「嫌われてはないですよ。毎年、この時期は二週間ほど部屋にこもりきりですから」
は?
「それって大丈夫なのか?」
「毎年、二週間ほど経つと私が部屋から連れ出しています。そうじゃないと、二か月ほど部屋に出てこなかったこともあります。」
(二週間も放置していても水李の体は大丈夫なのだろうか?)
「水李が二週間も何も食べてないのか?」
「そうですね。まずまず、神は三日に一回ほどで食事はいらないんですよ」
なら、まだマシかと安堵するとすかさず伊津夏が「ですが」と話し始める。
「力を使っている中、毎日食事をしないと体はもないはずなんです」
伊津夏の言い方が何か引っかかる。
「じゃあ、二週間も主人を放置してるんだ?」
「・・・一度一週間ほどでやめてもらおうと思い、部屋に入ったことがあるんです」
感情を滅諦に表に出さない伊津夏が目を伏せる。