冷淡な玄武様はオッドアイの神子の愛に溺れる

「榛名の島に比べたら私の西ノ島はまともね。私の島は子供たちが楽しめるイベントとかあって賑やかで明るい島ね。風雅が神様に無理言って兄妹で街に行ったんだけど、時代遅れを実感したわ。お兄ちゃんが次期当主なんだけど、街に行ったことで未来のためにプラスにしょうって考えてて榛名のように良い刺激になったのは確かよ」

紅葉は懐かしそうに語る。
霊力が強いことで苦労してきたので、そこだけは不満らしいが島の環境には不満はない。

『最後は香夜ちゃん。香夜ちゃんから見た島がどう見えるのか、最も聞きたいね〜』

「私は島側に住んでないのですが、古風な家が多く新鮮でした。ただ私はよそ者だと島の人達からヒソヒソされ学校では友達も出来ないし買い物もよそ者だからと売ってもらえませんでした。一部の方は玄武の神子だからと優しくしてくれますが……」

『団結力や絆が強いからな』
十六夜の指摘に苦笑しながらも「はい…」と答える。
玄武の神子でなくなった時が一番怖い…いや、翡翠に嫌われる方が怖いかも。

「他の島にはないアヤカシ学科やアヤカシの世界に社会科見学があるみたいで、翡翠様の提案なんだそうです」
『ええ…』
香夜が翡翠の方を向くとテンション低く答える翡翠。
ちょっと様子がおかしい。

「あっしたち南ノ島は西ノ島と東ノ島に近いですねぇ。島の中で派閥って言うんですかい?1つの島に2つの村があるんで」
豆福助はずっと口に加えている犬用ビーフジャーキーをブンブンしながらもお昼寝したそうに目がショボショボしている。

『島ごとに色々あって面白いね〜ま、オレの紅葉のが面白いけど〜あははっ♪』
『風雅、それで掟を変えるとはどうするおつもりですか?』
『うーん…オレとしては時代遅れをなんとかしたいんだよね〜』
『島民たちが知恵をつければ島から出てしまい兼ねん。北ノ島は渦があるが他の島はないし脱走した者は厳しい罰を与えぬばならんぞ』

風雅と翡翠と十六夜はそれぞれ意見を交わすがなかなか具体的なものが出ない。
そんな中、香夜は小さく手をあげる。

「あの意見よろしいですか?意見というか提案なんですけど……」
『オッケー☆』

「街に行って技術的な部分は難しそうだと思うので、4つの島同士で情報共有してみたらどうでしょうか?」
『つまり?』
「私はスマホっていう電話やメールやネットに繋がる機械を持っているのですが、神様パワーでスマホ作って繋がるようにして4つの島の人達と交流してみるとか」

香夜は自分のスマホをテーブルの上に出すと全員興味深そうにみている。風雅は香夜に使い方を簡単に教わると子供のようにはしゃいでいた。
ふと香夜は発言したことを後悔した。

「あ、でも島から出られないなら知らない人同士だから難しいですね…4つの島の間で留学や旅行とか交流できないのでしょうか?島によって特徴があるようなので自分に合う島に住めたりしたら面白そう……」

元々どこの島の者でもなく、掟もいまいちわからない香夜は途中で自信がなくなり声が小さくなっていく。

『採用!!』
風雅はグッ!と親指を立てウィンクをする。

「えっ!いいんですか?島から脱出禁止ですよね」
軽いノリの風雅についていけずに驚く。
香夜は自分で言ったあとすぐ後悔したのに。

『東と南ノ島にはないけど、西と北ノ島には近くに小さい島があってそこは行っていいことになってるし、島同士ならいいっしょ!ね〜十六夜に翡翠〜。あ、焔はいないから無視で』

「焔様からは決定に従うと言っておりやしたから問題ねぇでしょう」
『ま、東ノ島の連中には刺激は必要だな』


『翡翠は?』
『4つの島内であればお互いに良い事もあるでしょうね。ですが、技術面は変わらない』

翡翠のいうとおり、新しいモノを取り入れられるかも知れないが、技術は無から有を作るのは難しいし研究する人間がいるのかもわからない。

『そこは今後の課題だね〜神様もよろしいですか』
風雅は鏡側を向くとただの鏡が光だし人型のシルエットが現れる。
『構わない。島の方はお前たちが決めるがよい、やってみよ』

『『『はっ!神のご理解感謝を申し上げます』』』
翡翠たちは一斉に鏡の中の神様に頭を下げる。