冷淡な玄武様はオッドアイの神子の愛に溺れる

✱✱✱✱✱✱✱   side 翡翠   ✱✱✱✱✱✱✱

翡翠は寝静まった頃、会議が行われる予定の部屋を訪れた。

『神よ、いらっしゃいますか?』

『……うむ。どうした翡翠』

翡翠が静かに語りかけると、丸い手鏡から男性の声が聞こえる。

『香夜の今後のことです。保護するようにとの命令に従いました…』
『そうだったな。………では香夜という娘の処遇だが翡翠、お前が決めよ』
『…………は?』
翡翠はキョトンとし目を丸くする。香夜のことを保護しろと言った張本人が匙を投げてしまった。
本来なら自分でやらなければならない仕事も翡翠たちがやっており、翡翠たちが変われない仕事はするものの普段は神子にかまけている適当な神なのは知っていた。
知ってはいたが翡翠にとっては予想外。

『香夜という娘を生かすも殺すもお前次第だと言っているのだ。我はお前の決めたことなら口は出さん』
神はそう言い残し、通信を切った。

翡翠はおでこに手をあて深いため息。

『北ノ島に一住人として住まわせるべきでしょうね。いつまでも縋られては困る…自立してもらわなくては………』


昨日のことをふと思い出す翡翠。

香夜の事を考え買ってしまった贈り物…なぜ?
香夜を思わず抱きしめてしまった…なぜ?
香夜が喜ぶと満たされるのは…なぜ?

自分で自分を問う。
翡翠は自分でこんなことをしてしまったのか自分がわからない。


"私、翡翠が好きです!”
"…翡翠様を諦めたくないから…好きな気持ちだけ伝えたくて。だから翡翠様に愛を伝えて私の気持ちが本物だって証明します!”


『…っ!』


『しっかり伝わってますよ。香夜の気持ち……伝わっているから私の気持ちが揺らぐんですよ……』