつくしたのが懐かしい。 

「次はどこ行くエマか?」
「そういえばこの島にも神社あるのかしら?西でいうなら白虎神社みたいな、翡翠様は玄武だから玄武神社?」
「あるエマよ」
紅葉と榛名によると四神の神獣を守り神として祀っている神社が西ノ島と東ノ島にもあるので、この島にもあるのではないかと。
香夜は期間限定の神子になった時に軽く案内してもらったが、神社に行ってないし話しも聞いていない。