🎄白いロンTの袖を重くしても
相思はぬ人をやもとな白たへの袖ひづまでに音のみし泣くも 巻4-614 山口女王
白いロンTの袖を涙で重くして、
君が振り向いてくれるなら、
片思いのプレイリストを
Spotifyで流したりしないのに。
🎄白が消えても
沫雪の消ぬべきものを今までに流らへぬるは妹に逢はむとそ 巻8-1662 大伴田村大嬢
今、世界を白くしている雪も、
いつか消えていくけど、
君への想いは消えないよ。
だって、今まで頑張ってきたのは、
会えない君に会うためなんだから。
🎄雪すらそっと応援してくれるよね
わが背子と二人見ませば幾許かこの降る雪の嬉しからまし 巻8-1658 光明皇后
君と一緒に雪を見ることができたら、
きっと、雪すらも喜んでくれると思うよ。
雪が降ったくらいで、そんな妄想する私って、変かな。
🎄君の連絡を待つ夜のスタバで
真木の上に降り置ける雪のしくしくも思ほゆるかもさ夜問へ我が背 巻8-1659 他田広津娘子
スタバの窓越しに藍色の夜が白くなった世界をぼんやり眺めている。
私はiPhoneの通知を待ちながら、憂鬱なままだよ。
ねえ、冬の夜ってどうして、こんなに寂しくなるんだろう。
赤いリボンで胸を縛っておかないと寂しさが破裂しそうだよ。
🎄スタバで物思いふけているよ
物思ふと人に見えじとなまじひに常に思へりありそかねつる 巻4-613 山口女王
ねえ、物思いにふけているのは、君の所為だと思わない?
そんなことを考えながら、帰りのバスの窓から、
忙しそうな街をぼんやりと眺めているよ。
クリスマス直前の休日はどこも混んでいて、
ひとりぼっちでいるのは、寂しいよ。
🎄この恋の悲しみを愛に変えたい
近くあらば見ずともあらむをいや遠く君がいまさばありかつましじ 巻4-610 笠女郎
別に一人で生きることには、
私だって、元々、慣れきっているんだよ。
ただ、同じ学校の中で、近くにいてくれたら、
君に会わなくても、君がいるという事実だけで、
毎日楽しく過ごすことができていたんだと思うよ。
私が転校して、遠くの街に行ってしまった今、
君という存在が無意識に大きかったことを感じているんだ。
ねえ、どうやって一人で生きていけばいいんだっけ。
🎄もう、あのときには戻れない
思ふらむ人にあらなくにねもころに心尽くして恋ふる我かも 巻4-682 大伴宿禰家持
あのときのふたりは仲良かったよね。
昔、クリスマスに買った安いペアのネックレスが出てきて、
私は瞬間的に仲良かったあの日に戻ったみたいだよ。
でも、わかっているよ。
君が私のことをもう、思ってくれてないことくらい。
🎄何もかも白くなれば忘れられるかな
沫雪は千重に降りしけ恋しくの日長き我は見つつ偲はむ 巻10-2334 柿本朝臣人麻呂
クリスマス前に降り始めた雪は街をゆっくりと白くし始めた。
僕はそんな白くなり始めた街をマックのカウンターから眺めている。
このまま降り続ければいいよ。
それだけ僕は、長い間、君に恋しちゃってたんだ。
なにもかも白くなるまで、君のことを僕は思い続けてやる。
🎄一目惚れって、突然だよね
一目見し人に恋ふらく天霧らし降り来る雪の消ぬべく思ほゆ 巻10-2340 作者未詳
君を見た瞬間から、
「あ、付き合うかも」って、
ものすごく、身震いしちゃったよ。
まだ君のこと、何もわかってないないのに、
ときめいてしまうのはなぜ?
両手を広げて、雪乞いをする少女のように、
私は、この恋に舞い上がってしまっているよ。
🎄クリスマスになったのに、友達以上のままだったね
雪の上に照れる月夜に梅の花折りて送らむ愛しき児もがも 巻18-4134 大伴宿禰家持
雪あかりで底が明るい夜、
赤と緑、そして電球色のクリスマスイルミネーションを
友達以上恋人未満の君と並んで、ただ眺めている。
月は太陽と違って、冷たくて、
凛と世界を冷え切らせているみたいだね。
その世界のなかで、
君と、ただ「きれいだね」って、
言い合っているだけでもいいよ。
本当はね、
ピンク色のハートで瓶の中を満たされるほど、君に愛されたい。
だけど、いいよ。
この恋はまだ、始まったばかりだから。
【参考資料】
奈良県立万葉文化館「万葉百科」: https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/



