―――何、その作り笑い……?

 俺、また、なんかしくった?

 もう無理させるわけいかないし。
 俺のせいで、凜の大事な時間も奪いたくない。

 だって、明らかに、やつれてる……

 まさか、凜、気付いてない??

 俺の体が弱ってくように、俺と居たら、凜まで身を削られてしまう……。

 だから何度も言ってんのに、わかってねーし!

 他になんて言ったら……
 どうしたら、こんな俺でも安心させられる?

 ほら、早く!
 凜が帰っちまう……


「凜!」 
「はい?」

 部屋を出るとこで呼び止めた。

「……ありがとう」

 右手をみせる。それで……

「……待ってる。今度、会いに来るの。待っ、て、るからっ」

 中二病かって。
 俺、どもりすぎ。

 ―――これでイイのか?

「……うん! またね!」

 ニコッ、じゃないよ……ほんと、変なやつ。

 楽しろって言われるより、面倒かけたほうがめっちゃ喜ぶなんて……。

 俺、クリアミスか?
 凜は、思ったより強敵だ。

 なかなか主導権を握らせてくれない。

 味方としては心強い。けど……俺がもし、立場を間違えたら?
 アウトだ。

 また新しい力をもらったな……
 凜の声が頭の中で回ってる。


―― ひとりぼっちになんてしないから!
   私を呼んでっ。
   最後まで戦いぬくことを誓います!
   いつでもお守りします―――


 10年前、部室で受け取った言葉も、ここで宣誓された言葉も……。

 凜の言葉が全部。

 嘘じゃない。信じていいよ。

 ミサンガを見ていると、そんな風に、伝わってくる気がして……
 俺も願いたくなったんだ!

 どうか、凜が、幸せでいられますように!
 永遠に―――。