「付喪神?」
「そ、昨日親戚のお爺ちゃんが話してくれたんだけどね、古いものや長い間大切にされていたら付喪神が憑くんだって」
「付喪神って紙魚かと思ってた」
紙魚とは、幼虫・成虫のどちらも紙類を好んで食べるのが特徴。障子紙や書籍、掛け軸、段ボールなどの紙類が被害を受けやすい。穴が空いたりはしないけど、表面がボロボロになる。
「本を扱ううちとしてはね、、、天敵だよ」
見付けたらすぐに蒸したジャガイモを一晩置いとくんだよね。そしたら紙魚がジャガイモに集まってくるからそのジャガイモは勿体ないけど、捨てる。
それから付喪神の話を聞いた。めぐみちゃんは意外にも怖い話とかが好きみたいだった。
「陽茉莉が何時も付けているその根付、古そうだね」
「倉庫にあったのをお父さんが見付けて、お守り代わりに持ってるんだ」
「へ〜!良いじゃん良いじゃん」
「おかえり、陽茉莉ちゃん」
「ただいま〜」
ノアさんが部屋にいる。もう慣れた。うん、人間の適応力って凄い!
「学校、楽しかった?」
「楽しかった」
「そっか、良かった」
通学鞄からワーク達と筆箱を取り出し、机に広げる。
「よし、やるぞ〜!」
「頑張れ、陽茉莉ちゃん」フレーフレーと背後で応援しているノアさん。
そんな決意は毎回、五分後には忘れているのだった。
(あ、ローストビーフのこと聞くの忘れてた)
「ノアさん、文化祭の日のことなんだけど、、、ローストビーフって何で買ってきたの?」
「え!?」
驚いたように固まるノアさん。
「バレてたかー。いや〜、美味しそうに食べていたよね〜」
「うん、美味しかった」
あの時の味を思い出しただけでもお腹が空きそう、、、。
「陽茉莉ちゃんの好きな物はショートケーキだったよね」
「うん!」
ノアさんはお決まりの台詞を口にする。まさか、ショートケーキをマジックで出してくれるのかな!?
そんな期待と裏腹に、ノアさんの手の平にはショートケーキのミニチュア。
「ごめんね、食べ物は出せないんだ」
「そうなんだ、、、」
少しガッカリしながらも、ミニチュアをまじまじと見る。本物をギュッと縮めたような完成度で、同じサイズならどっちが本物か分からなくなりそうだ。
「ノアさんの好きな食べ物って何?聞いたことない」
少し考える素振りを見せながらノアさんは言った。
「僕はそうだね〜、、、何でも好きだよ」
「そうなの?好き嫌いしないなんて健康体だね〜」
「陽茉莉ちゃんの嫌いな食べ物は?」
「レタス、、、」
あれは味がしないから、あまり好きじゃないんだよね、、、。
ふと窓の外に目を向ける。
今日は三日月だった。
「そ、昨日親戚のお爺ちゃんが話してくれたんだけどね、古いものや長い間大切にされていたら付喪神が憑くんだって」
「付喪神って紙魚かと思ってた」
紙魚とは、幼虫・成虫のどちらも紙類を好んで食べるのが特徴。障子紙や書籍、掛け軸、段ボールなどの紙類が被害を受けやすい。穴が空いたりはしないけど、表面がボロボロになる。
「本を扱ううちとしてはね、、、天敵だよ」
見付けたらすぐに蒸したジャガイモを一晩置いとくんだよね。そしたら紙魚がジャガイモに集まってくるからそのジャガイモは勿体ないけど、捨てる。
それから付喪神の話を聞いた。めぐみちゃんは意外にも怖い話とかが好きみたいだった。
「陽茉莉が何時も付けているその根付、古そうだね」
「倉庫にあったのをお父さんが見付けて、お守り代わりに持ってるんだ」
「へ〜!良いじゃん良いじゃん」
「おかえり、陽茉莉ちゃん」
「ただいま〜」
ノアさんが部屋にいる。もう慣れた。うん、人間の適応力って凄い!
「学校、楽しかった?」
「楽しかった」
「そっか、良かった」
通学鞄からワーク達と筆箱を取り出し、机に広げる。
「よし、やるぞ〜!」
「頑張れ、陽茉莉ちゃん」フレーフレーと背後で応援しているノアさん。
そんな決意は毎回、五分後には忘れているのだった。
(あ、ローストビーフのこと聞くの忘れてた)
「ノアさん、文化祭の日のことなんだけど、、、ローストビーフって何で買ってきたの?」
「え!?」
驚いたように固まるノアさん。
「バレてたかー。いや〜、美味しそうに食べていたよね〜」
「うん、美味しかった」
あの時の味を思い出しただけでもお腹が空きそう、、、。
「陽茉莉ちゃんの好きな物はショートケーキだったよね」
「うん!」
ノアさんはお決まりの台詞を口にする。まさか、ショートケーキをマジックで出してくれるのかな!?
そんな期待と裏腹に、ノアさんの手の平にはショートケーキのミニチュア。
「ごめんね、食べ物は出せないんだ」
「そうなんだ、、、」
少しガッカリしながらも、ミニチュアをまじまじと見る。本物をギュッと縮めたような完成度で、同じサイズならどっちが本物か分からなくなりそうだ。
「ノアさんの好きな食べ物って何?聞いたことない」
少し考える素振りを見せながらノアさんは言った。
「僕はそうだね〜、、、何でも好きだよ」
「そうなの?好き嫌いしないなんて健康体だね〜」
「陽茉莉ちゃんの嫌いな食べ物は?」
「レタス、、、」
あれは味がしないから、あまり好きじゃないんだよね、、、。
ふと窓の外に目を向ける。
今日は三日月だった。