この作品は4年間書いた詩をすべて集めました。
今まで作った、すべてのセンチメンタルを詰め合わせられるように。
【目次】
Part.2
5、透明感100%を詰め合わせて
6、それでも君とセンチメンタルを詰め合わせて
Part.1(別作品になります)
1、君とセンチメンタルを詰め合わせて
2、シンプルな恋を詰め合わせて
3,失恋を詰め合わせて
4、君はよく頑張ってるよを詰め合わせて
5、透明感100%を詰め合わせて
☆このまま透明なままでいて。
君とこのまま、手を繋いだまま、真夏の空を飛び、
ショッピングモールの吹き抜けのガラスの上を歩きたい。
透明感100%の君がこのまま消えてしまわないように、
素直に君の透明感が好きだと伝えた。
★こうやって、親密さを紡ぎたい。
声を出して君と笑い合うだけで、
なんで、こんなに親密で切なくなるんだろう。
★恋をもっと夢中にさせて。
初雪に夢中な君と一緒に、
ずっと、君と青い夢を見続けていたい。
✶似た者同士なのにね。
似た者同士なのに、
少しだけ笑いの沸点が違うから、
君と無限に話せるんだと思う。
☆ほろ苦く、甘さを紡ぎたい。
寂れた夜の自販機が眩しいから、
カフェオレを二つ買って、
君と一緒に夜の公園で
永遠に愛を紡ぎたい。
☆君に好意を伝えたい。
最高すぎて君しか見れなくなったって、
伝えたいけど、
きっと重くなるだろうから、
優しさの印に、
レモンキャンディをひとつあげるね。
✶存在する恋が世界中から溶けても
今、存在する恋が世界中から溶けたとしても、
君のことを忘れない自信があるよ。
✶楽しい思い出がもっとほしい。
ソーダ水で喉の渇きを癒やす以上に、
もっと、楽しいことを欲しがる性格だから、
満足できないくらい君と楽しいことがしたい。
✶雪が降る街で君とはしゃぎたい。
雪が降る街のなかで、
雪だねって、ふたりではしゃぎながら、
ただ、君の手を繋いだままでいたい。
●君と青かった夏が終わるね。
青色のワンピースが似合う君は落ち着いていて、
きれいな夏空に君の憂鬱な話は似合わないよ。
だけどね、僕は君のことを素直に守りたいと思った。
✶君が傷つきやすいのは、知っている。
切なさをインストールするように、
君としっかり見つめ合うと、
そんな傷つきやすい君を抱きしめたくなる。
✶輝いたままで
輝きを保ったまま、君との恋を永遠に保存したい。
✦SOUL LOVE
宇宙船で栽培しているレタスみたいに、
過酷な条件下の君に無条件の愛をあげたい。
✦ただ、ひとつだけなんだ。
今、私が君にしてほしいことは、ただ、ひとつだけなんだ。
余裕な笑みを浮かべて、手を繋いでほしいだけだよ。
✶君はただ、疲れてるだけだよ。
静かに方を震わせ、
泣き始めた君の青の涙を拭いたいから、
疲れ切った君を、ただ、抱きしめたい。
★君はソーダ水より透明だ。
周りのことを気にしすぎて、
疲れ切った君は単純に素直なんだよ。
君の疲れと嫌なことが消える願いをかけながら、
純粋すぎる君の手元にソーダ水をそっと置いた。
✾もし、君との思い出を消す力があっても
愛を青で塗るように君との恋は一瞬だった。
もし、君との過去が消える装置があっても、
諦めの悪い私は、きっと赤いボタンを押さないと思う。
✶悩みを溶かしたい。
チョコレートでボールを溶かすように、
君が抱えている厄介なことも、
溶かし切って、生クリームを混ぜて、
新しい甘さに変えたい。
✶お互いに青かったね。
青い記憶の中で、今日も君は輝いているよ。
✶ただ、君の疲れを癒やしたい。
「疲れた」と言った君の憂鬱な表情と、
強い春風で揺れたボブの毛先が、
最高にかわいいと思ったから、
君の疲れが抜ける魔法を心の中で唱えた。
●君は安眠装置。
狭いソファで君に膝枕をしてもらうと、
オキシトシンが増量されている気がするのはなぜだろう。
これだけ、落ち着く人なんて、
もう、いないかも知れないね。
★優しい君の所為で、明日もきっと上手くいく気がした。
叫びたいくらい、
今日もなにもかも上手くいかないけど、
偶然、帰りが一緒になった君が駅のホームで、
新調したマフラーのこと褒めてくれたから、
明日も頑張れる気がした。
★君が中心だよ。
君が世界の中心だってことを
証明したいくらい、
このままずっと君の話を聞いていたい。
★そんな君のことが好きだよ。
君の悲しみに触れちゃった所為で、
君との恋が青色に染まってしまったんだ。
だけどね、
君が心の奥にしまっていた、
大事なことに触れることができて嬉しいから、
君のすべてを受け止めたいと強く思った。
▲#失恋を14文字以内で
二度とない青春に浸ることだよ
●もうそろそろ、特別になりたい。
ひまわり畑で誓った愛は、
きっとこれからも消えないはずだから、
揺れ続けている今の気持ちを君に伝えた。
●あわせてるつもりはないのに。
君と一緒になってから、
パフェの好みもコーヒーの濃さも、
すべて君色になりつつあるよ。
✶今年も君の笑っている姿を見続けたい。
ハスキーな君の声は何気ない言葉でも
切なさを帯びていて、
最高の青に近い透明だよ。
そんな君と、今年もたくさん、
ただ、笑いあいたい。
✶この冬を君も一緒に保存したい。
いつかふたりとも、
嫌でも大人になるけれど、
雪が似合う今の君を永久に保存したい。
✶スタバで待ち合わせしたいくらい。
スタバで待ち合わせしたいくらい、
君とゆっくり過ごしたい気持ちがあるよ。
だけど、今はしっかり休んでほしい。
✶連れ出してあげる。
ねえ、つまらないこと考えてないで、
気になってた新しいカフェに行って、
一緒に甘いもの食べよう。
●夢は終わり、また僕たちは現実に戻る。
最後の花火の花びらが水面から姿を消した。
花火が始まる前に言っていた、
君の悩みが少しでもぶり返さないようにしたいから、
僕はそっと君の手を握った。
●君はもう、無理しなくていいよ。
長い間、君は自分を犠牲にして、
人に合わせているのは知っているよ。
そして、もう君の限界も近いことも。
だから、今以上に、
もっと、力を抜いてほしい。
☆メビウスの輪
メビウスの輪をヘアバンドで作った。
テーブルに宇宙ができた瞬間、
彗星が最接近するニュースが流れた。
オレンジジュースを飲んで、
何も考えないで輪を見る。
今、目の前に
飛び込む情報に
惑わされて、
興味もないのに
星を探しに行きたくなった。
もう少しだけ、
流されない軸が欲しい。
★黄色いうちにささやかな恋を叶えたい。
秋色の木の下のバス停でお互いに黙ったままで、
私の緊張も溶けないまま、
冷たい風が通りすぎる無言の魔法に呪われる。
もっと、君のことが知りたいのに、
隣の君は近くて遠い。
☆君となら上手くいきそう。
出会ったばかりの君の
好きな映画はまだ知らないけど、
君とはきっと、上手くいきそうだって、
直感的にそう思った。
●君が回ることで、きっと世界は救われる。
イチョウ並木の下で両手を広げて回る君は、
黄色の世界でスカートの赤で孤を描いている。
君がこうやって自由に回ることで、
きっと世界中のつらさは消えると強く思った。
☆午後の喫茶店で君と過ごす。
君との関係を持続させるために、
大きなパフェをふたりで食べて、
白い夢と、甘い理想を切り崩そう。
●夏はいつも息切れする。
泣きたくなる季節はいつも夏で、
原因はいつも春から無理しすぎるからなのは、
自分でもわかっているんだよ。
だけど、簡単に手は抜けないんだ。
生きるのが不器用だから。
・crushing - 気持ちが破裂しちゃいそうだよ -
この恋の揺さぶりで、私の気持ちが破裂しちゃいそうだから、
はやく君に、私の気持ちをビリビリに破いてほしいよ。
重い気持ちがまっさらになった状態で君との恋を始めたい。
☆君への思いは重くて苦い。
君の心の中の迷路を知るために
今日もiPhoneに君への思いを綴り、
アイスコーヒーを飲み、
苦味を味わった。
☆君との深度は深まる。
冗談を言いあえる君は最高だね。
僕は君とたくさんの思い出を共有したいから、
今、笑っている君の笑顔を守りたい。
☆わけあうクッキーは愛。
ハートのクッキーを半分にわけて、
それを差し出す君は優しくて、
そんな君が好きだけど、
ハートを割らずに、
君との愛を確かめたかった。
●レモン色が夏を酸味で盛り上げてくれる。
泣きたいなら泣けばいいんだろうけど、
こういうとき、都合よく涙が出ないのはなぜなんだろう。
ようやく夏が来たから、
レモンをかごに入れて海に行きたい。
酸味ですべてを忘れられるように、
ソーダにかき混ぜてしまおう、不安な未来を濁して。
いつも黄色を愛せば、未来が切り開ける気がした。
●君との思い出を一瞬にしたくない。
孤独に慣れた君に届く言葉は少ないと思うけど、
遠くで打ち上がり水面に落ちる
花火の花びらのように、
簡単に君との関係を消したくない。
☆君は魔法使い。
雨が降り続ける夜の街を
君と一緒に歩くと、
なぜか憂鬱がファンタジックになるよ。
☆あの日の約束のことを、きっと、君は覚えていない。
日々の憂鬱を取り除くために、
戻れないあの日の
塩素ナトリウムの香りを思い出し、
果たせなかった君との夏の約束を思い出した。
☆君は100%だった。
花びらが落ちていくのを見ていると、
なぜか君のことを思い出して、
涙が溢れちゃったよ。
☆君が透明になっていく。
もう二度と変わらない
あの日の思い出からは、
ずいぶん経ちゃって、
少しずつ記憶から君が消えている。
☆君との恋は。
君との恋は「がんばらないで」と言われて始まり、
「もっとがんばればよかった」と言われて終わった。
☆忘れないよ。
突然の雨の所為で二人とも
びしょ濡れになったけど、
これだけは覚えておいてほしい。
僕は濡れた君のこと、忘れないよ。
☆夜は静かだから、君といると落ち着く。
月の明かりの下で、
二人で手を繋ぎ、アイスを買いに行く。
君と僕はなんで似ているんだろうって、
君に聞いたら、
君は当たり前じゃんと答えてくれた。
✶いつか今日の寒さをふたりで思い出したい。
ずっと、君と手を繋げるように、
雪の街を背景にiPhoneで自撮りして、
今日の冷たさを夏に笑い合おうね。
✶なんでこんなに楽しいんだろう。
飲みかけのシャンディガフの泡は
もう消えてしまいそうだけど、
君とは無限に話し続けられそうだよ。
ねぇ、もっと君の話を聞かせて。
✶それだけで十分だよ。
笑いあって、
君の声を確認しあって、
ただ、今は君のことを抱きしめたい。
✶君の感性を守りたい。
青くて、尖っている君の感性を、
はぐれたペンギンを保護するみたいに
しっかり守りたいから、
僕は君のことを全力で肯定するよ。
☆君との夢を終わらせたくない。
レモネードのように甘酸っぱい
君との気持ちを永遠にする根拠作りに、
もう二度と、離さないって約束を
白い日が差す、夢が散り、
廃れたショッピングモールの
吹き抜けに向けて叫んでほしい。
☆穏やかに過ぎていく時間をしっかり感じたい。
君と見る海に沈む夕日は、
なぜかわからないけど、
すごく特別なものになりそうだと思った。
ただ、ずっと一緒にいたいな。
★君の純度を僕は知っている。
冬が始まった朝の凛とした空気くらい、
君の素直さの純度が高いのを
僕は知っているよ。
★この夏の君も美しかった。
この夏、ふたりで見たひまわり畑は、
ずっと前に枯れて、土に還ったけど、
夕闇の中で寂しそうだった
君の表情は冬になっても忘れないよ。
●ふたりきりで海を眺める。
テトラポッドに座る君はぼんやりしていて、
髪の毛先が潮風で弱く揺れている。
夕日に照らされた君のその表情も美しいけど、
君の悩みをすべて消し去る魔法をかけてあげたい。
✶失恋は天気予報より正確だ。――ありのままの私で恋がしたかった
君との憂鬱な冷たい雨のなか、
ドライブが始まった。
ジムニーシエラのワイパーは沈黙を一定のリズムでさえぎる。
私は未だに君が運転するジムニーの助手席に慣れたままで、
前なんて向くことなんてできないけど、
ただ、虚しくて、
日常だった、今の状況をただ、感じたい。
・Love you - ねぇ、好きだよ-
君のために作ったチョコレートや、
君と一緒に買ったお揃いのネックレス、
一緒に7月の浜辺ではしゃいだこと、
それらすべてが、いまも大切に光り輝いているよ。
だから、残りの夏もキラキラした思い出を、たくさん作ろうね。
☆君は生クリーム程度の甘さじゃ、晴れないのは知っている。
不貞腐れた君もかわいいよ。
そんなことで君の機嫌が良くならないのは、
知っているけど、
浅間に染まってほしいから、
ローソンでシュークリームを2つ買ってきたよ。
★君の素直さを守りたい。
天使みたいに君は純粋すぎて、
素直すぎて、傷つきやすいから、
ずっと、そばにいてあげたい。
★考えが甘すぎて、君に負担をかけてしまった。
優しい君に甘えすぎて、
君を怒らせてしまったんだね。
君のこと、わかってたつもりなのに
わがままばかりで、
理解できなくてごめんね。
●冬になるまでに、もっと、あなたのことを知りたい。
夏が深くなるにつれて、
誤解していたあなたの内側を深く知れて
私はすごく嬉しいよ。
だからね、
私をひまわり畑でつかまえて。
●雨で濡れた街で、青い君は揺れている。
雨上がりの夜に揺れる青のワンピースは、
君の青さを象徴しているみたいだよ。
そんな後ろ姿をiPhoneで、
プリズムのフィルターをかけて、
君の揺れる姿を保存した。
●セルフケアは大切。
頑張るつもりなんてないけど、
結果的にそうなってしまう自分が嫌だ。
日頃の傷で充電が切れたから、
今夜もココアを飲んで回復しよう。
●秋の中、君と嬉しさを共有する。
秋色のワンピースの君が振り向くと、
赤い裾が弧を描き、君は輝いた。
秋の柔らかくなった午後の日差しの中で、
君は嬉しさを爆発させていた。
●水色の気持ちは晴れない。
冷たい秋雨に打たれて、
天気予報を恨みたい気持ちになったけど、
そんなことに意味がないのはわかっている。
だけど、こんな悲しい気持ちの日なのに、
水色の絵の具に意地悪するみたいに、
外さなくてもいいじゃん。
♪I Don't Want to Miss aThing - 君のすべてを見逃したくない -
夢の中で会いたいし、
永遠に君の成長を見ていたいんだ。
それだけ君のことが大好きだし、
君のすべてを見逃したくない。
●守れなくてごめんね。
優しくて切ない君のこと、
わかり切ってるつもりだったけど、
弱くて繊細な君を守ることができなくて、
ごめんね。
●休めるときに休んでほしい。
頑張る君に頑張らない魔法をかけるのは
すごく難しいことくらいわかってるよ。
ただ、休めるときに休んでほしいだけだよ。
●君の前では。
君の前ではなぜかわからないけど、
弱いところ、見せたくないんだ。
ただ、それを見透かされているのは知っているよ。
素直になれなくてごめんね。
●海は広がる。もうすでに世界の定義は変わった。
覚えている?
君と会話が弾んだ日は土砂降りだった。
カフェの窓越しに溺れた街が見えた。
水疱が簡単に浮き上がって、消えるように、
そっとした優しい時間が流れた。
きっと今はそんなのは消えて、
海に落ちた流れ星のように藻屑となった。
ラテアートのハートは脆くて苦かった。
大好きだった街は今は水没してしまった。
君はもう別の街に行ってしまった今、
今日も沈んだ街を潜る。
●この夏、最後の恋。
君に手を引かれた瞬間、
はっと息を呑んだの君にバレたかな。
この夏、最初で最後の恋だね。
君のオゾンは成層圏より薄く
古い緑色の冷蔵庫で
夢を冷やすようなものだね。
黄色い今を瞬間冷凍して
バニラと一緒に盛ってちょうだい。
君のスプーンで唇まで運んで。
この夏を最後にしたいから。
●オレンジ色の君は切ない。
夕日が射す誰もいない廊下で、
制服姿の君の悩みを聞き、
思わず立ち止まってしまった。
君の泣き顔もオレンジに染まっていたから、
何も考えずに君を抱きしめた。
●東京タワーは今日も深い青を貫く。
夏の夕暮れに光る東京タワーのことを
君は夢の塊だねと表現した。
君と手を繋いだまま、
電球色に染まった赤が、
深い青に伸びているのを、
君とただ、
このまま見ていたいなって思った。
☆ありきたりが好きじゃないから 1
流氷に乗り、群れとはぐれて、
途方に暮れているアシカくらい、君が好きだよ。
だから、君が困っていたら、
そんな君が可愛すぎるから、僕は君を助ける。
☆ありきたりが好きじゃないから 2
人類が絶滅して草に覆われたビル街の中、
一人で強く生きているミーアキャットくらい、君が好きだよ。
だから、君が寂しさを感じるなら、
すぐに通話で長話して、僕は君と一緒に夜を明かすよ。
☆ありきたりが好きじゃないから 3
弱っているからレタスをあげようとしたのに、
警戒しすぎて、すぐに逆立てるハリネズミくらい、君が好きだよ。
だから、君は僕の前で泣いてもいいよ。
●今年の夏もたくさん思い出つくろうね。
君に恋に落ちたのは去年の夏で、
自然に惹かれ合って、
暑かった夏が一気に涼しくなった。
今日も君の名前を呼べる幸せを
ネオン色のナイトプールの中心で甘く噛みしめる。
☆今日も君は発光体だった。
何気ない今日の思い出は、
ジュエリーケースに入れたいくらい、
君は眩したかったよ。
☆大人になり切れない二人。
今日も雨で濡れる街を、
憂鬱な君と手を繋いで歩くと、
臆病でソーダ水のように純粋な、
少年少女に戻ったような、
気持ちになるのは、
なぜだろう。
☆青いあなたのことなんて、なんでもわかってしまうよ。
青色LEDで淡く照らされた
水槽のクラゲをベンチに座りながら、
あなたと一緒に眺めている。
隣に座るあなたの横顔は、
いつものように涼しげだけど、
薄暗いブルーの中に溶けているみたいだね。
あなたの気持ちを確かめる方法は、
聞くことしかないけど、
あなたが今、何を考えているのか、
なんとなくわかるよ。
だって、もう、
付き合って3年経つんだから。
●青い外にもうすぐ戻れる。
入道雲が深い青に立ち上っている。
病室の窓を開けて、湿った夏の空気を吸い込むと、
着実に回復しているんだと思って嬉しくなった。
だから、
すべての気持ちをリセットして、
残りの夏を楽しみもうと強く思った。
●残りの夏を充実させたい。
クーラーが効いたカフェのカウンターから、
夏の夜の街を見下ろしている。
ネオン色になった街で無数の人たちが、
夏を思い思いに楽しんでいるんだと思うと、
それに比べて、楽しめていないなって、
勝手に意識して、
ため息を吐いてしまったから、
それを打ち消すためにアイスカフェオレを一口飲んだ。
●切り裂く告白。
広がった青空をジェット機が切り裂いてく。
そんな轟音の下で君に告白された。
君の言葉はほとんどかき消されたけど、
いいよ。
君のことが好きなのは変わらないから、
許してあげる。
♪oh Pretty Woman - 君は可愛すぎる -
君は可愛すぎるから、
駅前の噴水広場のしぶきすら、
味方につけるほど、
夏が似合っているし、
キラキラしているよ。
・Kiss me before I rise - 起きる前にキスしてほしいな -
眠りのなかでも、愛100%の君に会いたいんだ。
だからね、起きる前にキスしてほしいな。
●夏生まれの君は透明。
レモン色のワンピースが似合う君は、
最高に透明だから、
手を繋いだまま水族館へ行こう。
8月生まれの君は、
生まれつき夏が似合うから、
君は永遠に光を失わないよ。
●君とレモンソーダをかき混ぜたい。
白いパラソルの下で君と一緒に
レモンソーダを飲んでいる。
君と過ごす夏が終わる前に、
甘酸っぱい恋をしっかりと君と混ぜたい。
●いつか見た満月は時空を超える。
タイムマシーンを起動した瞬間の青色のように
美しい雨の夜に君のことを思い出したのは偶然じゃない。
尽きなかった想いは、
いつの間にか時間を溶かしていった。
街のネオンを反射するスクランブル交差点を渡り、
無数のビニール傘と雑音に飲まれる。
もしかしたら、
今、この瞬間に君とすれ違っているかもしれないけど、
それを知るすべなんてないから、
前を向くよ。
☆不意に夜が明るくなる。
蒸した夜のローソン前で、
君に告白された瞬間、
予想外の言葉に呆気に取られてしまった。
だけど、答えはひとつしかないよ。
君は最高だからね。
このまま、家まで向かってアイスを食べようね。
☆雨に閉じ込められた僕ら。
君の不機嫌さは唇を見るだけで僕はわかるよ。
君は今日もこうして不機嫌だし、
外は、にわか雨がまだ降っているし、
夏休みなのに、二人で教室に閉じ込められ、
足止めされている僕らは、
まるで水槽の中のクラゲだね。
●すっきりしないから、光が射す方に自然と歩みたくなる。
もっと楽しいことを求めて、
曇った空に右手を伸ばして、
意識的に頭を空にする。
水晶から世界を見るように、
ガスで煙る朝を軽くしたい。
もし、願いが叶うとしたら、
ファンタジックな世界で余生を送ってみたい。
大好きだった出来事をビーカーに入れて、
世界に彩りを加えたい。
☆いつか、夏の空の上でホエールウォッチングしよう。
空飛ぶクジラに手を振る
君の無邪気さをiPhoneに収めたら、
君は少しだけ照れて
「やめてよ」と小さな声で言った。
深くなる夏の木々の緑の上を
僕たちなんか無視して、
銀色のビル群の方へゆっくり旋回した。
今度、白い飛行船に乗って、
ホエールウォッチングに行こう。
そして、虹をくぐり、海原へ向かう
クジラ達にまたこうして手を振ろうよ。
傷つきやすい君に夢中な理由なんてわからないけど、
一つあえて言うのなら、
君の素直さはアルコールを入れると、
より際立つからかもしれないな。
だから、君にはいつまでも、
純粋な気持ちを大切にしてほしいだけさ。
☆傷を塞ぐ絆創膏は次の恋しかない。
終わった恋はりんごの皮を剥くのを失敗し、
人差し指を縦に赤く滲ませたように、
今までのことを自己否定していて痛い。
ただ、胸の中に君の甘さがまだ残っていて、
思い出が無駄に涙に変換される。
☆すべての瞬間の君を愛せるよ。
「寂しいだけだから、もういいよ」
と言った君の涙はビル街に降る夕立みたいな、
深い銀色のように見えるよ。
優しすぎる君を離したくないから、
僕は君の頬を伝っている涙に触れた。
●君と永久機関で充電したい。
夏の青は一瞬のしぶきで吹き飛び、
白い泡になり還っていった。
ロマンチックな昼の港で
二人で夢の話をしよう。
手軽に永久機関を開発する話や
電柱が宙に浮く超磁力の話
恋の進捗が数値化される機械の話
何でも手に入れたいけど、
すべてのアイテムが無意味だね。
と言った君が一番天才だね。
●もし、誰もいない世界に君とふたりになったら。
夕暮れの中、君と手を繋いだまま、
誰もいないホームで電車を待つのはなぜか切ない。
「ふたりきりの世界みたいだね」って、
君がそう言って笑ったから、
僕は君との夏がこのまま続けばいいのに。と返してあげた。
●こんな気持ちになるなら。
こんな気持ちになるなら
青さは惨めで海なんてちっぽけに思える。
こんな繋がりになるなら
白さは真面目で雲なんておまけに思える。
何度目の夏が来たか
夏至の終わりに知らされ、
何も変わらなかった私は、何も変わらず踊る。
君とコーラで乾杯した海岸線で
このまま海を見ていたい。
●雨上がりの君は美しい。
雨上がりの海に光が射し、
波が白く反射している。
雨を吸った砂浜を君と歩く。
君のサンダルは確実に、
小さな足跡を残している。
波が引いた時、
君は左回りで振り向き、
ワンピースの裾も左に広がった。
君の無邪気さが眩しかった。
君は笑いながら何かを言ったが、
波の音で聞こえなかった。
✶週末、君が強がっている理由を知りたい。
不意に君のことを意識したのは、
春風が君の前髪を揺らしたその瞬間だった。
君は凛としていて、
無理して、
強がっているように見えた。
だから、今夜、ウォーターフロントで待ち合わせをしよう。
カクテルの力を借りて、
君の果てを聞いてみたい。
●雨が降り続く。
雨が降り続く夜は長いね。
君はそう言って
一緒に横断歩道を渡る。
信号と青色のネオンが
アスファルトに反射して
妙に未来を感じた。
この蒸した夜
あと何度、君の横に居られるのだろうか。
そう思った時
あと一歩、踏み出すことに躊躇いはなかった。
横断歩道を渡りきったあと、
君は笑った。
☆終わった夏が忘れられない
終わった夏が忘れられず、
砂浜を歩いている。
ビーチハウスはとっくに壊されて
はしゃいだあの夏はもう終わっていた。
君と駆け抜けた波打ち際、
穏やかな波が砂をさらっていく。
冷たい風。
遠くでなびくすすき。
高くなった透明な空。
過去が流れて、
涙が止まらない。
君はどこへ行ったの?
☆君はそれをプリズムと言った
すすきが夕日で輝いている
君はそれをプリズムと言った
ストロベリーパフェのような
凛々しさとあどけなさが、
君は最強でレベチだね
5時のチャイムのような
寂しさとやるせなさが、
君と離れたくない理由なんだよ
君が求めているのなら、
無くした捜し物みたいに
綺麗にワープして消えてやる。
☆この瞬間の光を集め続けたい
秋の日差しでイエローゴールドが薬指で輝いている。
白い太陽に手をかざし、おもいっきり呼吸をする。
手を動かすたびにメビウスが乱反射して
夢のような導きを与えてくれる。
今は忘れたい。
恋のこととか、
今後のこととか。
iPhoneで収める瞬間より、
今、この瞬間の光を集め続けたい。
★プリズム
冬はプリズムが似合う季節だから、
澄みきった空気に悩みなんかも
流せたら最高だね。
もちろん、
そんなことはできないから
プリンアラモードでも食べて、
気晴らしするのが、現実的だね。
どうせいつも、損な立ち回りなんだ。
ため息を一つ、ついた後、
チェリーを一口で、食べましょう。
☆あなたとの夏の思い出は
木々が色づき始め、
冷たい風で季節が進む。
燃えるような夕日であなたとの影は長くなる。
あなたとの夏の思い出は、
ベースラインをなぞるように遠のいていく。
レモンのように爽やかに溶ける気持ちは
忘れないようにしたい。
ただ、手を繋ぐだけでいい。
そう思えるような夕焼けだった。
☆冬の君が見れなくなのは寂しい。
来週から急に暖かくなるみたいで、
もしかしたら、今日が冬の終わりで、
君のマフラー姿が見れなくなるのは少しだけ寂しいよ。
だから、僕は冬の君のことを忘れないように、
マフラー似合うねって、今更だけど伝えた。
☆秋雨が街を灰色にしていた
起きたら君がいないみたいに
秋雨が街を灰色にしていた。
起きてコーヒーを淹れた。
昨日、閉店前のパン屋で買った
クロワッサンと一緒にデスクに持っていく。
iMacを起動し、
クロワッサンを食べる。
低血糖で見た夢は、
一人で箱の中に閉じ込められていた。
しぶきが窓を溶かすように濡れていた。
☆お守り代わりのテディベア
公園の並木道を自転車でくぐる。
木々はいつのまに黄色になり始めていた。
こないだ振られたことを思い出すほど、
風は冷たかった。
淡い日差し。
木陰のベンチ。
空を写す水面。
すべてが優しく暖かい色をしてる。
かごのかばんが揺れる。
お守り代わりのテディベアが
微笑んでいる気がした。
✶夏、ふたりは恋を深めるために旅に出る
キャッチャー・イン・ザ・ライを持って、
旅に出たふたりは、いくつもの真夏日を過ごし、
無数の思い出をiPhoneに残した。
そして、今、ひまわり畑の前で、
両手を伸ばして、微温い風を感じている。
ねえ、この爽やかな気持ちを保存したいから、
ひまわり畑で捕まえて。
✶5年後も君に会いたかった
もし、あの瞬間にタイムスリップできたら、
私はただ、君のことを抱きしめたい。
そして、君がいることをしっかりと感じて、
君の言葉を懐かしがりながら、
君の心の奥をもっと知りたい。
だから、今、
君が死んで、私の中で区切りがつかない、
5年前の恋を楽しんで、
嫌だけど君に永遠の別れを告げるよ。
☆君は楽観主義者
「なんとかなるでしょ」と
君は笑いながらそう言った。
右手を目一杯に伸ばし、
かすみ雲を手にしようとした。
空は日に日に高くなり、
季節はどんどん深まっていく。
思いは空想に。
真実は理想に。
未来は夢想に。
どんなに未来が暗くても、
手をつなぎあって、
君と乗り越える勇気があればいいと思った。
★感電
君の手を繋ごうとしたら、
静電気に阻まれた。
君は少し、恥ずかしそうに笑った。
キャンディが酸っぱく溶けるように
照れているのはお互い様だね。
もう一度、
そっと、
君の手を握ろうとしたら、
中指の腹が柔らかく触れあった。
一瞬の間のあとに
しっかり繋いだ手は冷たかった。
★遠くの君
曇るガラスから見る
夜の街並みはきらびやかで
バスは確実に街から離れていく。
君に会うために
乗った夜行バスは
何人かしか乗っておらず、
暖房の濁った空気が充満し、眠気を誘う。
遠距離のままでいたくないけど、
今は仕方ない。
人差し指でそっと、
ガラスに目と口の線を描いた。
☆こみ上げる過去
死にたいときはいつも深夜で
思い上がった過去が殺しにかかる。
深夜の学校の中で、
青く照らされる蛇口をひねるように、
やり場の無い気持ちを孤独に流すよ。
この思いは、
誰かにかまってほしくて、
銃口をこめかみに当てるようなものだ。
なぜ、涙はこうも
無限に湧いてくるんだろう。
・have a good chemistry - ふたりは相性抜群 -
喧嘩のあとって、寂しさと、自己嫌悪で最悪だけど、
「ごめんね」と伝えたら、
「いま、言おうと思ってた。ごめん」って君が返してくれた。
そう言われるってちょっとだけ思ってたよ。
嫌なムードでも、ふたりの相性抜群で、
この愛は同じタイミングで、
同じように思うことで、続くんだから。
★おめでとう
家でリラックスして飲む
ワインでほろ酔いしたよ。
だから、大好きなあなたに
しっかり好きだと伝えたい。
素敵なあなたと一緒に踊りましょう。
ダイニングテーブルから飛び降り、
テレマーク決めて、
一緒にお祝いしましょう。
大嫌いな束縛から自由にしてね。
大好きだから、ボトル空にしようね。
☆いつだって
通り雨が冷たい世界を作った。
ビニール傘で空中に魔法陣を描いても
何も起きることはなく、
白の街灯が傘からの水滴を
白く反射した。
君がいない夜は特別な物語が、
始まるわけではないのはわかっている。
砂糖を溶かすように悲しくなるけど、
いつだって、
大丈夫だって、
言ってほしい。
☆無頓着で強靭なハートをください
夜の路地は街灯の弱い光で照らされている。
立ち止まり、白い満月に手をかざした。
指の間から漏れる光は妙に幻想的だった。
傷つきやすいから
無頓着で強靭なハートをください。
そう願った。
別に何も起きないけど、
身体が軽くなった気がした。
白けた空気に蹴りを入れたくなった。
☆そういうものだ
摩天楼を見上げると、
端々が赤く点滅していた。
あのタワーから身を投げ出すことは簡単だけど、
痛みに耐えるのは簡単ではない。
そういうものだ。
たがら、仕方なく今日も必死なふりするけど、
孤独感はまぎれない。
大切なことは、
すでにわからないけど、
矛盾も取り消せる魔法をください。
●瞬間的にタイムスリップする。
昔、好きだった歌が
テレビから流れている。
あの時を
思い出すと
妙に胸がきゅっとなって
あの時の
迷いが再現される。
別々になったのは
お互いに傷だらけなのを
知ろうとしなかったからだ。
別にリンクしないけど
あの時、
繋いだ手の感触を
思い出した。
あなたは今、
何してるんだろう。
●君を迎えにいくよ
魔女修行をしている
君を迎えに行く。
カーキのアウターでは心持たない。
枯れ葉で敷き詰められ
鬱蒼とした黄色い森の中へ
ゆっくり入っていく。
もうすぐ雪が降りそうな
匂いが混じっている。
その匂いが記憶を刺激して
苦い断片を思い出す。
小屋に着いた時、
君はどんな表情するだろう。
●ネタが懐かしいよ
ポッキーの日なのを
思い出して、
ポッキーを買った。
wikiで調べたら、
芯のプリッツは
プレッツェルを意識したらしい。
スマホで
そんなこと調べて
朝からニヤニヤしている。
君にポッキーを渡したい。
君に渡すとき、
「あなたも私もポッキー」って
言ってやろうと思った。
☆もし、今から駆け寄ったら
秋の半ばの銀杏並木道をあなたは駆け抜けていく。
そして振り返り、僕を手招きした。
あなたは木漏れ日に照らされていた。
カーキのアウターに黄色のスカートが、
なぜこんなにも似合うのだろうと強く思った。
もし、今、
僕が駆け寄って、
あなたを抱きしめたら、
どんな表情をするだろう?
☆秋になると君のことを思い出す
秋になると君のことを思い出す。
幸せなファンタジーは
突然、起きることをウォルトが教えてくれた。
だけど、いつも恋はすれ違う。
雨に打たれるタイミングと同じようなズレが多い。
嘘がたとえ小さくても、
本来の自分ではないからタイムラインは離れていく。
さよなら、青い思い出。
☆うつつ抜かす暇はない
マイナスなことなんて霧吹きで吹き飛ばそう。
うつつ抜かす暇はない。
核心を割って拾ろう。
イチョウ葉をつまむように優しくね。
黄色にシケた思いは
虚ろな社会を蹴りたいだけだ。
順応できず大人になった。
普通じゃなくて嫌気がさすね。
激烈な鬱を吹きとばせ、
撃つ、宿敵は己の内。
☆あなたへの気持ちは
街路樹が色づき、
日差しが黄色い昼下がり、
あなたと黙々と手をつないで歩いている。
季節は冬に向かって
移動している最中だけど、
あなたへの気持ちは変わらない。
別に行く宛なんてないけど
もどかしさなんてない。
このまま、
ただ、時間が流れればいい。
それだけで非日常になるから。
・I feel something for you - 君は特別な存在だからだよ -
私が苦しくて、絶望の中にいたとき、
「シンプルに考えたらいいんだよ」
と君は笑みを浮かべながら、あのとき言ってくれたよね。
そのとき、闇の中だった私の心を救ってくれて、ありがとう。
あのときから、君はどうして私のことを
そんなにわかってくれるんだろうって、
すごく不思議だったんだ。
だけど、あのときから3年経って、
君のことを知った今なら、私は簡単に答えられるよ。
君は特別な存在だからだよ。
☆すれ違いは神様の芸術
いつもすれ違う。
その日に出来ることは
多くないから愛の言葉を
照れずに言える人はすごいと思う。
すれ違いは神様の芸術で
人為的ではないことを
誰かに証明してほしい。
取り繕うのは簡単だ。
トカゲに鱗を張り付けて
ドラゴンを飼っていると言い張った
ダヴィンチの逸話を思い出した。
●そのほうが長く君と会えるね。滅んでも仲良くやろう。
一日が終わった。
間接照明で暖かい色の部屋で
チューハイ片手に
安い酔いで頭がぐらつく。
Youtube観て、
ゲラゲラ笑ってるだけだ。
君からの返信は
もう今日はないだろう。
すれ違うのも
慣れてしまった。
途切れた会話が気になる。
もし、今、
世界が滅んでも
天国で再会すればいい。
●巡る気持ち。
巡り去る季節に
さよならを言い忘れた。
傘を持っていないのに
強い雨が降ってきた。
ため息を吐くと
息が白く、
余計、気落ちした。
叶わない夢とか
失ったこととか
そういうことが
こういうときに限って
たくさん出てくる。
こうして置き去りにされる。
雨が冷たくて
泣きたくなった。
●あと5分。
「明日なんか来なくていいのに」
君はぽつりとそう言った
酔った君は一瞬
少女のように
あどけなく見えた
スクリュードライバーの
オレンジが何故か
最高に似合うんだよ
屈託ない
その笑みが
過去を忘れたい証拠だ
時計を見ると
あと5分で明日になりそうだ
そんなこと
忘れて
もう少し飲もう
●前向き。
凛と空気が街を支配している。
駅前の交差点は
今日もどこかのビルへ向かう
人達が信号を待っている。
いつまで悩んでも
どうしようもないこともある。
フラれた朝だって
それは一緒だ。
時間はなぜ平等なんだろう?
前しか向かない思いが、
チョコレートのように
冷たく、固くなってほしい。
●話したい。
君から着信があった。
並木が電球色をまとい
駅前がクリスマスになっていた。
君に発信したけど、
出てくれなかった。
ため息をつくと白かった。
iPhoneで並木を写した。
すれ違いが寂しくて、
デジャブを感じた。
帰ったら、
君と通話しながら、
チーズとワインで
少し酔いたくなった。
●痛み。
仰向けになり、
額に右手を当て
天井をぼんやりと眺める。
不意にグラスを
落として割るように
突然の別れは何も感じない。
過ぎ去ったことは
空中に漂ったままだ。
なにか欲しいかと言われたら
去年のクリスマスと答えたい。
優しくない
今までの自分に
嫌気がさし
涙を堪えられなくなった。
●思考回路
いいことが
思いつかなくて
好きな曲をループして
今日も夜を過ごすよ
古いMac Bookは
イカれたファンを回して
必死で放熱をしているけど
残念だけど、無意味で
カイロの様に熱くなっている
宇宙の果てなんて
今、この瞬間には
残念ながら存在しない
君のことなら
簡単にいいこと思いつくのに
●ウソつき
ブランケットにくるまって
安いソファに横たわっている。
ただ、時間が過ぎていくのを
間接照明に照らされて
今日も待っている。
さっき、
わかりやすく君に嘘をついた。
一人になりたくなるから、
こうして、
たまに弱い嘘をつく。
今日だけはお願い、
待ってて。
明日は余裕で元気だから。
●隣りの君
このまま、
君と手を繋いで
一緒に寒さをしのぎたい。
軒先に立つ、
白く光るスノーマンは
今日も幸せそうな
顔をしている。
かじかむから、
連れて行って。
同じバスタブ入って
君とくだらない話をしあいたい。
赤いバスボブ入れて
弾け漂う泡を見ながらゆっくり。
無敵な愛で武装しよう。
●クリスマスディナー
窓の外は
湾岸まで広がるビル街が
白と赤の光を放っている。
レストランに飾られている
クリスマスツリーを眺めて
久々に飲むシャンパンは
何故か酔いやすい。
去年の今頃は
もういいやって
恋を諦めていた。
リボン柄の包装紙みたいに
君はシャイだから
もっと深いところを
知りたいと思った。
●クリスマスマーケット
クリスマスマーケットは
暖かい色している。
クリスマスイブを
君と過ごすのは最高で
まだ緊張するけど、
君の横にいることに
少し慣れてきた。
手を繋いだだけで
舞い上がっちゃってさ。
手袋越しに伝わる温もりは
新鮮で胸がときめく。
気持ち、
落ち着かせるために
ホットチョコ飲もう。
●クリスマスイブ
マライア・キャリーが
館内をクリスマスに染めている。
アトリウムを貫く
大きなクリスマスツリーは
正統派なきらめきを放っていて、
赤や緑に帯びた
電球色にうっとりする。
君と手を繋いだまま、
こうしてツリーを眺めていると
時間が止まったみたいで
このまま何もかも
終わらない気がした。
●瞬間冷却
花びらのように
雪が激しく降り始めた
雪が降り積もった夜
君との帰り道は少し寂しくて
このあと、なにかドラマが
起きることを期待している
だけど、手を繋いで
ただ、歩いて
一緒にいるけど
寂しくて
寒いけど
いつも通り一緒に
君といることが
大切に思える
このままでもいいやって思った
●銀世界
雪で青白く覆われた街は
街灯で一瞬の夢みたいに輝いている
車もまばらな帰り道
雪の所為で今日も暇だった仕事は
今日も無駄に時間だけ流れた
明日もきっとそんなもんだ
電信柱
街路樹
ポスト
すべてが白くなった世界で
例えば、夢みたいに
知らない誰かと
恋をして
駆け抜けて
足跡を残したい
▲堤防で君と
堤防の青芝が西日で淡い。北の村に遅い夏が来た。
君と肩をくっつけ、川をぼんやり眺める。
夕方のサイレンが鳴り、変わりたくない時が終わった。
君が立ち上がり、歩きだす。30年も直していないアスファルトがボロく、悲しい。
西日のオレンジ、逆光でも君はキレイだ。
▲すべてが夢だった世界
石炭がガラクタになり、炭鉱の街は死んだ。
そう言われてから半世紀近く経った、ゴーストタウンに僕は住んでいる。
1世帯しか住んでいない集合住宅、昭和字体のホーロー看板、
廃墟の映画館、廃校。すべてが夢だった世界だ。
今はコンビニしかなく、冬は死んだように静かで寒い。
▲忘れないうちに何度も
忘れないうちに何度も言葉を自分の内側に繰り返す。
私は忘れやすいから、ちょっとした言葉とか、
これからの人生に影響しそうな出来事とか、結構忘れる。
今この瞬間を今生きているって感じは毎日するけど、今の積み重なりを振り返ることが苦手。
青春あっという間、ってそいうことか。
▲飛ばされる
海の奥からは雷鳴。
積乱雲が上へあがり、暗くする。
星が正義をいえば、対岸の地図にバツ印をつけるだろう。
どす黒さが憂鬱。
浜を歩けば、足跡が湿った砂に残り、波が消す。
積乱雲はどんどんあがっていく。
浜に戦慄が走り、空中に舞った。そのとき、私は別の平面に飛ばされた。
▲ピンクで溺れた未来
ピンクで溺れた未来が今になった。
あなたとの不思議な世界。
一緒にいることが不自然。
僕らの暗号文を作ろう。
誰にも見つけられない平文を。
平面を何面も重ねよう。
平面では僕らは一緒になれるけれど。
立体では離別するだろう。
だから、このまま過ごしたい。
▲夏以来
ボロアパートで、熱中症ぎみで、目覚めて、頭痛。
入道雲が大きくなったのを制服の君と見たのを思い出した。
午後の誰もいない公園。
ブランコに座って、はっきりしない未来のことを話し、無限な気がした。
その夏以来、君と会わなくなり、揺れる今がある。
懐かしい苦味がした。
▲夢の後は寂しい
夢の後は寂しい。
楽しいことや、嬉しいことを思い出すからだけど。
わかっていても虚しくなる。
オシャレしたこととか。
美味しい料理食べたこととか。
愛されたいとか。
わかりあいたいとか。
すべてがモノクロール。
影で形を思い出し、夢を着色する。
だから、夢って眩しいんだよ。
▲過去を忘れることを決めた日
過去を忘れることを決めた日、
今しか見ないことを決めた。
生きることに集中するって、
仕事だけじゃないことにようやく気付いた。
テレビでド田舎に住んでいる人の意味がわかった気がする。
結局、過去を捨てれない自分が惨めだ。
時空がプリズムみたいに歪んだ。
☆君の迷いを消したい。
イチョウで黄色く染まった並木道の下で、
君と手を繋いで歩く時間は単純に嬉しいよ。
君の迷いが消える魔法を唱えるために、
僕は少しだけ冷たい君の手を強く握った。
☆話を止めないで。
公園のブランコに座ったまま、
夢中で君の話を聞いているうちに夜は更けていったね。
君が話したかったことを
僕はしっかり受け止められたかわからないけど、
真剣に君のことを知りたいと強く思った。
▲コンクリートの非常階段にて
コンクリートの非常階段から夜景を眺めていた。
夏が始まったばかりだから、少し冷たい。
時々、なぜこんなに人が都会に暮らすのか疑問に思うけど、
便利で仕事があるからに尽きる。
セブンスターが燃え切ったとき、
遠くで隕石が落ちていくのが見え、手が震えた。
▲あの子は
雨上がりの路面に赤信号が反射していた。
死にたがりだったあの子が、
赤信号を待っているとき、
なんで生まれてきたんだろ。
と言ってたことを思い出した。
哲学すぎてわからないと答えたら、
あの子に浮いた印象を与えた。
結局、あの子は死ぬことはなかった。
▲レモン色のワンピース
レモン色ワンピースの強気一色コーデが無敵に似合うのは君だけだ。
強い日差しが、甘酸っぱさを溶かし、白タイルの街に君が反射する。
たまたま見つけた露店でラムネを買って、
炎天下のベンチで焼けそうになりながら、ラムネを飲んだ。
君が青く笑ってたから、素直な気持ちが蘇った。
▲灰色世界
朝、起きると街は灰色だった。
光も何もかもが灰色で、色が恋しくなった。
出勤のために外に出た。
街は騒然としていた。
ニュースは「大都会も灰色」「灰色になった街での色の見分け方」など、
灰色関連の報道ばかりだった。
だけど、職場はいつも通りだった。
▲冥王星調査旅団
人と空を愛したとき
青さや空気がすべて決まっていることを知った。
人と海を愛したとき
夕闇の静けさの積み重ねが人生だと知った。
地球から出られない窮屈さ
近くに物質惑星がない孤独さ
冥王星調査旅団が、孤独の星に着陸し、
定住を始めるニュースは、そんな常識を壊した気がした。
6、それでも君とセンチメンタルを詰め合わせて
✶センチメンタルな君は最高の宝物。
ねえ、自分を大切にして。
どんなものでも壊すのは簡単だから、
治すのは難しいんだよ。
だから、自分を大切にして。
時計の針が止まる前に、
楽しい思いたくさんつくろう。
✾青い夜はイリュージョン
センチメンタルを袋詰して、
走り抜けよう青い夜の街を。
未来はきっと明るいだなんて、
誰かが呑気に言っていたのを思い出した。
立ち止まって、深呼吸して、
まだ冷たさが残る春の空気を吸い込み、
現実にトリップして、
叫びたい衝動をそっと抑える。
生きているだけで、
それで十分なんだって、
今更だけど、思い出して、
過去を断ち切る決意を今、そっと心に誓う。
★もし寿命が200年だったら、この愛をどう処理すればいいの?
カフェの窓越しに夜の銀色な街を眺めていたら、
色々、失ったことを思い出して、
少しセンチメンタルになった。
もしも、ホッキョククジラみたいに
寿命が長くなったら、
どうやって感情を処理して、生きればいいんだろう?
もう二度と会えない
君と今、デートしたら
どれだけ会話が弾むんだろう?
✦もう、センチメンタルは魔法じゃない
センチメンタル病の私はきっと、
時代に置いていかれているくらい、
古臭いのはわかっているよ。
もう、中二病と表裏一体のセンチメンタルや、
申し訳程度の浅いエモさのセンチメンタルとか、
そういうのに、もう、嫌気がさしたんだ。
だから、今ある風景を古いコンデジで保存するように、
今日の見慣れた街の夕暮れをいつか取り出せるように、
心の中に保存したい。
☆センチメンタルは続く。
夏の渚に向かってハンドル握りながら、
お気に入りの冬の歌を口ずさんで、
一人の寂しさを優しく暖めてあげよう。
去年の夏は無力で泣いていた日々が懐かしいね。
失恋を糧に背伸びするのも、
意外と悪くなかったね。
こんな日々は穏やかで、続けばいいと、
心から願いを込めたけど、
やっぱり、たまには人恋しくなるよ。
開けて見えた海岸線は左に弧を描き、
海は白い光を淡く反射している。
左手でそっと、クーラーを切って、
窓を全開にして、潮をしばらく感じよう。
誰に宛てるわけでもないのに、
ずっと二人でいようと歌いながら。
✶好きでいてくれて、ありがとう。
好きでいてくれて、ありがとう。
君のことが好きすぎるから、
君の理想の裏まで、
透き通った究極になりたい。
☆弱いところを出す君は新鮮。
私は君のことを理解しているつもりだよ。
ただ、君の浮かない顔にシルバーのピアスは似合わないから、
ただ、堂々としてほしいと伝えると、
君はありがとうと言って、微笑んでくれた。
✦ありがとうって、素直に伝えたかった
夕立で濡れた銀色のビル街は、
私たちの悲しみの涙みたいに感じた。
それは、だれでも思いつく、
ありきたりな、表現だと思うけど、
君のいなくなった世界では、
私は本当にそう思うんだ。
君がいなくなった街は寂しすぎるよ。
だから、最後にありがとうって伝えたかった。
✾ねぇ、なんでわかるの
今日、そして、今、カフェの中で、
君に話すつもりなんてなかった。
なのに、君は私の異変に気がついたんだね。
聞き上手すぎる君の所為で、
最近の黒いところ言っちゃったじゃん。
だけど、それすら肯定してくれる君は、
優しくて、最高だよ。
ありがとう。
★寒いけど、君の話をもう少し聞きたい。
白い息を隠すように、
君のマフラーのフリンジが風で揺れた。
「話、聞いてくれてありがとう」
そう言った君を見ると、
君は僕の視線に気が付き、優しく微笑んだ。
もう少し、話を続けたいから、
寒いけど、このまま歩こう。
✶君のすべてが好きだよ
きっと、ペンギン文明が中心になっている街で、
ふたりで暮らし始めても、
君となら、周りの目なんて気にせずに、
楽しくやっていけるような気がするよ。
たまにローソンで
ご褒美のバニラを買って、
それを夜の公園のベンチに座って、
ふたりで黙々と甘さを感じるんだ。
そんな関係になれたこと、嬉しいよ。
ありがとう。
●君の悩みを打ち消したい。
どこにも行くあてがなくて、
結局、公園のベンチでうだうだ話して、
乾杯したコーラはすでにほとんど飲み干した。
マフラーだけ巻いている
制服姿の君は美しくて、
終末予言が似合いそうな雰囲気が出ている。
夕日は冷たいオレンジ色をして、
冷たい風でスカートの裾は弱く踊っている。
冬なんて来なければいいのにってふと思った。
果てしないように感じる人生は
無限のように思えて、
実は有限であるってことを実感したんだ。
って君はそう言って、悲しく微笑んだ。
命は儚いね。
っておどけて、
君が言うと説得力があるね。
君を励ます言葉なんて、
簡単には見つからないから、
このまま君の話を聞くよ。
君はきっとこのままでいいんだ。
変われない僕のことを置いて行ってもいいよ。
君だけ前を向けばいいよ。
君が不意に立ち上がって、
「ありがとう」と言った。
君の頬が光っていることに
今更、気づいて、
少しだけ情けなくなった。
●何度繰り返しても。
君に会うために何度もタイムスリップするなんて、バカげているよね。
だけど、僕は君に会うために何度もタイムスリップをするつもりだよ。
君ともっと、たくさん思い出を作りたかったし、
君ともっと、笑っていたかった。
だけど、もう、ダメみたいだね。
なんだか、数ヶ月前に余命宣告を受けたのが懐かしく感じるくらいだよ。
なんだか、こうやって手紙で書くと他人事みたいに感じるよ。
本当は君のことを巻き込みたくなんてありませんでした。
あの日、お互いに気持ちを確かめた日、
本当に嬉しかったよ。
僕はこれから永遠の眠りに入るんだと思います。
それはこの命である自分がひっそりと消滅するだけです。
叶えたかった夢とか、愛とか、自由とか、欲求とか、
すべてがひっそりと消滅するだけです。
意識って、ホントどこに行くんだろうね。
だけど、悲しまないでほしいな。
人は死に向かって生きているから。
僕はそれが人より早かったってだけだよ。
最後に君に伝えたいことがあるんだ。
僕は君のことを忘れないよ。
ありがとう。
✶今はただ、君の無邪気さを感じたい。
夜のバス停で君とふたりでバスを待っている。
バカなことしか言わない君の話で、
お互いの笑い声が響くけど、
バスに乗るとそんな笑い方できないよね。
だから、今は君をただ笑わせて、
楽しそうな君の声を聞いていたい。
✶今の恋を永遠にしたい。
午後の黄色で輝く岬で、
君と笑いながら金色の南京錠を
鍵で埋まったフェンスにそっとかけた。
「永遠の魔法だといいね」
そう言って、君は南京錠に指をかけ、
今の愛に鍵を締めた。
✶この瞬間が嬉しすぎて、急に照れくさくなった。
オレンジや白、黄色で優しく輝く街を展望台から君と眺めている。
冬は順調に深まるにつれて、
君のことを知れた気がするって言いたくなった。
だけど、少し、それを言うのが照れくさくなったから、
なにも言わずに
右手でそっと、
赤い手袋をしてる君の左手を握った。
★春のシュークリーム
冬が終わった今日は、
暖かくなったお祝いをしたくなった。
午後の柔らかい日に照らされて、
コンビニで買ったシュークリーム入った袋を
ブラブラさせて帰るよ。
なにも考えず、自分をゼロに戻しながら。
春風はちょっぴり頬を冷たくするけど、
切ない新しさを運んでいる。
明日もきっと上手くいくよ。
●チョコレートが溶けるように時間が溶けた。
誰もいないホームで
君と電車を待っている。
髪を乱すくらい
秋風がたまに吹いた。
ラズベリーを摘むくらいの
優しさが欲しくて
君の手をそっと繋いだ。
君は驚いていたけど
手を繋いだままでいた。
チョコレートが
溶けるように時間が溶けた。
遠くに電車が見えてきた。
電車に軽く嫉妬した。
★青い夢
青い夢をみた。
無邪気な君と手を繋いで
永遠に青い水辺を駆け巡っていた。
悩みも何もなく、
ただ、二人で甘く柔い時を作った。
簡単な話、
二度と目が覚めなければ、
君とずっと一緒に居れたのに。
目覚めて、おはようがすべてを溶かす。
君にかけられた優しい言葉も
泡みたいに忘れてしまった。
★さらば!
マシュマロを溶かすくらいの情熱で夢中になるよ。
君とのおしゃべりは甘くて飽きずに尽きない。
コーヒーも冷めるくらい時間が流れたね。
要所要所で君の優しさが滲む。
だけど、来月から離れ離れになる。
もう、引き止めないよ。
夢に向き合えばいい。
約束しよう。
帰って来るこの夏、一緒に海に行こう。
★君とソーダを飲みたい
「暖かくなったね」
君は微笑んでそう言った。
君とこうして歩いていると、
なぜ落ち着くんだろう?
空は無限な青さで、
このまま、飛び立てそうな気がした。
ソーダをちょっと飲むように
淡い刺激を楽しみたいね。
このまま、ぶらぶら歩いて、
人気のない公園のブランコ座って桜を見ようよ。
★春だから
昨日、あなたとはしゃいだのを
ココアを飲んで思い出している。
季節は過ぎ去って、
いとしき日々はパフェのように
一瞬で消えていくね。
覚めない夢のように真空パックして、
味わいたいときに引き出せたら、
どれだけ素敵なんだろう。
だけど、そのうち全て、
曖昧になるのはわかっている。
✶恋を阻む罠。
君の横を歩いているけど、
胸に秘めた気持ちを伝える勇気なんて出ないよ。
だけど、このまま春を迎えるのは嫌だよ。
勇気出して、君の手を繋ごうとしたら、
静電気に阻まれた。
君と見つめ合い、痛いと笑い合い、
はしゃぐ今を瞬間冷凍したくなった。
✶君の優しさが眩しすぎる。
別に会いたいわけじゃないよ。
ただ、寂しいだけだよ。って、
わざとらしく言っても、
君はきっと笑顔で許してくれそうだよね。
たまに君の優しさが眩しすぎるときがあるんだ。
✶夜のスタバで紡ぐ、自分への愛。
iPhoneをなぞり紡いだ言葉は、
ほとんど無意味なことは知っているよ。
ただ、夜のスタバで、
頭の中を整理する時間が必要なだけなんだ。
ただ、今日もよくやったって、
自分をしっかりと励まして、
明日も生活を紡ぎたいだけなんだから。
✶夕暮れのなか、君とくだらないことを話すのが楽しすぎる。
君と一緒に駅に続く夕方の坂道を下っている。
君とくだらないことを、
言い合って、笑い合うのが、
なんでこんなに楽しいんだろう。
遠くで踏切の音が切なく感じるのは、
このまま君と、はしゃぎたいからだよ。
✶そんなつもりなかったけど、少しだけ、後悔してるよ。
急ぐつもりなんてないよ。
ただ、自分のこと考えすぎて、
君のことを考えられてなかっただけだったね。
一瞬でも君のことを忘れてごめんね。
✶君との日々をたくさん残したい。
君との日々を1秒たりとも忘れたくないから、
君とiPhoneで自撮りした動画は、
iPhoneの容量を圧迫するばかりだね。
そんなデメリットなんて気にせずに、
ただ、君とたくさん思い出を作りたいだけだよ。
✶日々の積み重ねに意味は求めてないけど。
カフェでぼんやりしながら、iPhoneで日記アプリに日々書いた
無数の意味のない言葉を眺めている。
別にそれなに意味なんて求めてないけど、
それなりに日々しっかりやってるじゃんって、
自分を褒めたくなった。
✶街が寝静まる空気を感じると、
君とのことをつい思い出しちゃうよ。
ごめんねって、素直に言えなくて、
結局、あのときはお互いに幼かったから、
ふたりはすれ違っちゃったね。
いつものように終電で帰り、
夜道を歩いていると君のことを思い出すんだ。
何年経っても、夜の中、手を繋いで歩いた
何気ない日々が忘れられないや。
✶不器用すぎて、自分が嫌になったら。
ありのままって難しすぎて、
いつも、自分が不器用すぎるのが嫌になる。
こういうときは、決まって、
夜の外に出て、深呼吸をして、
自分が自分だってことを確かめる作業が必要なんだ。
✶もし、あのときにタイムスリップしたら。
君はもう、あのときの約束なんて、
すっかり忘れてしまったんだろうね。
あのときのまま、季節に置いていかれたのは、
自分だけかもしれないって思うと、
ときどき、孤独に押しつぶされそうだよ。
だから、もし、タイムスリップできたら、
あのときの約束を有効なままの関係になるように、
君のこと、もっと深く知る努力するね。
✶ささやかだけど、君の今までの頑張りを認めることを形にしたよ。
君はここまで頑張ったと思うよ。
証拠や根拠を示す必要なんてないほど、
今を忙しくして、ギリギリだったんだから。
だから、今日は特別に、君が気になってた、
エキナカのクリームブリュレ買ったよ。
✶君は我慢強かったんだね。
このままの関係が続いたら、
きっと、君とは親しい関係のまま、
甘え続けられたと思う。
だけど、君に甘え過ぎだったってことを、
君が去ったあとに気がついた自分は、
本当に自分のことばかりで甘かったね。
✶いくつも季節が流れたけど、未だにあの日を思い出す。
あの日、夕日の中で君が泣いていたのに、
君のことを上手く慰めることができなくて、
不甲斐なかったね、ごめんね。
あのときから、いくつも季節が流れたけど、
君には、あのときの素直さを忘れないでほしい。
✶この街の思い出が重すぎる。
ほどけたブーツの紐をなおしながら、
風に乗った冬の匂いを感じた。
河川敷はまだ、春なんて遠いような寒さだけど、
あと1ヶ月もしないうちに
この街から出ていくと思うと、
それすらも感傷の材料になるような気がした。
✶今は考えるのをやめてしまおう。
気分が悪くなることなんて、
考えるのをやめてしまって、
今は、現実逃避に集中しようよ。
とりあえず、ウィルキンソンでも飲んで、
諦めるのも悪くないって、
しっかり自分を落ち着かせよう。
✶このままで甘えたい。
どれだけ、季節が巡っても、
成長できないから、
もう、そのままの自分で、
君の理想に近づくことにしたよ。
だから、わがままかもしれないけど、
このままの私を許してほしい。
✶もう、こんな時間なのはわかってるけど、
マイナスに支配されるよりマシ。
マイナス思考で頭がいっぱいになったから、
夜にコーヒーを飲んで落ち着かせている。
もし、上手く寝付けなかったら、
明日は休む覚悟で飲んでるから、
こんな時間に飲むなよって言わないでほしい。
✶ネオン色の流れに吸い込まれながら、君のことをふと思った。
今日も夜の雨の中を泳ぐみたいに、
疲れたまま黙々とスクランブル交差点を渡る。
濡れたアスファルトに街のネオン色が反射していて、
多くの雑音が自分の思考を止めようとしているみたいだ。
透明な傘同士が触れあわないように、
無機質に世界が流れていく。
疲れながらも、週末、君に会えさえすれば、
それでもいいやって思いながら、
交差点を渡り切り、
駅に吸い込まれる流れに乗った。
✶忘れたい記憶で取り残される。
忘れたい記憶が残ったまま、
トラウマは刻まれたまま、日々は過ぎていく。
その青いままの棘を忘れて、
なにも考えずに肝がんに踊ることができたら、
きっと、もっと生きやすくなるのはわかってるよ。
だけど、不器用すぎて自分を軽くできないんだ。
★素直に謝っても取り返せるか不安だけど、ただ、君にごめんねって伝えたい。
軽はずみで言ってしまったことを、
後悔しても君を傷つけた事実は変わらないよね。
謝ろうと言葉を何度も最適な言葉を考えて、
メッセージを打ち直しては消してを何度も繰り返し、
もう、耐えきれなくて通話ボタンをタップした。
✶ダウンロードした昨日の悲しみを捨てて。
ダウンロードした昨日の悲しみを捨てて、
ポカポカの公園のベンチに腰掛け、
今は忘れて、春の訪れをぼんやりと感じ取ろう。
孤独には勇敢と名付けて、
自分から世界を愛せるように、
ただ、心の中を空っぽにするんだ。
✶少し背伸びして、大人っぽいワンピースを買った結果。
君のために少し背伸びして買った
青いワンピースを褒める君は本当に優しい人だね。
少し大人っぽいかもと思ったけど、
素直に褒めてくれて嬉しいよ。
●ボーイフレンド
アイロンで
明日、着ていく
スカートのシワを取った。
ココアを飲んで、
一息つきましょう。
頭の中を空にして。
今週も、生きるために
どれだけ嘘をついたのだろう。
だから、明日は
あなたに今週の疲れを
ねぎらう言葉をかけてほしい。
だから、明日は
プラトニックな恋がしたい。
●初雪
夜更け過ぎに
ファミレスに居るのは
君の所為だ。
話が尽きないのは
それ相応の悩みがあるからで
それが何故か惹かれる。
君は時折、
唇を尖らせ、
棘のある言葉で
思ったことを躊躇なく言う。
ショートボブも相まって、
それが可愛らしい。
窓越しに国道を見ると
綿のように雪が降っていた。
・I fancy you - 付き合いたいな -
ふたりきりでフラペチーノを片手に、
公園のベンチで座りながら、
オレンジ色に染まった芝の緑を眺めているのは、
すごくソワソワしていて、
不思議な気持ちになるよ。
どうして恋の始まりって、理性が働かないんだろう。
今、君をわざわざ呼び出したから、
今日こそ、ストレートに告白するよ。
・crazy about you - 君の虜-
僕と君以外、誰もいない放課後のプールで、
制服を着たまま、素足に水をつけている。
たまに弱いしぶきを作り、底の青を揺らして、
無数のキラキラを作る君は、
無邪気で、最強の透明感を作り上げているよ。
そんな君は、本当にもう、可愛すぎるんだよ。
夕方になっても絶望的に暑すぎる日々が続くけど、
君とこうして横並びになって、話している時間は長く感じないよ。
もう、お互いに緊張なんて存在しないくらい、
くだらないことばかり話しているから、
きっと、もう、僕は君の虜だ。
●マフラー
制服にマフラーを巻いている
君は最高に細くて、
寒そうだった。
君の凍えた手を
暖められるのは俺だけさ。
ポケットの中で
手を繋いで、
駅まで歩こう。
制服のまま
街に繰り出して、
パフェでも食べながら
昨日出た新曲の話でもしよう。
とにかく君と話がしたい。
ただ、それだけで十分さ。
●肝心なこと
昔聴いた曲が
思い出せず、
検索を諦めて
iPhoneをベッドに放り投げた
いつも肝心なことを
思い出すことが出来ない
あなたが気遣ってくれた
言葉とか、
表情とか、
仕草とか、
そういうのが
情報の海に飲まれて、
甘い情景しか残っていない
何かを失くしたような
痛みが胸にじんわりと残った
●君待ち
誰もいない教室で
窓側の机の上に座り
外を眺めている。
綿のような雪が
グランドを白くしていた。
補講を受けている間、
待っててくれという
君の身勝手でダサい
お願いを聞いてしまった。
雪雲が風で激しく動き、
雲の切れ間から、
夕日が教室に差し込んだ。
そのとき、
扉が開く音がした。
●雪乞い少女。始まりの予感はいつも雨。
冬の雨は冷たいのは当たり前だから、
真夜中にこっそり逃げ出したくなる。
世界の全てが嫌いだから、
誰かとこっそり内緒を作りたい。
生きているだけで罪だって、
たまに重荷を自分で背負ってしまって、
気に入らない現実を投げ出したくなっちゃう。
雪の美しさを否定して、
鬱陶しさを全面に出してしまうように
始まりの予感を感じ取ることなんてできなかった。
そうして、今年も全てを投げ出してしまった。
SNSを全てリセットしちゃって、
存在全てを消し去って、
大っ嫌いな自分をネットから消すよ。
だけど、実体の自分は消えなくて、
消したい気持ちは消えなくて、
逃げてもいいよって言ってくれる人もいなくて、
家にいたら頭が爆発しちゃいそうだから、
雨なのに外に出たんだよ。
息は白くて、
辛い気持ちは変わらなくて、
ビニール傘で自分の世界を作るけど、
凍える寒さは変わらなくて、
寒冷前線なんて消えてしまえばいいのに。
冷たい街は嘘でできているみたいに思えて、
裏切りと社会的地位は比例しているように見えて、
誰かがバカにしているような気がするように思えて、
大好きだった幼少時代に戻りたいけど、
砂場に忘れた赤いスコップのように
いつかは錆びて、
回収されて、
廃品にされて、
絶望とダンスすることに慣れてしまって、
もう、元には戻れない。
消したい気持ちは消えないけど、
新しい自分は作れるかもしれないって、
決意、空から降ってくるように、
これから雪乞いをしてやる。
明日、
雪乞いの所為で電車止まっても
きっと、気持ちは晴れないから、
少しくらい、駅の中のカフェで、
困ってる人たちのことを見ていてもいいよね。
・with you forever -ずっと一緒にいたい-
「ずっと一緒にいたい」って、
ポツリと君がそう言ったから、
画用紙にボールペンを落としてできた、
黒点みたいな寂しさを感じたから、
思わず君のことを抱きしめてしまったよ。
僕が伝えたいことはただ、ひとつだけだよ。
君はひとりきりじゃないよ。
♪Can't Take My Eyes Off You -君の瞳に恋してる-
あなたって、少し変わったところがあるよね。
みんなはその少し変わったところを、からかうけれど、
私はそんなあなたの変わってるところが、大好きだよ。
♪Honesty - 誠実に -
君に誠実さを示すことは簡単なようで難しいけど、
これからの僕は、しっかりと君のことを見て、
誠実になるよ。
君を泣かせてしまって、ごめんね。
・Is there love in the air? - こうやって恋が始まるのかな -
たまたま、嫌なことをクラスで押し付けられた、
かわいそうなふたりだけど、
夕日が差し込む教室の中で、
机をくっつけて、向かい合って、
君と話していたら、思ったより君が面白くて、
君のイメージが変わってしまったよ。
君がおいたペンが机から落ちそうになったとき、
とっさに右手を出したら、なぜか君の左手に触れていて、
その瞬間だけ、時間が止まった気がした。
もともと、君のことなんて意識してなかったのに、
ドキドキし始めたから、結局、触れたままの手を離して、
君を思わず、じっと見つめてしまったよ。
こうやって恋が始まるのかな。
そんなことを考えている間に、君が微笑んだから、
私は思わず、君から視線をそらした。
・You’re amazing - 君は素敵すぎる -
君と話をすると、無限に時間が溶けていくよ。
夏休みだから、サイゼのドリンクバーで、
コーラを飲みながら、君が小さいとき、
暗闇が怖すぎた話を聞いて、かわいいって思った。
その臆病さは今となっては、
泡みたいに消えたみたいな笑顔だけど、
その過去があるから、君の優しさができたんだと思うよ。
端的に言って、その表裏のおかげで君は素敵すぎる。
●ぐるグループ、クレープ、プール、るーぷ
そりゃあ、美しいものは美しいに決まっている。
だから、かわいい子はモテるし、美人な子はひと目置かれる。
そんな存在なんて無数にあるわけで、私は頑張ってかわいいを演出することしかできない。
上手く行かない恋愛を嘆く映画を観て、
それを観て感動するポイントはわかるけど、
なぜ自然に涙が出るようになっているのかわからない。
例えば、恋人の死。
失ったら二度と戻らないことを嘆く。
その嘆く姿を観て、人は泣けるんだ。
だって、まるで自分がその人を失ったみたいに感じるから。
人生なんて、失うことばかりだ。
むしろ、失っていくのが人生なんじゃないのって私、たまに達観しちゃう。
だけど、そんなこと言ってたら、臆病になって何もできない。
我慢できない衝動で行動しないと損だし、行動しないと永遠に何も変わらない。
ループする思考はフラフープのあの目に良くない柄みたいに、
私をめまいに誘うか、
または暗示をかけるのか、
永遠にハマり続けるタイムリープの始まりみたいな、
そんな気持ち悪さをどうにかしてっていうループに絶賛ハマまってる。
プールサイドで君と日向ぼっこをするような、永遠の時間がほしいし、
クレープの生地を垂らし、
くるりと円を描くあの一瞬が気持ちいいし、
そういう一瞬と永遠が交互にやってきたら、
現代人のほとんどの悩みはなくなると思う。
だから、グループでクレープをプールサイドで食べることで幸せを感じることができる人たちって、
実はすごぐ羨ましいし、私は臆病だから、いつも一人。一人。一人。
あーあ。
なんで、涙が頬を伝っているのか訳がわからない。
●明日も無理して自分を励ます。
出口を求めても進むしかないから、
光が射している方へしっかりと進もう。
いつも悩みが尽きなくて、
いつも人の顔色が気になって、
いつも自分がわからなくなる。
そんなの軽く流せばいいんだよって、
かなり前に陽気が取り柄の人に励まされたけど、
軽く流せないから、困ってるんだよ。
いつも気持ちを落ち着かせようと、
コーヒーを飲んでいたら、
いつの間にか、カフェインを過剰摂取するようになった。
今日もやっと終わって、
また明日にそわそわする。
一番、一日の中で幸せなのは、
まどろむ時で、
心が一瞬、静寂になるから、
夢の中だけは上手く行きそうだよ。
夢の中では上手くいってるから、
現実と夢を取り替えたら、
きっと、リア充になれる気がする。
●君の無邪気さを知っている。
君とは幼なじみで、
世界にハートを赤と白に分けることすら知らないときから、
君のことは知っていた。
だから、君の虜になるわけがないと思っていたのに、
だんだん、君の魅力を簡単に感じ、
そして、意識すればするほど、苦しくドキドキする。
君に久々に話しかけられて、
私は勝手に運命を感じていたら、
学校の帰り道で君と春のピークを共有できるだなんて、
思ってなかったし、
話せば話すほど、
君は私のコンプレックスをすべて救ってくれる。
君と一緒に迷いたいなって思ったし、
君のこと、もっと知りたいと思った。
ゆくゆくは世界の果てまで、
二人で行って、
初めてのことを共有したい。
だけど、実は昔にそんなこと、君とは共有しているんだよ。
無限に無邪気なまま遊んだ日のことを思い出して。
●きっと、今日の夕暮れは忘れない。
君はあの円盤のことを銀色のフリスビーみたいと言った。
緑が深い山と山の間にUFOが飛んでいた。
夏の夕暮れのオレンジに照らされたシルバーの反射は、
きれいで思わず息を飲んでしまった。
それが消えたあとも、
君は人差し指を、空に指さしたまま、呆然としていたから、
そっと君の人差し指を握った。
・I wanna kiss you - キスしてほしい -
ようやっと、ふたりきりになれたね。
憂鬱な学校のなかじゃ、逃げ場なんてないから、
夕方6時前の教室のなかは夢の中みたいに思えるよ。
このまま、窓から入る風でゆれる白いカーテンを眺めて、
ただ、くだらないことで笑い合うのもいいけど、
シンプルにキスしてほしい。
・hold you tight - 強く抱きしめて -
「泣いたままでいいよ。弱くなんかないから」
君にそう言われて、胸の奥の黒さがはち切れそうになったよ。
それはもう、抑えきれる力じゃないから、
余計に何粒も涙が流れちゃったじゃん。
気がつくと、私は君の胸の中にいた。
だけど、つらさは溢れるばかりだから、
それらをすべて忘れられるように、
もっと、強く抱きしめて。
♪eternal flame - 炎は永遠に燃え続ける -
もし、このままふたりきりのまま、
今立っている草原に霧が立ち込め、
世界が白くなっても、
きっと、君を思い続けることは簡単なことだよ。
だから、お互いに寂しくならないように、
今、この瞬間から、熱くなった想いを消さないように、
君とふたり、一緒に存在してるってことを示す、
永遠の炎を燃やし続けよう。
・old flame - 二人は恋人だった -
この街に帰ってきて、ばったり君と再会するなんて思ってなかったよ。
そして、今、駅ナカのカフェに入り、あのときみたいに、
カフェオレをふたつ並べて、君の話を聞くなんて、
さっき乗った電車から、この街との境界の大きな川を眺めているときには、
全く考えていなかったよ。
君が元気そうでよかったって思うのは、
二人が恋人だった名残みたいだね。
今、ようやっとこうして、お互いに笑顔で話しているけど、
お互いにひどい言葉で傷つけた事実は変わらない。
♪Whole Lotta Love - 胸いっぱいの愛を -
ミルキー色のバスタブの中ではしゃぐ、
ふたりの時間は、
どの時間と比べ物にならないくらいで、
マッコウクジラの鳴き声を聞くよりも最高すぎるんだよ。
こうして楽しくいられるのは、
優しすぎる君のおかげだから、
今、胸いっぱいの愛を君にあげる。
♪Jealous Guy - どうせ、僕は嫉妬深いんだよ -
些細なことで君と離れてから、
僕は君をひどく傷つけた言葉を後悔しているんだ。
エゴも、笑みも、
ただ、形だけの幸せを描いただけの、
スクラップだったね。
すべてをゼロにして、もう一度やり直すなんて、
すべてが今更すぎるよね。
どうせ、僕は嫉妬深いんだよ。
そんなことはわかっている。
だから、そのウジウジした性格を直して、
ただ、今、思うのは、君に素直に謝りたいということだよ。
もう、すべてわかっているから、
君は君で新しい道をキラキラしながら進んでね。
・I’m all yours - 私は君のものだよ -
君の隣にいることを当たり前だと思わないでほしいときもあるけど、
結局、私はどうなっても、君のことが好きみたいだし、
君がいなくて、寂しくて、気が狂いそうな夜だってあるんだよ。
だからね、今、こうやってプロポーズを受けているけど、
もう、瞬間的に私は君のものだよって強く伝えたいくらい、
素直にこの瞬間が嬉しいだけだよ。
●ミッドナイトエスケープ
夜の公園で君と二人で社会に馴染めないことについて、
あれこれ愚痴を言い合いながら、
雄弁に自分を正当化し合うのは、
なんでこんなに楽しいんだろう。
弱々しい白い街灯を背にして、
小高い地元から眼下のカラフルな夜景を眺めている。
君は学校に馴染めないし、
人間関係もうんざりだって言うし、
だからと言って働きたくもないと、
平然と言ってしまう。
君はバッグの中で溶けたレモンキャンディみたいだね。
君は素直すぎるんだよ。
君は率直すぎるんだよ。
君は臆病すぎるんだよ。
今のままじゃ、
無理があることくらい、
君もわかっているだろうし、
そんなこと、聞きたくもないだろうから、
君を必要としているよ。
と素直に伝えることにした。
●雨でも日々は通常運転。
雨から逃げるように、地下鉄の入口の階段を降りていく。
ビニール傘は外の灰色を吸ったみたいに濡れていて、
雨の日はいつも弱い頭痛がするから好きになれない。
だけど、雨の日でも生活は続くし、
夏は嫌なほど、暑く続くし、
忙しくてやりたいことができないしで、
この夏も結局、あっという間に過ぎていくんだろうなって、
半分の失望をポケットに入れ、
それと交換でiPhoneを取り出し、
改札機にタッチした。
●誰も助けてくれないときは、いつも甘いものが魔法をかけてくれる。
バランスを崩した現実とは、
ご褒美のパフェでサヨナラしよう。
スプーンでクリームと一緒に
悩みを飲み込むよ。
窓越しに見る駅前通りの街路樹は、
綺麗に夏を知らせている。
甘さが脳天に落雷する。
夢中を無限に
無限を有限に
言葉では伝えられない思いを
胸でしっかり溶かしてしまおう。
だから、明日からしっかり夏を感じるよ。
なんとか現実に折り合いつけながら。
●大好きな朝の時間はもう終わるから、
永遠にこの生ぬるい時間が続いてくれと願う。
機嫌に振り回されている。
今日は朝から昨日の残りが、
頭の中で渦巻いているから、
限定のフラペチーノを飲もう。
失望と絶望は尽きと星みたいに輝き、
努力と義務は砂浜に流れ着いた、
色あせた瓶みたいに徒労だ。
口の中で渦巻く、
優しい甘みとフレーバー。
矛盾が正しい世界で
今日はどう生きればいい?
誰か教えて。
●世界が透明になれば、君はもっと息がしやすくなると思う。
屋上から街を見渡しながら、
君と手すりに寄りかかり、
理性と知性の違いや、
愛情と温情の違いについて、
結論のない話を永遠としている。
君は通り雨みたいに透明だから、
脆いガラスみたいに大切にしたい。
青空を見ると、
白い2本の線を描きながら、
ボーイングが真上を通り過ぎていった。
横にいる君の表情を見ると、
君は静かに泣いていた。
✾何度も散っても、君の優しさは散らない
時間が経っても、きっと君のことを忘れないよ。
あの日、一緒に見た桜は何度も咲いては散っているけど、
君の優しい言葉が今でも忘れられないよ。
その言葉のおかげで、
今も君との関係は続いているけど、
君はあの日のこと、覚えているかな。
✾テイクアウトしたい春
テイクアウトしたフラペチーノを飲みながら、
ふたりで桜のしたのベンチに座って、
暖かいなかにいるのは、
ただ単に幸せすぎるのは君のおかげだよね。
「おいしいね」って君が言ったから、
「おいしいね」って返すことができる今を、
今、膝の上に落ちてきた、
花びらと一緒に保存したくなった。
✾平日はひとりだけど
レモンキャンディを口に含みながら、
オレンジ色の住宅街をゆっくり歩いている。
クラスガチャを外して、
憂鬱な気持ちは晴れないから、
このまま、去年の春にタイムスリップしたいけど、
そんなことなんてできないから、
とにかく明日の土曜と日曜を仲間と一緒に楽しみたい。
✾春色ロマンス
桜並木の下で、
白いセーターを着て、
両手を広げて回る君はかわいい。
セミロングでピンクが混じった茶色の髪で弧を描いたあと、
ピンクの花びらが舞うなかで
君が微笑んだから、
僕はそっとシャッターボタンを押し、
君のその姿をiPhoneでデータ化した。
✾このままの君でいて
君の左耳についているイエローゴールドが、
午後の柔らかい日差しで反射している。
君はピアスが似合うくらい、
華奢で、繊細で、優しいから、
このままの君でいてほしいなって、
勝手にいつも思っちゃうんだ。
✾春に始まり、春で終わる恋だった
君との恋は桜が散るときに始まり、
桜が咲いてすぐに終わったね。
この一年、すれ違いとか、多かったし、
君のことをしっかり理解できているつもりで、
理解できていなかったし、
お互いに妙にすれ違っていたんだね。
もっと、君との心の距離を近づければ、
簡単に別れることなんてしなかったのかもしれないね。
▲あと少し
田んぼが闇に包まれ始めたとき、
遠くの街が城のように光っている。
パルプ工場の煙突から煙が静かに上がっていて、ダークオレンジに白を足していた。
自転車を止めてコーラを飲む。
部活が終わり、あの城下から、この時間に帰って来ることが当たり前になった。
あともう少し、頑張ろうと思った。
▲真面目になりたいから
真面目になりたいから、
実直になることを選んできた。
国道の喧騒を聞きながら、
散歩をしていたとき、
ふと、自我を忘れたことに気がついた。
周りは幸せそうなのに、
自分はなぜ恵まれないのか。
自分が自然体になる術を忘れてしまった。
トラックのエンジン音にイラついた。
▲フィガロに憧れ
フィガロに憧れている。
ミニクーパーに憧れるように。
30年くらい前の車で、ニッチな人気を得たみたいだけど、シリーズ化されなかった。
バブルが弾けて、日産に余力がなくなったからだ。
たまにフィガロを街で見かけると、
あの車で夜の街をドライブデートしたいって憧れる。
♪Starting Over - 最初からやり直そう -
一度、別れを切り出して、
一週間が経ってしまったね。
私と君が笑いあった部屋は、
いつもと変わらないはずなのに、
なぜだか、がらんとしていて、
白いビニールのフローリングに、
白い昼の日差しが反射して、
やけに眩しいよ。
休みは必ず君と二人で笑い合っていたのに、
こないだの些細な言い争いで、
まさか、別れることになるなんて思わなかったよ。
だけど、今日、ここにまた、君が来るよ。
昨日、iPhone越しに通話して、
やっぱり君のことが必要だって言われたし、
私も君のことが必要だよって伝えた。
インターフォンが鳴った。
ドアを開けたら、先週のことなんて忘れて、
君と最初からやり直そう。
♪A Hard Day's Night - あーあ、もう夜だよ。マジできつい一日だったわ -
人が寝る頃に帰るほど、
ここ最近はハードすぎて、
本当に嫌になるよ。
だけど、QOLは下げたくないから、
今、こうして、スカートも脱がずに、
キッチンでトマトを切る私って、ホント、バカみたい。
「あーあ、もう夜だよ。マジできつい一日だったわ」
そんなこと言いながら、レタスが入った白い皿に、
切ったばかりの赤をいれると、
少しだけ癒やされたような気がした。
♪Sugar baby Love - やばいくらい、かわいい -
せっかく、気になってたカフェに来たのに、
君のことを傷つけて、ブルーにさせてごめんね。
君は僕の向かいに座っているだけなのに、
唇を尖らせながら、頬杖をついて、
窓越しに夏空が広がる青い街を眺めているだけでも、
やばいくらい、かわいいよ。
そんな表情をさせてごめんね。
もう一度、小さいパフェを頼んで、
僕が君の憂鬱を引き取るよ。
♪You Give Love A Bad Name - 君は愛を軽くみてる -
別に慣れきった関係になってしまえば、
刺激だって少なくなるのは当たり前だよね。
君にとって、その程度の関係だったんなら、
それは仕方ないことだよね。
期待したほうが悪いだけだと思うし。
ただ、これだけは君に伝えたい。
君の言葉は、本気の恋や愛だと思っていたから、
本当にショックだよ。
君は愛を軽くみてるよね。
▲早朝の河川敷
眠れず、早朝の河川敷を歩く。
黄緑の芝生と土が麒麟の縞模様に見える。
置き去りにされた、軟式野球ボールが持ち主を待っていた。
ボールに草色がついていて、朝露で濡れていたのを気にせず握る。
思いっきり遠投したら、ボールは草の影に消えた。
鬱が晴れる気がした。
▲幸せとか、夢とか
濡れたコンクリートにミルキーが落ちていた。
ピンクの水玉に泥。
幸せとか、夢とかこういう感じで失うんだね。
もし、ミルキーが吸殻だったら、何とも思わなかっただろう。
吸殻がミルキーだったら、吸った後にママを思い出して、ポイ捨てできねぇな。
ミルキーはママの味ー
▲飛行機雲が伸びる
飛行機雲が延びる。
君は高校生の癖にやけに大人びてた。
言葉の節々に大人っぽさが滲むし、やけに余裕のある落ち着きがあるし。
話すこともないから、話題が高校生じゃないよねって聞いたら
「私、タイムリープ3回目なんだ」
「へぇ、宇宙人だね」
僕は何となく、君の手をつないだ。
▲過去の断片
全裸で暮らしている男が14インチのテレビデオに写っている。
インチがなくて近くで見てるからか、酔が廻ったからか、目がチカチカしている。
面白くて思わず、見入った。
不安だけ、ポケットにしまえば、あとは楽観すればいいや。
氷が溶け切ったスコッチで、木の味を飲み干した。
▲深夜、誰もいない国道
深夜、誰もいない国道。
田舎すぎて、コンビニの光すら遠くにあり、
等間隔で置かれたオレンジ色の街灯が浮いてる。
深夜バイトが終わり、自転車で帰宅するとき、
人生の無駄遣いじゃないかって、時々思うんだ。
このまま終わりたくない。って心の底から震えるけど、今のままがいい。
▲君と濡れる
浜辺で夕暮れを見て、世界の終わりだと感じるのは当たり前。
だから、浜辺で夕立の中、君と日没の海を見れたのは貴重で、髪が濡れて鬱陶しい。
波は一定のリズムだけど、雨はテレビの砂嵐みたいだから、君を笑顔にする。
どうして、ずぶ濡れると世界がどうでも良くなるのだろう。と君が言った。
▲虚しく、カラフル
バケツひっくり返し
頭から水被る
君は最高にクレイジー。
カラフル水風船
投げる肉弾戦
柔らかくしぶき
シャツを濡らす。
二人でこのまま
世界を水で征服できそう。
息つく間もなく
熱波を忘れて
時間を超越、濡れた笑顔。
割れたゴム片
虚しく、カラフル。
▲マイナス20℃の世界を知っているから
日本全国、ほとんど雨なのにここはあまりにも北過ぎて、爽やかに晴れている。
梅雨を知らないけど、マイナス20度の冷蔵庫な世界は知っている。
インフラ整備の最小限で、昭和で時が止まっている街は、高齢化でそのうち消えるらしい。
短い夏だから、晴れてる日は炎天下になったって足りない。
▲雨上がりの夕暮れ
雨上がりの夕暮れで、街が青い。
誘惑を奇抜な色で表した、看板が無秩序を作っている。
あなたとの待ち合わせ場所に向かう。
スクランブル交差点はどこからともなく人が流れ、一人一人に人生があることが不思議に感じる。
今日の夜が、一生記憶になるかもと思うと鳥肌が立った。
▲テールランプ
テールランプが赤線になる夜を歩道橋から眺めていた。
最後の一本になった、ラキストを吸いながら。
都合良く生き、当たり障りなく、今まで来たけど、それが限界を迎えたことに気づいた。
3車線の国道は無限の車が真下を去っていった。
吸殻を踏み消し、前しか向かないことにした。
▲いつかのスコップ
砂場に忘れられたスコップが、街灯を反射していた。
小さな公園は所々闇に覆われている。
夜になり、気温が下がった。昼間の熱はどこかに行った。
白ペンキが剥がれたボロボロのベンチに座り、砂場を眺めていた。
幼いときの無邪気さを取り戻したいと強く思った。
▲シートの赤さが目立つガラガラの通勤電車
休日の昼下がり、シートの赤さが目立つガラガラの通勤電車に乗る。
天井の扇風機が回転するものの、ぬるさをかき回しているだけだった。
開いた窓から、風を切る轟音が車内を支配する。
読書する気になれず、早く病院前の駅に連れてってほしくなった。
君が産まれた日は暑かった。
▲気泡があなたを揺らす
レモンサワーの気泡があなたを揺らす。
透明なグラスを溶かしてほしい。
あなたとの日々は忘れられない程キレイで、淡く満ち足りるはずだ。
キズを溶かすには、しばらく時間がかかるだろうけど、仕方ない。
頼れない幼さに、真面目は滑稽。だから、揺さぶられるんだ。
▲星を拾いに行くよ
星を拾いに行くよ。
なんて、気取ったこと言うのは白けるから、
とりあえず、言葉少な目に展望台に君を連れていった。
君は感動して、インスタ用の写真取りまくって、キレイを連呼してる。
俺は星を見るのにすぐ飽きて、Pieceに火をつけ、甘いバニラで呼吸を整えた。
先端が浮いてる気がした。
▲うねる前髪
補習授業の教室はオレンジの影が濃く、2人で自習。
マジだるい。雨上がりで妙に湿気が強く、息すらめんどい。
携帯を開き、iモードに接続する。
うねる前髪が鬱陶しい。
ストパーかけてなくてダサい。
って思われても、隣にいるこの女は、俺以上にダサいからそんなこと言えない。
▲しみったれた気持ち
歩行者用信号の青緑が、
雨で濡れたアスファルトに反射している。
雨上がりだけど、曇りの暗さが夕方なのを忘れさせる。
いつもの地下鉄出入り口に入る。
出入り口から地下の妙に冷たい風を感じ、
なぜ、毎日がこんなに自分の心も湿っているのだろうと、
しみったれた気持ちになった。
▲本能で生きていけると思い込んでいた
本能で生きていけると思い込んでいた。
やさしくするとか、甘えるとか、おせっかいをするとか、
それらは人間らしくないと唾をつけていた。
それが仇になり、一切を辞めた。夢や、愛など、コンビニのごみ箱に捨てた。
しかし、すべてを捨て切れず、部屋で膝を抱えた。
斜陽に照らされ、ほっとした。
▲ラークの1ミリ
「あの頃は若かったね」ってラークの1ミリ吸う君に言われた。
うるせぇ、ってとっさに返したあと、
君がまだ制服だった夏の夕暮れを思い出した。
「あの頃は若かった」はバーボン片手に、自分に酔って言うセリフだ。
と言ったら、君から超ウケる、
こぼしてるし、って爆笑された。
▲吹き抜けで
古く、錆びたショッピングセンター。
上りエスカレーターで3階に向かう。
ステンドグラス風の窓から光が入り、吹き抜け広場の白タイルを淡くカラフルに映している。
女の子がカラフルの上を飛躍していた。
5、6歳のとき、黄色い服を買ってもらったことを思い出した。
赤い手すりから手を離した。
▲オープンテラスの傘を広げる
朝日で青白い商店街のど真ん中、自転車をゆっくり漕いでいる。
昨日の昼間の暑さに合わせて、半袖にしたけど、
妙に凛とした寒さで、一枚くらい羽織っとけばよかったと後悔した。
カフェに着き、7時オープンさせるために
オープンテラスの傘をいくつか広げ、鍵を開け、店内に入った。
▲昼下がり
午前授業が終わった。
定期を忘れたから、仕方なくきっぷを買う。
自動券売機が置いてある台にビニール傘がかかっている。
雨上がりで、ジメジメで、蛙が喜びそうな晴れだから、傘は忘れたことすら、忘れられてそうに見える。
妙に寂しくなって、振り向いたら、君がいるわけがない。
☆まだ、今日を終わらせたくない。
終電を降り、君と手を繋ぎ、
薄暗くなった商店街をゆっくり歩いている。
アーケードの中は空っぽで、
まるで迷宮に迷い込んだみたいだね。
まだ、話し足りないと君の声がアーケードの中に響いたから、
同じ気持ちでよかったって、単純に嬉しくなった。
・Be my valentine - ものすごく特別だよ -
バレンタインなんて待ち切れないほど、
君が好きだから、
今日も特別な印として、
赤いKitKatを2つあげるね。
今はまだ、心の準備ができなくて、
自分から告白なんて、できないけど、
君はものすごく特別だよ。
・spending time with you - 一緒に居れて楽しいよ -
今は海浜公園のから海を眺めながら、
君とコーラを片手にくだらない話ばかりしている。
そんな君と手を繋がずに横にならんで座ったままだし、
いつもと同じようなことしか話していないのに、
どうしてかわからないけど、一緒に居れて楽しいよ。
それはシンプルに心の底から思うし、
それに対して、君はどう思っているのかな。
だけどね、今はこの宙に浮いたままの、
この状態が私はすごく嫌なんだ。
だから、勇気を振り絞って、思わず君の右手を握って、
君を見たら、君が不思議そうな表情を浮かべていたから、
君の所為で余計つらくなっちゃった。
・Stay who you are - そのままの君でいいよ -
外の世界は大変なことばかり溢れているし、
外はゲリラ豪雨が降り続いているから、
今日は余計、つらくなるよね。
それをカフェのカウンター席で横並びになって、
窓に映った、僕と君の姿を相棒に、
窓越しに濡れている灰色のビル街を眺めよう。
雨雲レーダーでは1時間後に止むみたいだけど、
このまま、カフェオレを飲みながら、
君の悩みを聞くよ。
君は、そのままの君でいいよ。って伝えたいから。
♪sunshine of my life - 君は太陽みたいだね -
レモネードを飲むだけで、
こんなに笑顔になれる君は太陽みたいだね。
こんなありきたりな表現しかできないけど、
君がプラスチックカップを手に取るたびに、
いくつもの雫がテーブルに落ちるたびに、
それらがしっかりと輝いている。
甘酸っぱさと、爽やかを飲もうと、
ストローを咥えた君は最高に夏が似合うね。
・You take my breath away - 息ができないほど好きだよ -
世界の酸素濃度が下がって、
息苦しくなって、頭が痛くなって、
ぼんやりして、チアノーゼが出ても、
君に対して、
「息ができないほど好きだよ」って言う自信があるよ。
それだけ君のことが好きだってことを忘れないで。
☆青い未来に自信をつける。
下り坂の先にある海はキラキラしていて、
夏の訪れを印象づけてくれるくらい、
きれいだから、思わずiPhoneで、
その一瞬を自分のものにした。
ゆっくり下り坂を歩きながら、
自分の見えない未来に嫌気がさして、
とにかく今だけを楽しめたらいいんじゃない、
って、ボソボソ言い聞かせながら、
無理やり、脳内の中を
明るい未来の気持ちを先取りすることにした。
☆勝手にプールサイド
白いプールサイドに制服姿で座って、
素足を水に入れている。
時折吹く微温い風で毛先が揺れて、
くすぐったく感じるけど、
足から伝わる冷たさは透明だった。
頭は悩みばかりで破裂しそうだ。
そっと、両足を動かすと、
底の青は光の白い反射と一緒に揺れ、
このまま、
穏やかに人生が終わればいいのにって、
気持ちも揺さぶられた。
早く夏休みになってくれたら、
もっと、気持ちが楽になるのに。
☆甘く反射した。
君のピアスが対向車のライトで反射したとき、
車の中の親密感が急に圧縮された気がした。
冷静にドキドキしたから、
素直に君のピアスを褒めた。
☆たまにつらいとき、優しい君のことを思い出してしまう。
冷たいコンクリートの階段で、
制服姿の君と夏の影に隠れて過ごしている。
君はいつものようにクールなままで、
何に対しても腹が立つみたいだ。
別に世界なんて、変えようと思わないけどが、
君の口癖で、その言葉のたびに、
君が閉塞感にソーダ水をかけて、
溶かしてくれるんじゃないかって、
なんとなく思っちゃうんだ。
だけど、そんな君と、
くだらないことを話す
今の時間が好きだよ。
☆あなたは優しいけど、遠い。
あなたは、最高に夜の淵が似合うね。
たまに遠い目をしているあなたは、
自分のことで精一杯なのかもしれないね。
ただ、これだけは言わせて。
私はあなたを必要としているよ。
☆決意は急にやってくる。
君とは親友のままがよかった。
二人でじゃれ合う曖昧なままで、
秋の枯れ草で覆われた堤防をゆっくり歩いて、
話しているだけで十分だった。
君の告白を受け入れないまま、
夏は過ぎていったけど、
以前のように心の底からお互いに
笑えなくなっている気がする。
今日も惰性で君と歩いているけど、
楽しい訳じゃない。
秋の乾いた匂いで妙に切なくて、
なぜかわからないけど、
君を大切にしたいと思った。
とっさに君の手を繋いで、
君に告白し直した。
☆秋になると君を思い出す。
懐かしい気持ちになったのは、
ビル街の下でも秋の香りがしたからで、
あのとき、君がイチョウ並木で言ったことを
ふと思い出した。
君は消耗していたじきだったみたいで
少しだけ疲れた顔をしていた。
僕はそれを見て見ぬふりをして、
そのまま過ごしてしまった。
あのとき、君の話を真剣に聞いていたら、
きっと、山の中でマシュマロを焼きながら、
ゆっくり君と過ごす世界線があったかもね。
だけど、そんなのは炭酸のように抜けて、
夢は覚めたまま色は消えていって、
優しくない自分だけが残っていた。
☆砂浜で自分を取り戻すことを誓う。
雨が降るたびに書きが深まり、
そのたびに切なさが胸を占める。
今日も砂浜でビニール傘の下、
波と雨音をしっかりと聞き、頭の中を空にする。
酸素ボンベをつけて深海まで潜るペンギンのように、
毎日なんとか、やり過ごしているけど、
とっくに限界を超えていて、
小さいときの夢から、
かけ離れた今の自分が認められない。
ジェット機の轟音があたりを支配するけど、
真上を見ても冷たい灰色で、
早く、また炎天下になればいいのにって、
思いを込めて、左手を強く握った。
☆君と逃避行。
夜の中、君と手を繋ぎ走っている。
流れる街灯は流星みたいに白く、
住宅街は心臓が止まったように静かだ。
踏切が前触れもなく、けたたましく鳴り、
遮断器の前で急に走るのをやめる。
君は弱く息切れして、そっと微笑む。
「終わる世界から逃げるみたいだったね」
と君がそっと言ったから、
不意だから、少し照れくさくなった。
レールは細く光を反射し、
光源が轟音を立てて近づく。
君と手を繋いだまま、
目の前を通過する黒い貨物列車を見送る。
君のあどけなさで、そっと包んでほしい。
踏切が鳴り止んだら、君に伝えよう。
君が好きだってことを。
この瞬間、強くなった気がした。
☆大嫌いな君を紛らわす。
秋が通り過ぎていく感覚の中で、
公園の並木道の下を自転車で通り抜けていく。
おろしたての白いセーターは、
思った以上に暖かくて、
朝を切り裂けたから、少しだけ安堵する。
大嫌いな君の言葉が胸に刺さったままだよ。
絶望と闇を早く溶かしてほしい。
大好きなロックを口ずさむけど、
気持ちは沈んだままで、
君は言葉の影響力を理解したほうがいい。
悲しみはブロックの彼方へ、
銀河連合体に出会うように、
価値観を勝手に決めつけないよ。
とりあえず駅まで自転車を飛ばし、日常を始めるよ。
つらいことはそうやって、紛れさせるんだ。
✦透明な君が切ない。憂鬱な君を愛せる自信はどうしようもないくらいある
「私を忘れないで」
君がそう言ったあと、
弱い海風が吹き、君のボブが揺れた。
湾岸を見渡せるベンチで君と手を繋いでいるけど、
君が消えてしまいそうに感じた。
だから、君の手を強く握った。
そんな悲しいこと言うなよ。
だって、夏は、
まだ始まってもいないんだから。
✦朝はいつもの繰り返しだし、夢の余韻に浸る暇なんてないんだね
お気に入りの白い自転車で、
朝霧につつまれた商店街をぐんぐんと切り裂いていく。
頬に冷たい空気が当たる。
さっきのデタラメな夢の中で、
虹を描くザトウクジラを見た。
あんなふうに空を気持ちよく泳ぎたい。
そうすれば、
憂鬱な朝とさよならできそうだね。
✦疲れているなんて、言いたくないからカフェインで起動を待ってる
ぼんやりした頭は、
コーヒーを飲んでも一向に起動する気配がなく、
このまま、ファンタジーの中で
カラフルなキャンディを数えているみたいになるそうだ。
不意に涙が一滴こぼれた。
ファジーで重たい悔しさが、
溢れちゃうのは何故だろう。
もう一口、飲んで落ち着かそう。
✦始まりは夕暮れ。さよならは言いたくないのをわかって欲しかった
君との始まりを断片的に思い出した。
頬杖ついて流れる車窓を見て。
電車はゆっくりと海岸線の曲線をなぞっている。
君と手を繋いだまま、
あの日の帰り、
お互い緊張して、妙な沈黙が流れた。
だけど、君は輝いていた。
夕暮れが差し込む車内で。
✦例えば、君を傷つけたら、愛がない世界を嘆いて自分を責めるだろうから、
君に伝えるべきことはしっかりと伝えたい
世界を変えることは難しいことだけど、
君を愛することは普遍的だと確信することができるのは、
それだけ安心感があるからだね。
ねだって、駄々をこねるこどものように
まっすぐな怒りがほしい。
例えば、無邪気さを魔法の渦に放り込むとハートが出来上がる。
そんな風に簡単に愛を誓う方法がほしい。
✦夢の残像がぼんやりとする。やりきれなくて寂しいのは、君の所為だよ
数秒前に戻るみたいに
夢の映像がまだ残っている。
別に差し込む朝日が眩しいから、
その光景を思い出したわけではない。
君に踊ってくれないかと声をかけられただけだ。
月の砂が入った砂時計をひっくり返して、
期限付きの恋をするようなものだ。
だから、今日はこんなに晴れているのに、
外に出たくないや。
✦大人になれない月曜日は、夢のかけらが二人を包み込んでいる
ファンタジーな日々を君に送りたいから、
メリーゴーランドのスピードを落としたくない。
月曜日には、きっと魔法がとけて、
醒めた世界がひっそりと始まる。
巡る季節が僕たちを追い越して、
二人きりになったら、
きっと二人とも今より、
大人になっているのかもしれないね。
✦夏が始まったから海へ出かけよう。君が最高に似合う季節がやってきた
海へ続く下り坂を、ゆっくり君と歩く時間は、
なんでこんなにきらめくんだろう?
もし、このまま夏が消えても、
君と笑えるだけでいい。
そんな安い空想が似合う君が好きだ。
君が急に坂を駆け抜けて、白い背中が揺れる。
振り向き、呼ぶ声が透き通っていた。
★スノードームの中で、ふたりきりになったんだ。
ふたりで歩く砂浜は冷たい潮風が吹いていて、
夕日で白く反射する海の所為か、
ふたりでスノードームの中に閉じ込められたみたいだね。
「もっと簡単に人生、うまくいけばいいのに」
君が静かにそう言ったから、
水の中でゆっくり降り積もる雪みたいに
君の困難が本当に、
うまくいけばいいなって強く思った。
★にぎやかな中でも、世界はふたりきりみたい。
赤と緑と電球色でクリスマスになった世界で、
凛とした空気の中で、
ホットワイン飲むのは最高だね。
君の自由と、私の自由を混ぜて、
雪で白くて静かな世界をカラフルにしたい。
★まだ今日の言葉が頭の中に残ってる。
ローソンでカフェオレを買ったあと、
夜の公園まで歩き、そしてベンチに座った。
今日、言われた言葉が頭の中で
また、ぐるぐるし始めたから、
カフェオレを一口飲んで、
甘さをしっかり感じることにした。
★青白い世界で手を握ったままでいようね。
LEDで青白いクリスマスツリーを眺め、
君と冷えた夜を共有できるのが嬉しいよ。
街は今日も雪で凍りついているけど、
切なさを凝縮した白色に染まっているね。
手を握ったまま、
来年もふたりで青い思い出をたくさん作ろう。
★最高に寒くて、暖かいね。
クリスマス色したイルミネーションの前で、
君と寒さを共有しながら、
今の幸せと悲しみを保存するみたいに、
iPhoneで自撮りして、
ふたりきりの世界をデータに残すのが、
最高のプレゼントに感じるよ。
●もうすぐ雨が上がりそうだね。
夕立が降って夏が進むたび、
私たちは大人に近づいているけど、
このまま時が過ぎても、
今、君と見ている銀色に濡れた街が、
夕日に照らされて、
きらめいている今を忘れたくない。
●花火大会を遠くから見るのは、僕たちらしい気がするよ。
君の悩みを忘れさせる魔法なんてないから、
思いつきで橋の上から花火を見ている。
川面に染まるカラフルは一瞬だけど、
君の彩りは永遠だと思うよ。
だから、元気だして。
▲君の水色が似合う7月
君の水色が似合う7月。
君の憂鬱な姿を見ていると助けたくなる。
陽炎でコンクリートが揺れる中、
なぜアイスも買わずに公園のベンチで話し始めたのか、なりゆきが忘れかける。
君は蛇口を回し全開のように、自分のことを、すらすらと脈略もなく話し、
気が付くと、君は泣いていた。
▲星の砂をかき集めて
星の砂をかき集めて。
なんて、言えない昼間の砂浜は白く熱くて。
あなたと足跡つけて、遊びましょう。
あの人との時を潮風に流して。
白波
入道雲
色褪せた灯台
白の絵の具みたい。
溶けるように甘く。
波はチョコレートみたいに浜を濡らす。
あなたと今をフィルム色に淡くしよう。
▲閉園前のメリーゴーランド
閉園前のメリーゴーランドは最高に輝き、夜に浮いていた
君の隣に座りたいから、白馬じゃなく、馬車に腰掛けた
ベルが鳴り、重いモーター音をかき消す三拍子が急に世界を作り、誰も騎乗しない白馬が走る
君の手を繋ぎ、夢のあとを眺めていた
夜風が気持ちよく、このまま無言でいいやと思った
▲10秒呼吸を整える暇さえ
過去を思い出して死にたくなるとき、
10秒呼吸を整える暇さえ与えてくれない。
そんなに忙しい現代だから、
普通演じて、輝きが永遠にくすむ。
ビー玉みたいな、涼しさと清ささえあれば生きていける世の中が良かったと絶望するんだ。
だから、煙草を吸い、何もかも忘れられる今が幸せすぎる。
▲あなたは
長雨で夜のアスファルトは潤っていて、白い街灯が反射する。
目尻が痒くて、擦ると、指にマスカラが黒く付いた。
終電前のことを思い出し、寂しいけど、疲れた。
あなたは明日、旅立つけど、今日も何もなく終わり、これからも何もないんでしょ。
後ろ振り向いても、あなたは居るわけがない。
▲ややこしいや
卑しい社会は汗染みがすごいから、洗濯したい。
けど、そうもいかないから、社会はややこしい。
偽造は空虚を作るから、話がもつれるから困る。
末端たちはただ、笑ってシワになるしかない。
だから、君の愛想笑いが最強の武器になるから、
そんな軽蔑すら吹き飛ばすことが出来るのが最高だね。
▲宇宙が浪漫にあふれているから
星読みはなぜ、ロマンチックなのかと言うと、宇宙が浪漫にあふれているからだよ。
なぜ人は星の動きで大きなことを知ることが出来るのか、不思議で熱い涙が溢れる。
星のない世界に連れて行かれたら、水面には何も映らず、船は行き先不明になる。
無限の星が有限に思える日はきっと来ない。
▲君は学校で浮いている
完璧な夏空と7月。
部活を早く切り上げた帰り道、たまたま君と一緒になった。
部活辞めたいと言われ、いきなりそんな相談かよって思ったけど、
学校辞めたいよりマシかと思って、君の浅い悩みを聞いた。
君は学校で浮いているけど、僕も浮いている。
部活は簡単に辞めれるから、社会よりいいよね。
▲雨に振り回される
駅を出ようとしたら、急に土砂降り。
雨予報を無視して、傘を持たなかったことを後悔した。
ぬるそうな雨が、街をグレーに染める。
何人かは、誰かに電話し、車の迎えを頼んでいた。
駅の出入口でたじろいでいたら、雲が切れ、夕日が差した。
雨に振り回されてる自分がちっぽけだなって思った。
▲遠くの空気が熱で揺れる
夏の非常階段はひんやりして白い。
バリバリに剥がれた白のペンキは新築だった30年前を忘れ、粉になっていく。
誰もいないから、最近はここでセブンスターを吸っている。
今日も完璧な青空が低く広がり、遠くの空気が熱で揺れる。
昨日、あなたに言われた思わせぶりな言葉を思い出した。
▲クリームソーダ
老舗の純喫茶にわざわざ行き、緑色のグラスを2つ並べて、少しご満悦。
クリームソーダに思い出なんてないけど、
なんで懐かしい感じになるんだろう。
と君は言った。珍しく説得力がある。
君はiPhoneで撮影し、
インスタに上げてる雰囲気だったから、
その間に長いスプーンでアイスをかき混ぜた。
▲世界征服しよう
二人だけで世界征服しよう
誰も見つけないような世界征服を
ゴミだらけの砂浜で、
星のかけらを探すように難しく、
誰もやらないことをしよう
蔑視する世界を置いて、
揺れる心を強く持ち確信して、
隕石を炭酸に入れて、
柔らかくしようと試すように
そんなぶっ飛んだ閃きで世界を作るんだ
▲未定な予定
ずっと一緒にいるという未定な予定をあなたは守ることができるの?
観覧車で誓った永遠が一瞬で溶けることが怖いのは、
私が臆病だからかな。
グラスの氷が馴染んで、
音を立てるように前触れなんてなく、
夏になると思うと、怖くて眠れない。
だから、日曜の昼に遊園地に連れってほしい。
★恋を取り戻す
タイムスリップをして、14歳の君に再会した。
公園で君と手を繋いで、
流れる雲を眺めて、無限に歩いた
君は急に立ち止まり、
僕がタイムスリップしてることを指摘した。
キスで誤魔化したら、
君もタイムスリップしてることを告げた。
「お互い、報わない初恋を叶えようとしてるなんて笑えるね」
と君は言った。
★絵空事
防波堤に腰かけて、
君と二人で世界征服を画策しよう。
途方もなくつまならい恋愛なら、
そんなの切り捨てて、次に進もう。
「なーんちゃって」を
話のオチにはさせないよ。
なぜを繰り返して、
絵空事を真実に持っていくよ。
君の今の悩みが過去に縛られているなら、
連れ出してあげるよ。
君次第さ。
★ポップキャンディ
何度も見たデジャブ。
悪い夢とはサヨナラしよう。
最近、健忘が多くなってきた。
外に出ることは天使に会うときくらい億劫で、
いつものキャンディ舐めて、呼吸を整えるよ。
社会は複雑らしいけど、
そんなのはどうだっていい。
地球は丸い。
ただ、それだけで十分さ!
さあ、明日もしっかり飛ぼう。
★たまに寂しい
街は今日も陰気な雨が降り続いていた。
雨上がりの夜道はキラキラしている。
特別なことは今日もなかった。
冷たい海中でアシカと手を繋ぐような
優しい親しさが欲しいけど、
今はそんな予兆もない。
昔の君なら、
今、どんな言葉かけてくれるかな。
冷たい雨粒が一滴、
手のひらにあたった。
★無口な私
カフェを出た後の
散歩は寂しいのはなぜだろう。
二人きりの時間は
まだ、たっぷりあるんだから
とにかく、素直に歩いていきましょう。
無口を気まずく感じるんだったら、
捨ててもいいよ。
だけど、
それを認めてくれる関係なのは
もう、知ってるから安心だね。
あー、時が止まればいいのに。
★海は知っている
灯台のある岬まで行こう。
夏のおだやかな海を思い出しながら。
もう少しで春だね。
助手席に座る君はそう言った。
フロントガラスから、
差し込む日は暖かくて気持ちいい。
夏に見た黄色いワンピース姿の君は
何十年経っても、きっと覚えているよ。
記憶の断片を星屑みたい集めて、
君を愛するよ。
・ Let’s kiss and make up - 仲直りしよう -
小さなことですれ違って、
そのまま倦怠期に入ったふたりに、
不仲にした責任なんてないよ。
仲直りしようという気持ちが、
まだ、お互いに存在すれば、いいだけの話だから。
ただ、出会ったときのように、
楽しいことをたくさんできなっただけだよね。
きっと、君のことを見れてなかったからだよね。
ここまで、君のことをせっかく知れたのに、
このまま、今までの楽しい時間が、
暖流で溶けた水色を失った流氷みたいになるのは、
嫌だなって、ただ思ったんだよ。
だから、その意味を込めて、君にキスをした。
・I will love you longer than forever - 永遠よりも長く、愛すよ-
パステルの風船が破裂する前のように、
もう、我慢することができなかったから、
雨の中、傘をささずに、君のことを素直に抱きしめた。
君は泣いたままだし、ずぶ濡れで、
いつものボブはぺったんこだし、
夏服のYシャツは白の半透明になり始めているし、
でも、もう、気持ちは抑えられないんだ。
君に急に伝えたくなったから、
僕の身勝手さを許して。
永遠よりも長く、愛すよ。
君のことを。
♪Moon River - 月の川 -
社会にうまく馴染めないふたりは、
ならず者みたいで、
たまに嫌になることがあるけど、
君さえ私のことを理解してくれたら、
それで十分だよ。
私ね、たまにこう思うんだ。
多くの人たちは外側ばかりを求めて、
比べることばかりするから疲れてるんじゃないかなって。
だけど、君は私のことを外と比べようとしないよね。
君のそういうところが好きなんだよ。
だから、月の川原でふたりきりになって、
ぼんやりと地球の青を眺めたいな。
★ループ・ループ
君とのやり取りが頭の中でぐるぐる回る。
愚痴とブラックジョークの境目が
曖昧だった私の話を許してくれるかな。
もうすぐ花が咲き始めるけど、
心は上手く晴れないな。
世の中は今日もあれこれとうるさいね。
夜の公園、二人きりで
無敵の愛について語り合いたい。
もうすぐ、春になるね。
☆夏をしっかり楽しもう。
いつも飽き性で続かない性格だから、
新鮮に感じていた新しい日々にも、
夏が深まるにつれて退屈になってきた。
本当の私は、テディベアを連れて、
いろんな街を転々として過ごしたい。
キャリーバッグひとつで、
夢を描き続けて、
笑って過ごすだけで十分だよ。
灰色のビル街が似合わない気持ちに駆られるわ、
現実逃避にランチついでに
ティラミスを食べても、満たされない。
この気持ちを早く解消するために、
今年の夏はしっかり楽しもう。
☆君の切なさは、夏に冬を思い出してしまう。
泣かないでほしいから、
キャラメルマキアートを二人で飲もう。
夏が進む季節に冬のキラキラしたポップ、
Spotifyで流し聴きしながら。
君の憂鬱は世界一、素敵だけど、
長引くのは君らしくないよ。
きらめく海で踊るほうがずっと似合っている。
声すら切ない君は、
夏に降り続くスノードームの雪みたいだね。
「もうつらいよ」って、
君がぼそっと言った、
そんな君の話をゆっくり、
聞いてあげる愛くらいはあげられるよ。
☆君との思い出は青いままだよ。
今日、見たことや感じたことを
夏を切り裂き、その一部をポケットに入れたい。
爽やか過ぎる青い日々はきっと、
このまま、永遠の思い出になる気がするよ。
だから、このことを君と一緒に共有したかった。
だけど、君は他の人生を選んでしまったね。
冬から感じ始めた寂しさは、
日々の瞬間接着剤のおかげで、
カサカサになるほど、埋めたよ。
本当は君とこの最高の青空を
何気ない言葉で共有したかったけど、
もう、大丈夫だよ。
君との世界線なんて、
現世の青い思い出のままでいいよ。
☆君を押し、関係を深めたい。
iPhoneで流し読みする占い記事で、
つい、君の星座を気にしてしまうのは、
それだけ君のことが頭から離れない証拠だよ。
今日、最高に相性が合う予想だから、
LINEを開き、君のうしろ姿をタップした。
●カフェへ向かう。
冬手前の公園は
ちょっとだけ寂しい。
さっき乗った
2つのブランコが
弱く揺れ続けている。
落ち葉に未来はないけど
そんなことに
感傷している暇はない。
夢のように2人で
ブランコが止まるのを見届けた。
君が手を差し出したとき、
冷たい風が通り抜けた。
寒いからカフェに行くことにした。
●寂しくて最高の季節がもうすぐ終わる。
通り雨が上がった
秋の夕暮れは
少し切ない。
畑はとっくに
今シーズンの役目を終え、
黄金色の枯れ草だけが
残されている。
君のことを思い出すと、
不意に涙が溢れてくるのは
何故なんだろうね。
濡れた道路が
黒く一直線に伸びている。
君の理想に近づきたかった。
もうすぐ秋が終わる。
●黄色の世界で。
黄色く降り積もった
落ち葉が朝露で
弱く湿っている。
なんでか
わからないけど、
あのベンチに座って
別れ話をした。
それは昨日のことで
まだ夢の続きみたいだ。
そのベンチも露で濡れて
深くなった茶色で
木目も深く渋くなっていた。
秋が終わる前に
気持ちも新しくできるかな。
▲夏が来る前に、あなたと逢いたかった
夏が来る前に、あなたと逢いたかった。
それが出来ずに夏の真ん中まで時が流れていた。
時間の所為、
天気の所為、
暑さの所為、
運命の所為、
やる気の所為、
めんどくさがりの所為。
言い訳を繰り返せば言い訳が真実になり、
季節はどんどん深まる。
もう二度、あなたと会うことはないだろう。
▲テトラポットで
錆びた漁船が波で揺れている。
二人でテトラポットに座り、沖を見て、波の音を聞いていた。
港は今日も冴えない昼間の空気で、潮の香りが油っぽく感じる。
このまま針が止まり、
一生二人だけの世界に迷っても飽きないような気がするけど、着実に太陽は西に進む。
7月は最高だなって思った。
♪I Will Always Love You - いつまでも、あなたのことを愛してるよ -
どうして、あなたといると無邪気になれるんだろう。
ソファでふたりで横並びになって、
ネトフリでタイムリープするコメディを観て、
ゲラゲラ笑い合っているだけなのにね。
「何十回も繰り返してたら飽きそうだよね」
ってあなたが言うから、確かにって、返して、
笑って、私はあなたの肩に寄りかかった。
そのやり取りだけで楽しいのは、
あなたに特殊能力があるとしか思えないよ。
もし、タイムリープしたとしても、
私はあなたのことを飽きることなく、
いつまでも、あなたのことを愛しているよ。
♪Tell Her About It - 彼女に伝えなよ -
恋をしたら、いつだって不安になるし、
自分の夢の狭間と、君が持つ夢の狭間で、未来が揺れるんだ。
僕は君の夢を応援したいと思っている。
だけど、僕にも夢がある。
そのことを何人かに相談したけど、
どの人たちも「彼女に伝えなよ」としか言われない。
だから、今日、
揺れる未来を少しでも確定したいから、
僕は君に「夢を応援するよ」と伝えることにした。
♪Wonderwall - 不可思議な壁 -
別に好きですれ違っているわけじゃない。
たぶん、そのことは、君も私もわかっているんだと思う。
だけど、お互いのトークは、
通話の「キャンセル」と「おやすみ」だけが交互に並んでいるだけだね。
お互いに余裕がないのはわかるよ。
だけど、私にとって君は不可思議な壁のように感じるときがあるんだ。
つながるときはつながるし、
つながらないときはつながらない。
3年、付き合っている間に、その時期を交互に繰り返しているよね。
そのバイオリズムが不可思議に感じるんだよ。
こういうとき、少しでも時間を共有して、
また、笑い合いたいから、
そろそろ、君と一緒に住みたいな。
▲電車を逃して
電車を逃して仕方なく、色あせた青のプラスチックベンチに座る。
駅構内にキツい西日が差し込む。
30分急に暇になり、不服。
無駄に温まったベンチのぬくもりを感じ、夏の真ん中はなぜ、気だるくさせるのだろうと哲学を投げる相手が欲しくなった。
貨物列車が轟音を立て通過した。
▲時が止まったままの世界で
昭和な遊園地に行った。
入ってすぐ、パンダカーが無数に止まっていた。
君も昭和を知らないのに、懐かしいを連呼していた。
赤、青、緑帯のコーヒーカップに乗ることにした。
ぶっきらぼうなブザーに合わせて回り始めたから、
クリープみたいにハンドルを目一杯回した。
一瞬で、時が過ぎた。
▲君との会話が弾まない
どうせ、冬になったら、海のことなんて考えもしないんだから、
今のうちに海に行きこうって君が言った。
平日の電車は空いていて、色あせた青いシートが目立った。
甲高いモーター音がやけに耳障りで、君との会話が弾まない。
青黒い海に日が反射して、白く輝いていた。
自分の心変わりに見えた。
▲未来と今を同期させて
押し、戻し、夢のかけら。
幸せ、本気、淡い破片。
あなたと描く夢、幻の島、灰色になる。
意識混濁を起こした夜。
昼になり、朝になり。
歪む時空、病室の天井。
鳥がさえずり、安らぎ、
緑の芝で、大きく息をして。
息する、生きるのが楽になった。
未来と今が同期して、ここにいると実感する。
▲流氷がきしむ音はしない夏
流氷がきしむ音はしない夏。
さざなみがコンクリートの岸壁をちゃぽちゃぽさせている。
船が出払ったボロい港で、かもめが夏を楽しんでいた。
最高に青い空と、青い海。
沖の弱い蜃気楼が、漁船を揺れる白丸にした。
永遠にこのまま、連れて行ってほしいくらい、
引き込まれる青さにあくびした。
▲ファンタジアに憧れて
ファンタジアに憧れて、
かわいさ求め、甘いものに目が行く。
Pink amazing !
チョコレートで、カカオ職人に憧れて、
甘さ引き立つ焙煎がしたい。
私は最高のパティシエになって、
失神するくらい、世界一甘いケーキを作る夢。
練乳、カスタードをあげる。
I have an amazing present for you !
▲君の純粋な願い
コンビニでお菓子買い、君と公園に来た。
噴水は青い空を白く冷やしていた。
練習サボり、ギターが重たい。
「デビュー曲で車買うんだ」
「サボってる人がデビューって、永遠に無理でしょ」
「赤のオープンカーで一緒にドライブしよ」
「だっさ」
チュッパチャップスで乾杯した。
▲廃線のボロい駅で
廃線のボロい駅。
取り残された2本のレールが、錆びて歪んでいる。
君ははしゃぎながら、錆びたレールの上を歩いている。
平均台みたいに。
思いっきり、両手を伸ばし、ふらついている。
「あー、落ちちゃった。意外と歩くの難しいよ」
二度と点灯することがない信号機が青く光ったように見えた。
●炎天下の世界で。
炎天下の公園は緑が眩しかった。
噴水が炭酸みたいに白く吹き出ている。
もし、世界がこのまま終わっても、
噴水だけはずっとそのまま居座りそうなくらい、
噴水だけは特別、緑や青に対して浮いていた。
もし、ゆるい悲しみがこのまま続くなら、
水しぶきをずっと見ているのも悪くないと思った。
●あの暗い路地を走りきろう。
めぼしい成果が無いまま今日も終わる。
東京はいつも明るくて、
いつも、いつだって、僕らは迷子になりそうだ。
君とあの暗い路地を走りきろう。
怖くないさ。
神様は僕らのことを見放しはしないさ。
雨でサンダルはぐちゃぐちゃだけど、
白く反射する向こう側へ行こう。
手を繋いで向こうへ。
●踊る君は美しい。
夜景を背景に踊る君は美しい。
煙草を吹かし、君を眺めている。
誰もいない展望台は蒸していて、
時折通る車の音がよく響いた。
君は踊るのを止め、
手すりに寄りかかった。
黄色い無数の道路や、
白い中心街の光を眺めていた。
君の声がやけに響いた。
僕は煙草を消し、そちらへ向かった。
●君は最高にもろい。
君は最高にもろく儚いね。
白い車で行く当てもないドライブをしよう。
海辺を走って、FM流しながら。
唇で囁く抑揚のない頼りない声で、
君の感性がこもった言葉を聞くと、
淡くときめくのはなぜだろう?
8ミリフィルムで撮ると最高に絵になる君を、
ガラス玉みたいに弱い君を守りたい。
●夢の続きが見たい。
夢の続きが見たい休日は
ジュリマリをぼんやり聞いて
アイスコーヒーを呑んで
夢に浸ったままでいる。
何事も永遠じゃないけど
きらめきとか切なさとかは
時空を超えてほしい。
世紀末のあの時の憂鬱さや
あの時、追いかけていた光は
ある時から変わってしまった。
記憶の欠片が優しいのはなぜ?
●観覧車から夜の海を眺める。
観覧車から見る夜の港は、
無数の白い光で涼しく見え、
水面で光がそっと揺れている。
この景色を君と共有できるのは、
素直に嬉しいから、
今すぐに好きだって伝える決意を固めた。
●始まるきっかけが、ただ、ほしかった。
夏休みの教室には誰もいないはずなのに、
君は補講で一人きり、
この教室に閉じ込められていたから、
思い切って、一緒に帰ろうと誘うと、
君はいいよ、って簡単に微笑んでくれた。
●泣かないで。とは簡単に言いたくない。
君に泣き顔は似合わないよ。
だから、元気だしてって簡単に言いたいけど、
君が抱える問題は、
そんなに単純じゃないことを僕は知っている。
だから、今はただ、君の気持ちをすべて受け止めるよ。
●同じテンションでいられて嬉しいよ。
赤いブランコに座ると一気に熱が伝わり、
思わず笑うと、君もしっかりと笑ってくれた。
誰もいない炎天下の小さい公園で、
無邪気に同じようにはしゃいでくれる
君のことが好きだよ。
●待ち合わせに遅れても、大切にしてくれるからいいよ。
本当は夏なんて嫌いだった。
春に付き合い始め、夏に振られるのがジンクスだから。
だけど、この夏は久々にそのジンクスを払拭できそうだよ。
だから、君が待ち合わせよりも5分遅れてきたけど、
簡単に許してあげる。
●夏が楽しすぎて終わるのがつらすぎる。
君との楽しかった夏が終わってしまうね。
これから冷たくなっていくのはあまりにも寂しすぎるから、
このまま、夏の思い出をカラフルなマリンドームに閉じ込め、
それを飾ったまま、新たな君と一緒に作ったスノードームを横に飾りたい。
▲時を欠けた記念日
時を欠けた記念日
無理して
淡い朝になって
期待を黄色で包み
自然と調和したい。
けど、一つもわからない。
過去に意識を飛ばし
同期した瞬間
一人だけ戻り
やり直すことができる。
あの一瞬を突き刺し
もう、二度とない時間軸を作り直し
欠けた心を取り戻すんだ。
さよなら、現生の思い出。
▲水瓶で世界を虹色にする
そっと水瓶で世界を虹色にする。
水瓶に君との日々を詰め込んだ。
今は灰色でも、モノクロは薬品を漬ければカラフル。
海を灰色から水色にして、
木々を灰色から緑にして、太陽を灰色から黄色にして。
そっと目を瞑れば、驚き、暖かい世界になる。
世界を変えてやるんだ。
夢見心地でね。
▲なぜか爽やかに感じる
何日かぶりに雨が上がった昼下がり
経済学の講義をほったらかして、
君と歩くことにした。
県道は海岸線をなぞり、半島の先まで見える。
むわっとした空気でも、なぜか爽やかに感じる。
海の家で何人かがせっせと準備していた。
もうすぐ海開きだね。
君が夏を感じたとき、風がぶわっと吹いた。
▲夏至が過ぎたばかりの空は高く、素直だった
いらないと言われ、諦めた日、
夏至が過ぎたばかりの空は高く、素直だった。
心に響くことを意識しすぎて、
社会とか、効率とか、働くとかがわからなくて、
浮きながら、合わせる努力をした。
だけど、限界で苦しく、モヤモヤに存在否定。
早く夏が終わればいいのにっていう、青さだった。
▲大ぶりの滴が、窓ガラスを濡らす
カウンター席から、雨で滲む夜景を眺めていた。
大ぶりの滴が、窓ガラスを濡らし、
青、赤、緑、白が滲み、ニッカウヰスキーの看板も、知らなければ、ただの色。
花火のように丸い水が、花開く。
奥の繁華街は今日も恐怖と楽しさが入り混じっているんだろうな。
安い夜食を済ませ、寂しくなった。
▲次は必ず上手くやるんだ
夜中に孤独を楽しむと、
人を傷つけたことを思い出す。
常識をがむしゃらに頑張り、
いつもバランスを崩す。
昔からだ。
決め事は嫌いだから、
無理に争った。
でも、それが楽しかった。
計画が嫌で、
時間は過ぎたけど、
安らぎ、直感に従えば、
次は必ず上手くやると真夜中のベッドで誓った。
▲海へ続く小道
海へ続く小道。
下り坂を思いっきり、自転車で駆け下りていく。
海上上空には、幻みたいな入道雲が伸びている。
昼間の日が、左右に濃く影を作り、電柱が道の真ん中にできていた。
踏切の遮断機が降り始め、慌てて立ち止まった。
立ち止まった先、青さが眩しく、かぼちゃ色の電車が遮った。
▲本屋が消えても
近所の本屋が潰れた。でも、この街は何も変わらない。
夏文庫を初めて目にしたのも、あの本屋だし、
初めて文庫を買って、大人になったのも、あの本屋だし。
Amazonで買えない思い出が消えても、本を読むことを覚えた。
この街から、文化が死んだ音が響くのは十年後かもしれない。
♪Top Of The World - 世界を見下ろすようにね -
私はあなたに出会ったことが、
たぶん、人生のなかで一番、幸運だったことだと思うよ。
どうして、こんなダメな私を認めてくれるの。
どうでもいいことでも、しっかり話を聞いてくれるよね。
どうして、そんなことを私にできるの。
君が優しすぎるから、
今は最高の気分で空に浮いて、自由になった気分だよ。
世界を見下ろすようにね。
♪Arthur's Theme - ミスター・アーサーのテーマ -
豪雨の羽田空港第二ターミナルの中は少しだけうんざりする。
アルミっぽい高い吹き抜けを数秒眺めたあと、視線をまたiPhoneに戻す。
こうして、飛行機の遅延を待っていると、
古い映画のミスター・アーサーのテーマを思い出すんだ。
別に東京から、札幌に帰ることなんて、
普通すぎることで、
上京してからすっかり慣れっこになったよ。
それに、雪で待つのに慣れた場所で育ったから、
このくらい、未定なことも慣れっこで、
イライラなんてしない。
ただ、今、思うことは、遠距離のままの君が、
新千歳で待ってくれているみたいだから、
早く、君のところに帰りたいって思っているだけだよ。
♪Haed to Say I'm Sorry - ごめんねって言うのが難しいよ -
本当は素直になれば、いいってことくらい、
私にだってわかっているよ。
だけど、どうしてかわからないけど、
君に謝ろうとすると、喉の奥が絞まる感覚がして、
ごめんねって言うのが難しいよ。
本当は私があんなひどいことを言って、
君のことをひどく傷つけたからだってことくらい、わかっているよ。
だけど、君のことはすごく特別で、
こんなことで簡単に君のことを失いたくないから、
今日こそ、素直になるね。
あんなこと言って、ごめんね。
♪Morning Train - 通勤電車に乗って -
幼馴染の私たちは、
同じタイミングで寂れた港町から、
都会に出て、一緒に都会に慣れたんだ。
だから、朝、同じ通勤電車に乗って、
夜になったら、別々の電車で帰ってくるんだ。
お互いに中心部でそれなりに働いて、
それなりにつらい思いをしながら、
ふたりの力でそれなりな生活を成立させているよ。
だから、お互いに仕事が終わった金曜日は、
モスで軽い夕食を済ませて、
レイトショーで流行りの映画を観ることにしてるんだ。
そして、金曜日の帰りだけは、
君と終電直前の同じ電車に乗って、
映画の話をするのが最高に幸せな時間だよ。
♪I Just Called To Say I Love You - ただ、好きだよって言いたくて、通話しただけだよ -
朝から夜まで、ずっと君のことを考えていて、
帰りの電車を降りたあと、
電車でやりとりしていたメッセージじゃ、足りなくなったんだ。
路地にあるローソンの青白い看板を眺め、
歩きながら、iPhoneを耳に当てて、君につながる瞬間を待つ。
「どうしたの?」
「――ただ、好きだよって言いたくて、通話しただけだよ」
新月で暗い世界の中でも、
好きを何千回も言いたい気分なんだよ。
それでも足りないくらい、
今は君に夢中だってこと、伝わってほしいな。
▲田園の滑走路
田園の滑走路は不自然。
山を切った空港は、空母のように異物だった。
朝、北から飛び立ち、ボーイング737の狭い機内で一眠りしたら、もう着陸態勢に入っていた。
東京湾を旋回中、見える街は完全に異国で、朝の田園は幻だと確信する。
いつも、この景色を見て、慣れない人波に入る覚悟をする。
▲コンビニで買ったアイス
電柱にぶら下がる錆びた蛍光灯が、路地を白くする。
君はゆっくり歩いている。
仕方なく君の足取りに合わせる。
コンビニで買ったアイスが溶けそうで不安になった。
不意に君が立ち止まった。
「どうしたの?」
「ごめん、放っておいて。こういう日だから」
君の頬に涙が白く光った。
▲未成年のくせに
夜の公園は半袖だと寒く感じた。
彼女と座るベンチは、街灯で白く目立っていた。
「成人です」彼女はそう言いながら、ラーク1ミリを咥え、火をつけた。
「未成年のくせに」俺もpeaceを取り出し、彼女から火をもらった。
彼女は空を仰ぎ、肺に吸い込んだ煙を大げさに吐き出した。
▲未来なんてみたら、キリがないよ
未来なんてみたら、キリがないよ。
と君に言われたことを思い出した。
人並みや硬い社会に押しつぶされ、
脳が重く、黒くなった日、すべてを捨てることにした。
反対行の電車に乗り、文明が退行した世界に行きたい。
しかし、これは妄想にすぎず、今日もまた満員電車から黒い街並みを眺めていた。
▲夕立
夕立が田んぼを煙らせる。
雨宿りできる場所なんてない。
全力で自転車を漕ぐ。
濡れる制服が張り付き、スカートもぐちゃぐちゃ。
伸びた前髪の鬱陶しさを忘れるくらい、濡れて束になる。
でも、なぜか気持ちが吹っ切れて、
雨のバカヤローって言ったら、CMになるのかなって思うとウケる。
▲低くなった夏空
低くなった夏空がやるせなさを掻き立てる。
高校のとき、自分の底が浅いことを知られないようにと、言葉数を少なくすることにした。
その後の青春は色褪せ、面白さに欠けていることに気づかなかった。
十年経った今、自分に蓋をして生きるのは楽だけど、辛いし、逃げることにした。
●夏色ファンタジア。
雨上がりの夜は蒸し暑くて
月も忘れるくらい明るい。
濡れたアスファルトに映るネオンや
電球色がファンタジアを作る。
赤いハンドバッグが似合うあなたは
黒いパンプスで水を跳ね上げて歩いている。
数歩先のあなたが赤い線を描き振り返った。
笑顔だった。
駆け寄りあなたの手をそっと握った。
●青い君は最高だ。
夕暮れが浜を
オレンジに染める。
さざなみは
穏やかに歌う。
木琴で奏でるように
二人で浜辺を歩く。
君のお気に入りの
青いワンピースは最高だね。
もし、闇が永遠に続いても
繋いだ手だけは離したくない。
今が、
シャンディガフの泡のように
儚いものだとしても
君を奪う覚悟は出来ている。
●夏が深まる。
ジェラートがゆっくり溶け、
柔らかな先から桃が垂れる。
ベンチに座り、
青空とみずみずしい芝を眺める。
そっと唇をつけると
桃がおいしい季節だと
強く言えるくらい
柔らかな酸味を感じた。
遥か上空のジェット機が、
夏が終わることを知らせるように
青空に白い線を残した。
●夢の中で君と会う日はいつも雨。
夢のつづきは
いつも雨で
夢で会うのは
いつも同じで
目覚めるたびにちっぽけに思う。
だから朝、晴れた空を見るとほっとする。
秋が始まりそうな高さが現実感を作る。
今のつづきは
いつも退屈で
今だに会うのは
いつもあなたで
会うたびに世界を狭くする。
そうやって寂しさを埋めている。
●いつか、君と。
いつか、君と歩いた坂道をひとりで歩く。
立派なわがままも意味を持たないくらい
残暑の陽炎が立っている。
いつも、君と下った先は入道雲と白い海。
いつの間に忘れた幼く素直な思いも
水疱に溶けて青くなった。
いつも、君と立ち話した
消火栓の前を通り過ぎる。
戻れないあの夏。
●夜の商店街を駆け抜ける。
自転車で夜の商店街を駆ける。
季節が巡る瞬間って
いつなんだろうと
不毛なことを考えながら。
半袖のまま
夏の気持ちだけ
取り残され
熱は逃げていった。
アーケードの蛍光灯
すべて閉じたシャッター
音のないスピーカー
少し微温くなった風を受け、
思い出と過去の風景が混ざり合った。
●君とビルの下の氷上をすべる。
手を繋いで、君と一緒に夜のスケートリンクをかけるのは、
楽しいし、単純にときめいてしまう。
高層ビルの窓はまだ、ところどころ白くて、
周りの街路樹は電球色が暖かく、
今シーズン最大の冷え込みなんて全く感じないね。
少しずつ慣れ始めた氷上で、
君と最小の表面積で甘さの中、冷たい風を切るのは、
ティラミスを細長く食べやすく切っているみたいに思える。
もし、君とこのまま手を繋いで、
氷上からタイムトラベルしても、
きっと、君の手を離すことはないと思うよ。
君がどんなにスピードを上げても、
君がどんなによそ見をしても、
きっと、こっちからは手を離したりはしないよ。
心細さや、冬の甘さを忘れてしまわないために。
だから、もう一周したら、
さっき言ってたバルでピザを食べに行こうね。
●囚われた君を助けに行く。
秋も終わろうとしているのに、
変われない思いを抱いたまま、
季節は僕を置いてけぼりにしていく。
冷たい雨が降る中、湿った落ち葉を踏みつけて、
森の一本道を地道に歩きながら、
僕は彼女のあれこれを考え続けた。
だけど、何度もリロードを繰り返した思考の答えは一緒で、
僕は彼女を必要としていることは変わらなかった。
彼女が魔女に拐われてから、ずっと君の行方を探している。
この2か月間、手がかりは見つからないまま、僕は途方にくれていた。
着慣れたカーキのMA-1のポケットに両手を突っ込み、
その中で何度も握ったり開いたりしても、
もどかしい現実が変わるような音はしなかった。
笑いあった夏が遠くなっていき、
秋は彼女がいなくなり、途方にくれて、
そして、今、ひとりぼっちになり冬を迎えようとしている。
魔女による人さらいは、
中世の魔女狩りの報復だと言われているけど、
彼女にも、僕にとっては関係ないことだ。
そして、僕は2か月の霧を抜け、
冷たい雨の中、森の中にある魔女の城にたどり着いた。
ただ、助けたい。
それくらいのこと、難しくないはずだ。
僕はバッグから冷たくなった拳銃を取り出し、
それをしっかりと両手で握り、
右足でゆっくり扉を蹴った。
●夏の想いを思い出した瞬間、恋の魔法は愛に変わる。
タイムマシンに乗って、
君と僕、二人きりだった、
あのときのプールサイドに戻りたい。
君と素足を水に浸しながら、
水面に映る弱く揺れる入道雲を眺めていた。
「ねえ、好きって言ってよ」と君に言われて、
急に時が止まったかのように感じ、
君を見つめると、君の瞳は青さを映し出していた。
君は何度か細い足をバタつかせ水面を乱したあと、
僕は君の手を握り、尽きなかった想いを伝えた。
そんな君を僕は大切にしたいと思った。
今、壊した君との記憶をそっと取り戻すために、
素直に好きだと君に言って、僕は謝るよ。
●空虚な君の絶望癖は、すべて青と黄色でそっと塗りつぶしたい。
君が生まれた日の朝日の色を混ぜて、
君のつらいことを浄化してあげたい。
そんな特別な魔法なんてないから、
そんな空虚な雰囲気の君に対して、
できることは、
君が受け取って優しいと感じそうな、
弱くてぼやけた言葉しかかけられないんだ。
そんな自分がもどかしいよ。
●君を思い出すのはいつも秋の始まり。
輝きを失った流星のように、
雨に打たれたビル街が、
アスファルトに流れてしまいそう。
自分のみすぼらしさが、
街の中では小さくて、
横断歩道の真ん中で立ち止まりたい。
夏が泣いた水たまりが、
秋風を連れてきて、
何も出来ない夏を振り返させる。
急にあなたの行方が知りたくなった。
・I truly love you - 本当に愛しています -
君の嘘に傷ついたことなんてないよ。
だって、それは君が自分を守るための嘘なのはわかっているから。
僕はそれを見抜いたから、君のことを責めることなんてできないし、
君にもっと息をしやすくなってほしいって、強く思ったんだ。
だから、君らしくなってほしいって思っているから、
そんな、溺れて苦しそうな君のことをね。
「本当の本当に愛しています」
♪Lollipop - ペロペロキャンディ -
PLAZAで買った、赤と白のペロペロキャンディを、
こうやって、ターミナル駅のベンチで食べているのは、
きっと、私たちくらいだと思うよ。
そして、そのレアリティは、
図ることなんてできないくらい、
いい思い出になりそうな予感がするよ。
だから、このまま、
駅の案内放送と、いろんな人の足音、
そして、いろんな人の話し声を聞きながら、
キャンディの甘さを一緒に味わおうね。
・I can’t live without you - あなたがいないと生きていけない -
1000キロ以上、生まれが離れていて、
出会うはずがなかった私とあなたが、
ここで出会って、ここでオープンテラスのソファ席で、
横並びになって、あなたの肩にもたれて、
あなたとくだらない話をしていることが、
奇跡だって、私はずっと思っていたよ。
だからね、あなたがいないと生きていけないって、
ずっと、思っているけど、
重すぎると思うから、今も胸にしまったまま、
今日もただ、あなたとこうして、横並びになって、
夜の静かな海を一緒に眺めているだけで十分だよ。
♪ Love Me Do - 僕を愛してくれ -
いつも君のことが気になるのは、
きっと、僕が臆病な所為だよね。
だけど、君は僕と目があったら、
優しく微笑んでくれるから、
僕はたまに混乱してしまうんだ。
もし、テレパシーが使えて、
そうした好意に確証があるなら、
しっかり、告白しようって気になるけど、
まだ、少し前の失恋が癒えないんだ。
だから、素直に僕を愛してくれ。
なんて、どうしようもないエゴを君に伝えたあと、
君が微笑んでくれたら、
それは片思いじゃなくなり、
本物の恋になりそうな気がするよ。
●もう、何も惑わされない。
メビウスの輪をヘアバンドで作った。
テーブルに宇宙ができた瞬間、
彗星が最接近するニュースが流れた。
オレンジジュースを飲んで、
何も考えないで輪を見る。
今、目の前に
飛び込む情報に
惑わされて、
興味もないのに
星を探しに行きたくなった。
もう少しだけ、
流されない軸が欲しい。
●君の行方を知りたくなった。
終わった夏が忘れられず、
砂浜を歩いている。
ビーチハウスはとっくに壊されて
はしゃいだあの夏はもう終わってた。
君と駆け抜けた波打ち際、
穏やかな波が砂をさらっていく。
冷たい風。
遠くでなびくすすき。
高くなった透明な空。
過去が流れて、
涙が止まらない。
君はどこへ行ったの?
●君と二人だけで電車を待つ。
ガランとした駅の中は
ほのかにコンクリートの冷たさがある。
電車を待つのは、
青いプラスチックのベンチに座る
君と僕だけだった。
「連れて行ってほしい」
「どこへ?」
「どこかに。そんな気分なの」
君は改札を見て、
真剣そうに訴えた。
君の表情は
夏が終わったかのように
寂しかった。
●弱冷車のなかで君を思い出す。
電車の中は弱冷で
機械的な清涼を浴びている。
ないものねだるのって、
解散したバンドの新曲を
期待するみたいだ。
寒がりな君は
弱冷房車を選ぶことを
思い出した。
寂しさ隠すのって、
二度と会えない君に
期待するみたいだ。
戻れないから、
イヤホンで
この曲、
聴いているんだよ。
●夏が終わり、秋が始まっても変われない。
秋の始まりはなぜか寂しくて、
夏の名残を海岸線の道を歩きながら感じる。
サンダルはそのままで、
風が吹き、なびくワンピースの裾。
低音と一緒に追い抜かれた
オープンカーの後部を見つめる。
別に真面目に生きているわけじゃない。
だけど、毎日に満足できないのは、
季節が変わっても変わらないままだね。
胸が重くなって、急に立ち止まった。
涙が頬を伝っていく感触。
どうして、こんな気持ちなんだろう。
●君とは離れ離れ。
季節は進み、コスモスはきれいに咲き、
離れ離れの私たちは日常に追われる。
続かなかったやり取りをふと思い出すと、
胸がそっと苦しくなる。
君との約束は渦の中に巻き込まれたみたいに
何もなかったことになったんだろうね。
大人になると、すれ違いが進み、
距離は非現実を作る。
だから、思い切って、君へのメッセージを綴る。
変わらないアドレスにしたためて。
『君は変われましたか』
私はそのままだよ。
●夢の中の君はもういない。
夢で君と会ったから、
少しだけ虚しい朝だよ。
楽しいことを瓶に詰め込んで、
そっとした日々を過ごしたい。
だけど、忙しい日々は変わらなくて、
メリーゴーランドのぐるぐるのように
華やかさを維持するのに意固地になっている。
もし、あの夏の青春が溶けなければ、
今頃、君との生活はどうなっていたのだろう。
閉園前のキラキラの遊園地を
二人で歩いたのを思い出した。
素直じゃない今の自分を見たら、
君はなんて言うだろう?
●いつもの憂鬱は寂しさが原因。
ホームは冷たく、朝霧で霞んでいる。
まだ眠っている小さいこの街から、
君に会うために大都会へ向かうよ。
ベンチでひとりきり、
ぼんやりと何度も読み込んだ本を読んでいる。
夏が過ぎ去ったこの時期は
いつも、寂しさが旨を占めるけど、
心が満たされるような気がするよ。
大好きな君は何て言うのか、
想像して、結局、本の内容は頭に入ってこない。
遠くから列車の音がする。
霞んだ先を見ると電球色が近づいてきた。
☆雨に打たれても
雨で黒いコンクリートに
街灯が白く反射している。
死にたくなったから、
雨に打たれて
歩いている。
日曜日のこんな時間だから、
雨粒が草や木々にあたる音がする。
おだやかな雨は
なんでこんなに愛があるのだろう。
昨日までを洗い流してほしい。
と願ったら、
熱い涙が止まらなくなった。
☆もっと、スマートでありたい
大型旅客機が
轟音を立て
夜空に赤白を点滅させ
頭上を飛んでいった。
公園をランニングしている。
涼しい風を背に受け
呼吸を一定にする。
いくつもの白い街灯をくぐり
ゆるいカーブを駆け抜ける。
もっと、スマートでありたい。
だけど、そうあれない。
だから、弱いんだよ。
息が切れた。
☆マグカップを手元に置いた
「調子悪い日は、大人しくしたらいいよ」
そう言って、
君はマグカップを手元に置いた。
コーヒーの香りが立ち、
香ばしい甘さが空気を凛とさせた。
頭がまわらないけど
グズだと思わないで欲しい。
そう思い、
コーヒーを一口飲んだ。
礼を言うと、
君は微笑み、
そっと部屋を出ていった。
☆煙草がもうすぐ燃え尽きる
深くなった緑のゆらめきを
バルコニーから眺めている。
煙草がもうすぐ燃え尽きそうだ。
フィルターぎりぎりまで
吸うのは身体に良くないけど
そのまま吸っていたい気分なんだよ。
先なんてわからないから
今を生きるだけだけど
たまに辛くなる。
吸い終わってすぐ、
遠くで踏切が鳴り始めた。
☆電車の中は弱冷
電車の中は弱冷で機械的な清涼を浴びている。
ないものねだるのって、
解散したバンドの新曲を期待するみたいだ。
寒がりな君は
弱冷房車を選ぶことを思い出した。
寂しさ隠すのって、
二度と会えない君に期待するみたいだ。
戻れないから、
イヤホンでこの曲、聴いているんだよ。
☆ャッターの前で踊る人とギターで弾き語りをする人
日曜日の夜、
アーケードはシャッターの前で踊る人と
ギターで弾き語りをする人しか
盛り上がっていなかった。
そんな人達の前を横目に歩きながら、
あなたとの約束を
一つ破ったことを思い出した。
あのとき、
あなたのことをしっかり見て、
もっと心を開いていたら
どうなっていただろう?
☆雨の水曜日にさよならを告げる
雨の水曜日にさよならを告げる。
深夜の公園は雨がしとしと降っていて、
水瓶の中のように暗く湿っていた。
雨の夜中にさよならを告げたい。
深夜の公園は自問自答に最適で、
ここで未来を決めては
明るい希望を作る。
どうして生きるのって、
こんなに面倒なんだろう。
頬に雨粒があたった。
☆離れない約束はすでに無効
離れない約束はすでに無効で、
そんなことは忘れて
ぼやけた毎日を過ごしている。
そんな昔の誓いを思い出したのは、
夜の公園で自販機で缶コーヒーを買ったときだった。
タイムラインは止まったままで、
あなたとは、
お互い忙しくて、
交わる気配は微塵もない。
今更、後悔したって遅いね。
✶おはよう。目が覚めたら、昨日のつづきだったね。
優しい朝日と手を繋いでベッドから起き上がった。
昨日のバイバイは、あっけなかったなって、
ちょっとした寂しさを胸に滲んでいるのを感じた。
あなたとの日常を想像してみたよ。
きっと夢見たいに自由で、
楽しく、上手く、
生きていけそうだね。
✶今、無価値の代償を支払いに行く。
タイムマシーンで君を迎えに行くよ。
時空の果てで遭難した君を。
座標をセットしたら、あのときのキスを思い出した。
僕が引き出しに、したためた手紙を君が読んでいたら、
――この作戦は成功だ。
僕はポータブルに吸い込まれた。
✶スプリングシャーベット
青空が綺麗だから、
急に君と話したくなった。
むずむずする鼻は
春が本格的になった証拠で
歩き疲れるまで
このまま直進したい。
忘れていた記憶が
脳内で直結して
傷を思い出して
流氷が溶けるくらい
胸が痛むよ。
気晴らしにハーモニカで
Cコードを軽快に鳴らすように
通話ボタンをタップした。
✶傘の下での約束
雨の中、君と約束してから、
すでにかなりの年月が経って、
僕も大人になった。
君もきっと、
大人になったはずで、
ため息がどんな色なのか、
散々、わかっているはずだ。
あのとき、無垢に永遠を誓った傘の下。
君は今でも鮮明に幼いままだ。
どんよりした日、外に出ると思い出すんだ。
永遠に会わない君のことを。
✶涙が枯れた朝なのに、空虚なのはなぜかしら
心にポッカリと空いた穴は
朝、目覚めても、
全然、埋まらなくて。
行く宛を失った手紙みたいに
差し戻しできたら、すごく楽なのにね。
眩しすぎる朝日で、
すべて癒やしてほしい。
すべてが終わった果ての気持ちまで。
★君以外
いろんな事をこれまで
失ってきたけど
君以外、
強く愛することができないと気づいた
世の中、
マーブルチョコをぶちまけたみたいに
色とりどりで目移りするけど、
大切なことは意外と素朴だったりする
純粋に君を抱き締めたい、と。
疲れきった身体で帰宅する通勤快速の中で強く思った。
★少し冷たい
冬の寒さは相変わらずで
このまま時が止まってしまえば
永遠の誓いなんていらないね
だから、手を繋ごう。
このまま君の横顔をみて、
黙々と寒い中を歩きたい
パンケーキが美味しかった
カフェの話とか
パスタが美味しかった
イタリアンの話とか
そういう話をしながら行くあてもなく歩こう
★君の瞳
ありきたりのUFOが
一瞬で水平線に吸い込まれていった。
とりあえず、
顔を見合わせて、
二人で暗黙の秘密にした。
透き通っている君の瞳は茶色いんだね。
そんなことより、
話の続きを聞かせてよ。
君が今朝、観たファンタジックな夢の話をさ。
どうして、君の話は飽きないんだろう。
★ふたりきり
真冬に路面電車を待つのは滅茶苦茶、
寒いけど
君と二人きりになるのは、すごくラッキーだ。
会話は妙に途切れるけど青いシャーベットを
溶かせるくらい胸が熱くなっている。
そんなんだから、
君が巻いているマフラーのフリンジが
風でなびくのが妙に気になるし、
マフラー誉めてみよっと。
✾閃光アクティベート
そろそろ桜が咲くころになり始めても、
未だに眠いのは春の所為かな。
ゆっくり暖かくなった風を受けて、
揺れる木々にまたはが芽吹く季節になったね。
憂鬱を抱えたままのわたしと君たちに伝えたい、
木の葉と移ろう季節が時代を見守っていることを
大切にして生きてほしい。
目覚めの瞬間は今だから、
君の奥に囚われた鎖を開放しよう。
忘れた感触を思い出しながら。
黄金の空に舞う龍を眺めるように
大好きな世界を作り上げよう。
シリウスの果てまで手を伸ばすようにね。
✾すべて忘れてしまおう
手帳に書ききった黒くぎっちり詰めた思いを
ページを切り取って、ハサミで切り刻み、
それらをベランダからそっと春風に乗せたい。
当たり前だった充実感は消えて、
退屈が日々押し寄せてくる。
透明なコップにオレンジジュースを注いで、
溢れてもなお、
白いテーブルをオレンジの海にして、
しばらくの間、指で泳いで、気を紛らわそう。
抑えきれない感情の波は、
やられたことを忠実に再現してくる。
無視されたサイン、
粉々になったハートにクッキー、
すべて忘れて頑張ろう。
✾スプリングファンタジー
ゆっくりとヒレを動かして、
空を泳ぐクジラに君は子供のように
無邪気に手を振っていた。
僕はそれを黙って見守っていようとしたら、
「ノリが悪いね」と言われたから、
仕方なく小さく手を振ってみた。
弱い春風で制服のスカートの裾が揺れている。
もうすぐ、君の制服姿も見納めになるね。
春らしい薄ピンクが青にかかって、
空は最高に綺麗で、
このまま、ぼんやり春の陽気にやられて、
君との時間をゆっくり紡いで
大人になるのを辞めたくなった。
✾十分だよ
泣いてもいいよって、
言われると途端に泣けなくなるのは、
君に気心を許してないからじゃないよ。
雨の中で愛を誓うみたいに、
急に恥ずかしくなってるだけだから、
私のことなんか気にしないで。
大好きなレモンのキャンディを
口の中でコロコロさせても、
つらいことなんて消えないからさ。
だから、今、このまま、
一緒に過ごしてくれるだけで十分だよ。
☆海を眺める。
絶望癖を発動しやすい私のことを
いつも笑ってくれる君は優しいよね。
海岸線を描く道路から、
さざなみを眺めながら、
お互いに口数少ないまま、
儚く時が流れていく。
君は私の次の言葉をしっかり待ってくれているから、
私はそれだけで十分だよ。
✾憂鬱を飾りたい
スタバでぱっとしない将来のことを
考えると憂鬱が溜まっていく。
フラペチーノを飲んで、
気分を変えようと思ったけど、
急な無気力と漠然とした不安を
せき止めるにはまだ足りなさそうだ。
心を上手く開けないのは昔からだから、
大好きな歌を口ずさんで、
自分の世界を守ることを優先してきた。
臆病で嫌な気持ちは
ソーダ水で満たした水槽の底に沈めて、
ジェリーフィッシュっと一緒に眺めて、
LDEで淡く照らしてしまいたい。
✾終わったあとになって、傷がジクジクする
シャンディガフを飲みながら、
君が去ったことをずっと考えていた。
電球色の薄暗い店内。
窓ガラス越しには雨が打ちつけていた。
なにか直接的な原因があったわけではない。
ただ、砂時計がしっかりと時間を知らせたように
最初から期限付きの恋だったのかもしれない。
一口、含むと、苦みと甘さが一気に広がった。
雨滴の縦線が街の光をにじませる。
うっすらガラスに反射する
自分のアホ面を人差し指でそっと刺したけど、
今更、君を取り戻す方法は、
もう存在しないことをより自覚するだけだった。
✦たまに柵の中に閉じ込められているように感じちゃうから
現実を見ることは、
広大な緑の丘陵の中なのに、
柵で囲われた牧草地に閉じ込められた羊が、
画像データの中で、
さらにフォトジニックに閉じ込められた、
ようなものだと思うんだ。
だから、現実を見ないで、
自分が今見ている周りの世界を楽しくして、
淡々と、自分色にフォトジニックにしたい。
✦楽しいソーダ水の中で
本を読んだって、
もう、新しいことは見つからない気がするんだ。
だけど、悪口であふれるSNSはそのうち滅ぶと思うし、
それを世間だと思うのも視野が狭い気がするよね。
だから、楽しい動画があふれるSNSの中で、
無数の楽しいことを真似して、
楽しいソーダ水で満たした水槽の中で溺れたい。
✦メッセージは永遠、幻の君に手を伸ばしたい。
海に向かって投げたメッセージボトルは、
きれいに弧を描き、着水して、波に漂い始めた。
手紙にはわだかまりを書いた。
会いたい。
好きだった。
もっと思い出を描きたかったな。
もういない君に届けばいいなって、思っただけだよ。
✦自意識がぎゅっとなる時期だから、甘ったれていいよ
だって、それは自分を守ることだから
知ってほしい。
だけど、干渉してほしくない。
5月は冒険したくなるけど、
憂鬱なのは現実に気づくからだ。
社会が日進月歩するのは、大勢の努力のおかげだ。
だけど、それを私に押し付けないで。
飾らないで気兼ねなく、
生きていけたら、
私自身を愛することができるかな。
✦海へ続く一本道は青い。君が何かを背負っているなら手放して
君が眩しいから、砂時計は落ちることはない。
飽きることのない無垢さで。
青空は海まで続き、坂道は長く、
途中で立ち止まる君は思いふける。
不意に守りたくなるこの衝動は、
いつもあで留められるだろう。
もうすぐ、夏だね。
☆たまに頑張りすぎると君の涙があふれるのは知っている。
泣いている君は君らしくないと、
僕はありきたりなことを言ってしまったことを少しだけ後悔した。
君の頬を濡らす涙は疲れている証で、
僕は君の悩みを消したいと強く思った。
だから、
君の悩みと苺をミキサーで混ぜて、
甘酸っぱいストロベリームースを作ろう。
☆たまに、なにかできるじゃないかと思うと、虚しくなる。
秋の海辺は少しだけ寂しくて、
薄い缶コーヒーの苦味が妙に口に残る。
少し前まで沢山の人たちが
夢をつむいでいた日々は嘘みたいだ。
一人で海を眺める時は大抵、
ため息を誰かに集めてほしいときで、
自覚なく、気づいたら、
海を目指しハンドルを握っていた。
つまらない日々は積み重なっていくけど、
しんどく感じるから、
自分はただ、日々を淡々とこなせばいい。
だけど、たまに思うんだ。
もし、何かに熱くなって生きていたら、
ペンギンの群れの中で立ったままのような、
こんなこと、してなかったんだろうね。
☆深まる秋の中でも、あなたは世界の中心みたい。
冷たい空気の屋上から
あなたと二人で街を見下ろしている。
指につけているピンキーリングが反射して、
空間を柔らかくしている。
白いセーター越しに弱い日差しを感じ、
右手からはあなたの体温を感じている。
高く突き抜けた青空は秋の深みになって、
もうすぐ冬が来るのを告げている。
「ずっと、こうしていよう」
あなたはポツリとそう言って、
水晶みたいな空を仰いでいた。
すべてのこの瞬間を真空にして、
胸に詰め込みたくなった。
☆君は素直じゃない
雨上がりで冷たい街を二人で歩いている。
LEDの青を反射するアスファルトは
君の黒色マッシュと相まって、すごくクールだよ。
そして、君はいつものように口数が少ない。
夜のこの街は人が多くて、
浮足立つから、
君の冷たい手をぎゅっと握って、
いつもの店まで行く。
そんな君が好きだって、強く思った。
☆秋雨の朝、いつもの憂鬱で、自分らしさが見つからない。
いつものように電車は踏切を通り過ぎる。
ドアの窓から眺める街は今日も雨だ。
イヤホンからお気に入りの曲が
アップテンポで流れるけど、気分が乗らない。
きっと昨夜から降り続くこの雨の所為だね。
もし、このまま、誰にも邪魔されずに、
星図を作るように自分の世界に潜って、
最近、自分でも、よくわからない本音を見つけてみたい。
きっと、そうすれば、
上手くいかない今を変えることができて、
もっと自分らしく生きれるのかな。
☆今しかないなら、一瞬を楽しむしかない。
制服にトレーナーを着込む君は
朝の誰もいないバス停を背景に似合っている。
君は今日も朝からマシンガンのように
話題が止まらないし、笑顔も絶好調で、
無限にバスなんて来なくていいように思える。
秋が過ぎ去れば、
君とこうして居られるのも、
だんだんと非現実に近づく。
今、この一瞬がすでに思い出になるのなら、
この瞬間を楽しめば、それでいい。
思わず、君の手を繋いだら、
君との会話は一瞬、止まった。
「待ってたよ」と
君は静かにそう言って、ゆっくり微笑んだ。
☆忙しい秋が過ぎる前に、君に会いたい。
口の中にキャンディを入れて、
人で溢れているホームの中で一人きりを作る。
臆病な性格だけど、すっかり人混みに慣れた。
機械的に日々は進んでいくけど、
何も積み上がらない気持ちはそのままで。
君とのLINEのトークを指先で遡っても、
すれ違いは続いている。
もし、君と次にあったら何があるのかな。
モンブランのように甘くしてしっかりと、
ゆっくり過ごしたい。
週末、君からの誘いがあればいいな。
☆臆病なのは変えられないや。
夜のカフェで閉店ギリギリまで
さっき本屋で買った文庫本を読んだけど、
ぐるぐるした気持ちは晴れなくて、
結局、一日が終わりそうだ。
淡々と過ぎる毎日に過ごしだけ嫌気がさして、
文句ばかりが胸に積もって息ができない。
明日は休みだから、
すべて忘れ去るために
電球色で遮断しようと思っていたのに。
変えれないままの自分が怖いけど、
昔から臆病だから、誰かにそっと、
「そのままでいいよ」って言われたい。
★君は幻
ずっと忘れていた。
幼かった君と教室で語り合っていたこと、
この街に戻ると胸が痛むのは、
過去の選択肢しくじったからだ。
恋愛のやり方も知らなかった。
二人は想いを伝えなかった。
もう二度と会うことはない。
すでに思い出補正かかって、
事実は歪められているんだろう。
今、君とすれ違いたいな。
★私を見て
iPhoneで恋愛記事みて、あなたの気持ち探る。
私から言っていいかな。
昨日、
二人で恋愛観なんかを話してるのにさ、
そろそろ気づいてほしい好意があること。
無くなったドールハウスの赤いソファを探すように
私を見てほしい。
あなたからのLINE通知、
新着メッセージがあります。
一瞬、期待した。
★雨のキス
外は雨が降ってるから、
コーヒーでも飲んで待っていましょう。
昼から独りでアパートの前の路地を見ていると、
まるで自分が調子悪いみたいだ。
傘をさして、延々と君と話した
初恋のことを思い出した。
もし、タイムスリップ出来たら
あの日の君にキスして、
永遠に会える君に変えたい。
★冬の終わり
「もうすぐ、冬が終わるね」
そういう君はお団子ヘアが似合っていて
とても寒そうだった。
もっと、早く出会いたかった。
そうしたら、
苺のような酸味、感じなくて済んだのに。
次元が歪むくらい君との話は尽きない。
だから、スタバ行って続きを話そうよ。
LINEよりリアルを感じよう。
✾一歩踏み出したい
海につながる大きな川辺をゆっくりと歩いている。
春の陽気につられて外に出たけど、
こんなところを歩くつもりなんてなかったのに。
風に揺れるワンピースと、
一緒に踊りながら、
また芽吹き始めた世界で感性を磨こう。
ひとりぼっちで過ごすことはもう慣れて、
悲しさすら簡単に乗り越えられるようになった。
だけど、たまに寂しいから、
誰かに話しを聞いてほしくなっちゃうのは本能だね。
理性では強がり、だけど、根は怖がりだから、
新しいことを踏み込むのに戸惑う。
だから、この春はしっかり自分を作りたい。
もっと、世界が違って見えるように踊ろう。
✾もっと、君を春色にしたい
ピンクの中で両手を広げて、
はしゃぐ君は最高に素敵だね。
回転と一緒に弧を描く茶色のボブの端は
春の白い光をしっかり反射して、
君の無邪気さがより引き立っているよ。
だから、一生忘れないようにiPhoneで撮ったよ。
春色のプリズムを
柔らかいフィルターで補正をかけて、
あとでもっと、かわいくしてあげる。
だから、あとでゆっくり、
スタバで限定フラペチーノを飲んで、
思い出をしっかり刻もう。
✾無敵になりたい
毎日を淡々とこなし、
季節は簡単に巡ってしまい、
一人きり、まるで取り残された気分になる。
咲き始めた桜の所為じゃないのはわかるけど、
勝手に恨んじゃう余裕がないよ。
いつも、都会の中で
不安に押しつぶされそうになりながら、
なんとか、毎日をこなしているよ。
こういうとき、過ごしの時間でも、
スタバに行って落ち着きに浸ればいいことは
わかっているんだけど、疲れてそれもしたくない。
だから、自分を力いっぱい最大出力する。
不安なんて幻想だよって、
無敵で若かった君に言われたのを思い出した。
✾きっと、いつか今日のことを思い出しそう
君といると不思議と時間が過ぎていくのは、
君が素敵な春のマジックにかかっているからだよ。
桜吹雪の中で笑顔でいる君は、
吹雪の中、微笑んでいた君と同じで、
真冬の世界を一気に暖かくしたように
明るい君といると嫌なことも忘れられるよ。
今、尽きない会話が、
もし、尽き始めたときは、
今日のことをしっかりと話題にだすよ。
✾真夜中と明け方の間。
冷たい風が吹きつける埠頭でひとりきり、
起き出す前の青くて薄暗い街を眺めている。
寒いし、誰もいないから、
白いパーカーのフードを被って、
日が昇っていくのをまっている。
お気に入りの腕時計の秒針がしっかりと、
時間を進めていくのを数秒、見たあと、
もう一度、対岸を眺めなおす。
すっかり、都会の孤独にはなれてしまったけど、
たまに忙しさに疲れてしまい、
そっと逃げ出したくなる。
だけど、今の生活を抜け出すことなんて、
できないから、
夜明けを静かに待つよ。
☆遅刻魔の君は今日も遅れている
秋雨で深まる街を
カフェの中からぼんやりと眺めている。
遅刻魔の君は今日もまだ来なくて、
お気に入りの文庫を読み返しているけど、
あまり読み進まないや。
ガラスにあたり、雫となった無数の線は
なぜか気持ちを切なくする。
冷めかけたコーヒーはすでに半分以下で、
一瞬、今日は君がいない世界で終わる気がするからさ。
早く来て。
楽しさで時間を忘れさせてよ。
今日も。
☆君とすれ違ったまま、季節は進む。
ビルに反射する柔らかい朝日が眩しくて、
爽やかに見える。
地下鉄の出口から、
いつものように寝起きの朝を歩く。
君に会えない日々が続いていて、
メッセージはすれ違っている。
街路樹はいつの間にか黄色が混じり、
気持ちが追いつかないまま、季節は巡る。
ただ、今は冷たい海を泳ぐ、
ザトウクジラみたいに突き進むしかない。
君にわかってほしいなんて、
言わないけど、
今は少しだけ待ってほしい。
☆秋は冷たくて、気持ちを置き去りにする。
言いたいことが言えずに昨日が終わり、
今日も日常が始まったから、
カフェのカウンター席から、雨で銀色の街を眺めている。
一気に色づき始めた街路樹も濡れて、
濡れて冷たい青色のビルも
信号を反射する黒色のアスファルトも
すべてが切なくて、
秋はいつも憂鬱になるから好きじゃない。
いつものように少し濃いコーヒーを飲んでも
気持ちはそんなに変わらないし、
あーあ、って自分が惨めに感じるし、
変われない自分だけが置いてかれる。
それでも流星群が降り注ぐように
日常ははやく展開していくから、
窓の雨粒を指でなぞるくらいは許してほしい。
★空飛ぶクジラ
3秒のキスはチョコが溶ける
早さと同じくらいに感じた。
辺りは静まりかえっていて、
夜の公園は二人だけのものだった。
願っても相変わらず
時は止まらないから、
君と一緒に空飛ぶクジラに乗って
荒野を探索しよう。
そんな約束を提案したら、
君は小指を差し出して、
大好きだよと言った。
★そっと歩こう
雪の木曜日にロマンティックを求めたい。
ネガティブなことすべて、吹き飛ばして。
だけど、
現実は甘くないから、
ダイヤの輝きみたいに無難を祈って眠るよ。
もし、雪原で君の無邪気さが見れたなら、
こんなに最高なことはないよね。
だから、今夜の夢のキャストは
君が中心だからね。
★レイトショーに行きましょう
雨が降っているから、
レイトショーに行きましょう。
早めのディナー済まして。
今年、最高と噂になっている
ラブロマンス、観に行きましょう。
シャイな君とは、
なぜか上手くいく予感がするんだよ。
手を繋ぐのは、
まだ緊張するけど、
今の悩みを忘れる劇薬は
君だということは確かだよ。
♪Baby One More Time - もう一度だけ -
君のことが本気だったから、
復縁をしたいって、私は今でも思ってるんだよ。
この1ヶ月、ホームで電車を待っていても、
キッチンでパスタを茹でていても、
TikTokをぼんやり観ていても、
君と付き合っていたときの断片が思い出されるよ。
怖いって思われてもいいから、
さっき、メッセージ送ちゃったよ。
ねえ、もう最後にするから、
もう一度だけ、私に答えてほしいな。
♪Crazy Little thing Called Love - ちょっと狂ってることを愛と呼ぶんだぜ -
理性が効かないほど、
俺は君のことが好きだし、
普通に最初から、相性がいいのはわかってたよ。
だからさ、
一緒にショートケーキ作って、
ちょっとだけ不格好なバースデーケーキの出来を見て、
ツボって、バカみたいに笑い合うくらいが、
二人の関係は、ちょうどいいと思うんだ。
こういう、ちょっと狂ってることを愛と呼ぶんだぜ。
♪Don't Stop Me Now - 今を止めないで -
ふたりでボトルを空にして、
もう、なんだかよくわからないけど、
高校のときの先生のモノマネを
未だにやって、それが似すぎてて、
面白すぎて、笑いがとまらないよ。
高校のときから、人生を共有し始めた私たちは、
たぶん、このまま何十年経っても、
同じことで笑い合って、
同じことを何十回も繰り返すんだと思う。
だけど、それでいいんだよ。
だから、このまま、楽しい今を止めないで。
♪Don't Look Back in Anger - 思い出を怒りに変えないで -
なにも影響なんてない今は、
秋になったプールサイドに座り、
揺れる青い水面を眺めているようなものだと思う。
過去は怒りや迷いの中で、
混乱したまま物事を決めてしまった。
そのことをたまに後悔するけど、
その時のことを思い出すと、
今でも、胸の奥から怒りが爆発しそうになるよ。
そういうときはいつも決まって、君のことを思い出すんだ。
そのことが起きるちょっと前に、
「思い出を怒りに変えないで」と君に言われたことを。
だから、今は、それを原動力にして、
なんとか色がない日常を過ごすことができているよ。
★明日はバレンタイン
スポンジに生クリームを絞り乗せるように
君にありったけの気持ちを示したい。
青のバスソルト入れた浴槽の中で渡し方、
思案するよ。
今夜は、君だけのショコラティエになったよ。
心を込めて作ったチョコムース。
冷蔵庫で想いも冷やしている。
明日はバレンタインだから、丁度いいね。
✦風景であの瞬間を思い出すのは、思い出の保護フィルターがオートになっているからだ
雲がない5月の空はスカイダイビングしたいくらい淡い色をしている。
思い出の坂道を駆ける。
自動的にあの人の手を握った感触をありありと思い出す。
粉砂糖を優しくまぶすように
楽しいことを保護しよう。
そうすれば、生きていけそうな気力が湧くから。
✦記憶の断片は日々、積み重なるけど、決して間違った選択なんてしていないと思う
クリームソーダのアイスが流氷のように溶け始めている。
細いスプーンでそっと掬すくい口に含む。
炭酸の泡みたいに消えた、淡い恋愛のことをふと思い出した。
左の人差し指でテーブルに円を描く。
小指のピンキーリングのピンクゴールドが電球色の照明を反射した。
その一瞬で、遠い記憶が近づいた気がした。
✦終わりなんて見えないから、世界は美しく見えるんだろうね
時空を逆らうように、
泣く君はなぜ綺麗なんだろう?
輝く涙は潮騒しおさいに紛れて消えていく。
潮風がきっと忘れさせてくれるよ。
そんな気の利いたこと言って、簡単に終わらせたくない。
だから、炭酸が抜けないうちに
コーラを飲んで、
無数の虚しさを消し飛ばしちゃおう。
✦深い傷はゆっくり塞がりつつある。だから、臆病になって静かに諦めたくなる
始まりは静かだった。
ひとつのことに囚われて、
頭の中はぐちゃぐちゃだけど、
しっかり君のことは見れる。
歩みを止めるのは簡単だけど、
また動き始めるのは大変だよと、
君に言われて、諦めようとしていた自分が、とても愚おろかに感じた。
だから、ガラスに雨があたるように
静かに再始動できたのは、君のおかげだよ。
★雨が上がれば
冬の雨で濡れた夜の渋谷スクランブル交差点は
無数の夢の色を反射してるみたいに青白い。
こんな雨なのに誰かと待ち合わせしてる人は、
自分も含めて、すごく多いことに感激する。
今夜がどうなるかなんて、
まだ、何もわからないけど、
君に会えるという事実できゅっとする。
雨、上がればいいな。
★スフレプリン
今日も無難に終わったことを
スフレプリン食べて祝福しよう。
チーズスフレの優しさと
カラメルのほろ苦さで今日のこと忘れよう。
つらい日々はまだ続く見込みで、
最近、楽しみなことが少ないから、
黙々と現実を堪え忍ぶよ。
これがファンタジーなら、
現実変えるヒントをカエルに聞けば解決できるね。
★午後の通知
午後3時のカフェは落ち着いていて、
ぼんやりするには最適だった。
悩んでる恋愛は一旦、置いておいて、
親指でタイムライン遡ろう。
クラッカーにチーズを乗せて食べるように
最高の組み合わせを見つけたい。
君からの通知、急に届いた。
まだ温かい紙コップ持ち、
コーヒーを一口飲んで落ち着こう。
✦青春が遠くなる
なぜか、離れ離れになったと錯覚していて、
銀色の街を彷徨うように、
運命的な出会いばかりを追い求めていた、
あのときの私は、
アイスコーヒーを夜に飲むたびに、
大人に近づき、遠くなっていくような気がするよ。
その苦みを感じ、
黄色のロルバーンダイアリーを開くたびに、
キラキラしていた日々が離れていくのを実感するたびに、
青春が遠くなるって、思うんだ。
✦君のしょぼいプライドなんて捨てちゃえば最高なのに。
私はもう、疲れてしまったんだ。
君の言い訳とか、君のどうでもいい話とか、
君のしょぼいプライドとか。
だけど、そんな君のことなんて、
嫌いになれないよ。
だって、そんな君でも、
世界で一番、私のことを大事にしてくれているから。
✦いつだって、つらいことはあるよ。
いつもの午後六時を告げるメロディが流れたけど、
このまま、日が沈むまで、
僕と君しかいない公園で話していたいんだ。
すでに、いつもの緑山は、オレンジに染まっているけど、
午後四時のだれもいない教室で見た、
君の涙は過去になりつつあるね。
だけどね、君の傷はまだ癒えてないことくらい、
わかるよ、僕だって。
✦末期のTikTok中毒だから、最高の青春なんだよ
大人になりきれない私たちは、
末期のTikTok中毒者で、
透明なお皿のなかにたくさん、
カラフルなグミを入れ、
サイダーを入れたりして、
最高に透明感100%な時間を作り上げて、
爆笑するだけだよ。
だけど、仕方ないじゃん。
これが私たちの青春で、今が最高に楽しいんだから。
✦大人になるのは気になるけど
冬も、夏もはしゃぎすぎるのは、
きっと、青春のど真ん中を今、走っているからだと思うけど、
いつか、今を振り返ったとき、
寂しさを感じたときが、
きっと、大人になったときだから、
それまで、今のテンションを維持したまま突っ走りたい。
☆秘めた気持ちを教えて。
君の小指のピンキーリングが、
夏の始まりの日差しでイエローゴールドに輝いている。
テラス席で僕と向かい合って座る君は涼しげなのに、
たまに寂しく微笑む君は何かを秘めているような気がした。
だから、僕は素直に悩みを聞くと、
君は少し驚いた表情をした。
☆夕立が止んだら生まれ変われる。
胸が痛んでいる君と一緒に教室から、
外の世界をぼんやり眺めている。
君が泣き止んだのと同じころに、
夕立は一気に止み、
濡れたアスファルトがオレンジ色に輝いていた。
最近、ついていない君だけど、
きっと、これからいいことがある予兆だよと、
ありきたりに励ましたけど、
君の頬は淡いオレンジをわずかに反射したままだった。
☆真面目な君が好きだよ。
「真面目ってよく言われるのけど、好きじゃないんだ」
そう言ったあと、君は僕の数歩先を歩き、
そして、立ち止まった。
夜空を見上げて、
君はそっと両手を広げた。
僕はそんな君をただ眺めることにした。
別に何かが降ってくるわけではないのはわかっている。
だけど、君は何かを受け取ろうとしているように見えた。
夏に雪乞いをするような君は真面目すぎるよ。
☆君の言葉が耳に残ったままだ。
この気持ちが破裂しそうなくらい、
君のことが忘れられないよ。
夜更けに君のことを思いながら、
「一度立ち止まってみようよ」って言われた意味を
ベッドの中で考えると眠れないや。
★夜は深まる
夜のスタバで君とのおしゃべりは尽きなくて
明日なんて、
もう、どうでもよくなってきた。
君の悩みを祈って、
そっと夢に変えてあげるよ。
限定のフラペチーノは
もう、とっくに空になってるけど
そんなのどうでもいいよ。
君との笑いが尽きないから
明日から、君が上手くいけば、
それでいいよ。
★上の空
君へ想いが伝えられず、
上の空のまま、
ぼんやり一日が過ぎていく。
マグカップのココアをスプーンで渦を作る。
湯気は夢みたいに弱く立ち込む。
そろそろ深い関係になりたい。
上の空のまま、
ぼんやりと憂鬱な恋の打開策を探すよ
わかってるよ。
答えなんてさ。
シンプルに気持ち伝えるだけだなんだよ。
★リフレイン
あの思い出を遡るよ。
この瞬間にタイムスリップして、
やり残した気持ち、
君に伝えてキュンとしたいね。
街にいつの間にか増えたスタバのように
優しい気持ちで美味しい思い出増やそうね。
いつの間にか、すれ違う。
二人だけの時間がなくなる。
そんな繰り返しを二度としない。
そのためのワープだよ。
✦夏夜も君に会いたかった
もし、タイムスリップできたり、
願いを叶えられるとしたら、
街が寝静まった今、君に会いたいなって、
思っていると頭がぼんやりしてしまうよ。
叶わない恋の小説を読んでいるうちに、
夏夜は、どんどん深くなっていくけど、
君からの連絡は未だに来ないんだ。
だけど、もし、君と今の瞬間、
この夏夜を共有できたら、
きっと、好きだってことを伝えられる気がするんだ。
だから、今日も部屋の窓から、
君の病院のほうを眺めているよ。
・I can’t get over you - 君のこと、忘れられないよ -
夕暮れの公園で、君が突然、泣き始めたあの日は、
もう、相当前の思い出になってしまったけど、
「寂しすぎて、つらい」って言ったことは、
今でも簡単に脳内で再生できるよ。
あのあと、もっと君のことをしっかり見ていたら、
今頃、どうなっていたのかって、
夜にふと思い出すことがあるんだ。
今でも、君のこと、忘れられないよ。
♪I Have Nothing - 私には何もないけど -
提出物があったことすら、忘れているくらい、
少しだけ抜けている君のことが好きになったよ。
笑顔でごまかそうとする、その仕草が好きすぎて、
私は無意識に君のことをフォローしたくなるんだよ。
だから、目が離せない君のことを離したくないな。
君の抜けているところくらい、
私がしっかりとフォローしてあげる。
それ以外、私には何もないけど。
・head over heels for - 一目惚れすぎる -
初めて君と出会った瞬間から、
どうしてかわからないけど、
初めてじゃないような気がしたよ。
それだけ、私にとって、
君という存在は私の心を揺らしているよ。
きっと、世の中はこれのことを、
一目惚れって処理するのかもしれないけど、
私にとっては、それ以上に君の存在が衝撃的だったんだよ。
✾前に進めないや
コンプレックスのすべてを受け入れてくれる
君とはなぜか、上手くいかなかった。
冬は寒いまま過ぎていき、
春が始まっても寒いままで、
たまに怒るロマンスも君以上の人はいなくて、
どうしても君と比べてしまうよ。
もし、パラレルを選べるとしたら、
パステル色の中で冷静にドキドキしたい。
もし、夏までに前を向けなかったら、
すべて君の所為にしてもいいよね?
✾君にエールなんてダサいから、そっと、君のこと肯定する
君と抜け出した夜は、
何もかも絶望的に思えて、実は希望的で、
薄暗い公園の角で手を繋いだまま、
無数の瞬く星をしっかりと眺めている。
「世界なんて終わればいいのにね」って
ポツリと君が言ったから、
それも悪くないかもなって思った。
だけど、君と一緒にいられなくなるのは嫌だなって、
ちょっとだけ、ほろ苦くなった。
もし、目の前に星が落ちてきたら、
素直にサヨナラを言ったあとに、
また来世でねって付け加えよう。
だけど、今はこんなに平穏なんだから、
明日から、また君が生きれるように
今は静かに励ますよ。
【シークレット書き下ろし 24.12.04】
🐑一緒だけど寂しいのは夜の所為
君と一緒に夜の住宅街を歩くのは少しだけ寂しいよ。
なんでだろうね、一緒にいるのに。
ただ、そんなことを口に出すと、
きっと、引かれるだろうから、
私はそのまま、君と手を繋いだまま、
小さいパフェを買いにローソンへ向かう。
🐑甘すぎるくらい君への気持ちが溢れる
君が涙を流すたびに、
君を全肯定したくなっちゃう僕は、
君に甘すぎるくらい、
君のことが大好きなんだよ。
🐑足りないくらいがって言うけど
足りないくらいがちょうどいいって言うけど、
満たされなくちゃ嫌なの。
だって、キラキラした外で、
寂しさを抱きながら生きてきたんだから、
今すぐ、満たしてほしい。
🐑揺れているよ
蜃気楼のなかでビルが揺れるみたいに、
君への想いは日々、積み重なり揺れているよ。
どんなにメッセージを繰り返し、
夢のなかで何度も君と会っても、
いまだに君との距離は縮まらないね。
ねえ、はやく振り向いてよ。
🐑嘘つく君は弱い
「もう、大丈夫だから」って嘘をつく君を抱きしめた。
グラスに注いだ炭酸が徐々に抜けるみたいに、
君は静かに肩を震わせて、泣き始めた。
我慢していたんだね。
君は強いようで、弱いことを知っているよ。
さあ、もっと泣いていいよ。
🐑最近は夜も楽しめない
疲れた日々を癒やす暇すらないくらい、
ここ最近は忙しいよ。
いつもなら、大好きな夜も、
ここ最近はあっという間で、
もう、辞めてしまいたいって、
ふと、思ってしまうよ。
ただ、今は頑張りどころだから、
あと、もう少し、もう少しって自分を励まして、
明日も乗り切るよ。
🐑現実逃避できるけど
イエローゴールドのピンキーリングが、
午前中の日差しを反射して、白いテーブルに、
弱いプリズムを作っている。
テーブルに転がったままの、
シャープペンと、青色の蛍光ペン。
窓越しに忙しそうな街を眺めながら、
今しなければならないことを少しだけ放棄している。
iPhoneを取り出して、
TikTokを観てしまえば、あっという間に現実逃避できるけど、
せめて、それだけは我慢しよう。
未来の自分のために。
🐑ソーダ越しの君
テーブルに頬杖をつき、片手に持っているソーダ水越しに君を見る。
君は、そんな私のことを笑っていた。
グラスと、ソーダ水の泡と、赤いストロー、そして君。
いいよね、君は悩みがなくて。
って少しだけ嫌味が心の中にでたあと、
いけない、今日は今抱えているストレスを忘れるんだったんだと思い返し、
姿勢を元に戻して、私はストローを咥えた。
🐑今がもう嫌だ!
レモンをそっと炭酸に絞るように、
退屈な日常が爽やかになればいいのに。
退屈はもう嫌だ! って叫びたい日々だけど、
いつか、笑いながら、スキップできる日がくるって、
心のどこかで勝手に思い込んでいる自分を褒めてあげたい
🐑たまに鬱屈するけど
今まで生きてきたのは、間接的にも、
直接的にも、無数の人たちが私と関わってくれたからだ。
たまに鬱屈するときもあるけど、
そんなときは、大丈夫、大丈夫って自分に言い聞かせて、
悪いことのあとはいいことがあるって、信じることにしている。
だから、こんな何気ない日常にも、
私はすべての人に「ありがとう」って大きな声で伝えたい。
【最後に「ありがとう」と「これからもよろしくね」】
最後の最後にたどり着いてくれた人、本当にありがとう!!
シークレットを見つけて、
さらにこの文章を見つけてくれた人、本当にすごいと思う!!
そして、いつも読んでくれて本当にありがとう!!
すごい嬉しいんだよ、読んでくれて
そして、1ページにしてごめん!
読みにくくなってるよね、
このメッセージを隠したい&多くの人に読んでもらいたくて、
渋々その選択だったんだ、許して!
いつもは、人見知りだし、自分を出すのがいまいち苦手だし、
その癖に目立ちたがり屋で、誤解されやすい気質で、
人間関係で絡むのは下手だし、コメ返だって苦手だから、
結局、リスク回避のために敬語でガチガチに固く話すけど、
ここでは、今回だけ、
こっそり素の自分に近い状態で、フランクに話すね!
このメッセージ終わり、ほかの発信のときは、またいつもの敬語文に戻るよ
2020年にTwitterで始めた詩を書くこと
それを続けて、もう4年以上で、
2025年で、もう5年も経つなんて自分でも信じられないね、ホントに
いつの間にか、Xになったけどさ、
この5年近く、やることは変わってないなって思うと、
いつも支えてくれているみんなのおかげだと思う!
エモーショナルが注目されて、
ブームになってもうけっこう経って、
そのブームに乗らせてもらってよかったと思ってるんだ
たぶん、「エモい」って言葉が生まれてなかったら、
こういうの書かなかったもん
それで、この5年で我ながら思ったより、書けるようになったとも思うんだよね
長編小説とか、書ける気がしなかったし、
短編小説も苦手意識あってさ、小説ってめっちゃムズいじゃんって思ってた
だけど、詩は書くハードルも低かったから、
さささって書きやすかったなぁ
最初の3か月経ったときとか、ネタ切れじゃん! これって思った時期もあったり、
低浮上気味だったときもあったけど、
大好きな村上春樹さんがなにかのインタビューのなかで、
「人が書きたいことは5つしかない」っていう海外の詩人の言葉を引用しながら、
そんなこと言ってたんだよね
そっか、新しいものとか、求めなくていいんだって、
そこで開き直ってから、よし、とにかく、Twitterで毎日投稿するぞ! って気合入れ直して、
そこから本腰いれて書いた
そしたらさ、3年近く、ほぼ毎日投稿できるようになったんだよね
Xになってからは、有料課金して、インプレッションを意図的に増やして、
読んでもらってもなって気持ちと、
強い言葉が優位になるアルゴリズムに冷めちゃったところがあるのと、
本を書くこととか、本の宣伝するためのTikTokに時間取られちゃったのもあって、
無理して毎日投稿するのは、やめちゃった
でも、この毎日投稿は無駄じゃなかったと思う
もちろん、詩が入った2冊の本と、
2冊の短編アンソロジーを出すことが出来たっていうのは、
自分のなかで、すごく大きいけど、
大した書けなかった自分が書けるようになったことも嬉しいから、
そういう意味で糧になったなって思うよ
今回のこの詩集は、20年5月~24年9月くらいまでに書いた、
ほぼ全部の詩を詰め込んだら、どうなるかなって思って作ってみたよ
X、note、そしてノベマ!で書いた詩を全部、詰め込んでみた笑
たぶん、この量の詩を書いてる人って、あまりいないんじゃないかなって、
勝手に思ってる笑
これは、今までの自分、よく頑張ってるよっていう、
自分へのご褒美的な面もあるんだ
この文字数、詩を書き続けたんだから、きっとこれからも大丈夫だよっていう、
ささやかな自分への根拠のつもりで
もともと、純文学書きたくて、何回も純文学系の新人賞に応募してたんだ
だから、リズム感とか、文体ばかり気にする感じに、いつの間にかなってた
あと、風景描写もけっこう大切にしてる
風景描写は詩で鍛えられた。蜃気羊の詩は、できるだけイメージしやすく、
わかりやすいようにするために、
風景描写 → 一人称(私、僕、自分など)で主人公の心理描写 → その心がふと変わる瞬間のできごと
この順番で書いている
あくまで、これは基本形で、最近は、その形を崩して、
よりダイレクトに心に伝わりやすいように実はしてる笑
あとは、印象に残る強い言葉をしっかり入れる
そんな感じで、蜃気羊の文章はできているよ!
だから、蜃気羊の文章は、リズム重視で、長い地の文によくなる
それは、一文一意(一文で1つの意味にする)じゃないから、
わかりづらいって言われることが多いけど、それでいいと思ってる
だって、踊ってるような文章じゃないと楽しくないじゃん!
もちろん、小説には、ストーリーを楽しむという要素があるけど、
映画とか、ドラマとか、コミックとか、アニメとかと違って、
小説は文字しかないから、
それを追っていくのに、踊ってる文章じゃなかったら、
個性ってだせなくない? って思うし、
そのストーリーは、小説の意味があるのかなって思ってしまう
だから、リズム文体を極めてるつもりだし、
小説のなかで、誰も使ってないような流行言葉をガンガン使うし、
なんなら、日本で初めてその言葉が出てくる小説、詩にすることを意識してる
だから、その言葉やリズムで句切りのない、地の文のところは、
間接的に、遠回りで意味がわかるように補足している
あと、難しすぎる漢字、熟語は使わないで、
話し言葉で書くことを意識してる
あと、詩と小説で気をつけてることは、
使うものに気を払ってるんだ
蜃気羊の文章に和風なものがあまり存在しないのは、
その所為でもあるんだ
例えば、『ごはん』『のり』『寿司』とか、
日本食は極力出さないようにしている
だから、けっこうな確率で洋食になってる笑
『こたつ』『たたみ』『着物』とか、
和物もでてこない
さらに差別化をするために手垢がついた演出はめったにやらない
『お祭り』『浴衣と花火』『神社で待ち合わせ』とかそういうものだ
あと、『パチンコ』とか、『競馬』とか、そういうのも基本だしてない
小説って究極言っちゃえば、
すべての使っている言葉で、文章の印象と、世界観が決まると考えている
だから、カタカナにしたり、70年代以降のPOPカルチャーのかっこいい言葉を使えば、
雰囲気は出ると思う
コンビニは大衆的なセブンイレブンじゃなくて、ローソン、ファミマにするとか
ダイソーじゃなくて、セリア、スリコにするとか
ガストじゃなくて、サイゼにするとか
スマホじゃなくて、iPhone、Galaxy、Google Pixelにするとか
最近はTikTokが文化の主流になりつつあるから、
TikTokの流行りとかも、ためらいなく入れる
固有名詞は入れたほうがいいと思ってる
訴えられない程度に笑
有名人の人物名は、入れるのが怖いから入れてない
だけど、番組名とか、ブランド名とかは入れていいとおもう
固有名詞を入れるのに大切なポイントはただ、ひとつ
そのブランドのCMになっているかどうか
基本、いいイメージでそのものを使うってことさえ意識すれば、
多分大丈夫だと思う!
例えば、そのブランドを使って、犯罪なる物語とかはNGだよね
そういうときは、素直に『SNS』とか、『スマホ』とか、
そういう書き方にしたほうがいいかも
つまり、リアリズムを追求するところは追求して、
追求しすぎるとちょっと違うなってところは、追求しないようにしてるよ!
あ、いっけなーい。
創作論、話しちゃった笑
でも、いいじゃんって思うけどね
これ、単品の記事にすると、どうやら角が立つみたい笑
その偏った考え方の所為で、
欲しい人に適切な情報提供すらできなくなってるんだよねー
あーあ、嫌になっちゃうな
これは余談だけど、
XでのコミュニケーションってTwitter始めたときから、
けっこう苦手で、実はここ最近までコメ返、リプライはしないって決めてたんだ
白状かもしれないけど、そうするしかなかったんだ、
あたたかいコメント送ってくれた皆さん、ごめんない;
こう、言葉で誤解が生まれて、戦うのは苦手なんだ
話を戻すね。
業界全体が下火だから、今こそ、積極的にいろんな人が情報発信したほうが、
絶対いいと思うのに
てか、ほかの業界では情報交換なんてたくさんするじゃんね
なんで、小説の創作界隈だけ、
いがみ合ったり、睨みつけたりするんだろうって思うよ
もう、それはいいや
そんな事情があって、自分のこと、話したくても、
あんまり話せないんだよね、怖くて笑
それでも、たまに発信してみてるのには理由がある!
いま、ネット時代だから、noteとかでは、
ほかの人の参考になればいいなって思って、
釣り気味の強い文章にして、
少しでも多くの人に読んでもらおうと思ってやってるんだけど、
それで誤解されたりするんだよね
まあいいや、なんて開き直ってるけどね笑
まあ、聞いてよ。それには理由があるんだ
もともと、本屋さんでずっと働いてた人間で、
今、どんどんなくなっていってる本屋さんを少しでも救いたいし、
どんどんデビューする人たちが増えたら、
そうした状況が変わるかなって思ってやってるつもり
自分もまだ、新人の身分だけどさ、
少しでも知ったことを共有したほうがいい気がするんだ
もう、生意気だとか言われたり、
立場とか、忖度とか言ってられるくらいの余裕は書店業界にないように感じるし
だから、こんなものがあったらいいなっていう文章をどんどん増やしていきたいって思ってる!
詩でも、小説でも、いろんな文章を
さて、まとめるよー!
これからも、書ける限り書いていくつもりでいるよ
未来なんて、わからないけど、
とりあえず、毎日、ちょっとずつでも書けばいいんじゃないかなって思ってる
書いて、書いて、書く
だから、これからも、読んで、読んで、読んでほしい…!
めっちゃ厚かましいお願いだね笑
本当にいつもありがとう!!
これからもよろしくね!!
2024.12.04 shinkiyoh