「こいちゃん! こいつ、せつなじゃないのか?」
「先生、この写真の人達は誰なんですか?」
浩志と優は、机の上に身を乗り出すようにして、困惑気味の小石川に詰め寄った。
そんな2人を、小石川は、自身も混乱してはいたが、とりあえず宥めすかす。
「俺だって、何が何だか。まぁ、とりあえず、落ち着け」
「だって、こいちゃん! せつなの事は知らないって……」
小石川の言葉など全く聞かない浩志は、混乱した気持ちのままに言葉を吐き出し続ける。そんな浩志を、隣に座る優が、彼の腕を掴みながら、制す。
「ちょっと、成瀬。一旦、落ち着いて。小石川先生は、知らないなんて、言ってないでしょ! この学校に、《《せつなさんはいない》》って言っただけ。先生は、せつなさんについて何か知ってるわ。ね、そうでしょ? 先生」
最後は小石川に向けて言うと、先を促すように、優は小石川をじっと見つめた。彼女の言葉に、浩志も、はっとしたように小石川を見る。2人に見つめられて、小石川は、はぁと深くため息を吐くと、何かを決意したかのように1つ頷いてから、口を開いた。
「ここ、日付を見てみろ」
そう言って、小石川は、校内新聞の最上部を指でコンコンと叩き、指し示す。2人は言われたとおりに、日付を確認する。そして、2人そろって眉根を寄せた。
「……これは、15年前まで、高等部に存在していた新聞部の記事だ。新聞部は廃部になってしまっていたが、運よく、記事のスクラップが図書館に保管されていたので、借りてきた」
そう説明する小石川に、優は、不思議そうに確認する。
「どうして先生は、この記事に、私たちが探しているせつなさんが載っているのを知っていたのですか? と言うよりも、どうして先生は、この記事の存在を知っていたのですか?」
優の息つかぬ質問に、小石川は少し気まずそうな表情を見せながら、もう1人の男子生徒と肩を組み、やんちゃな笑顔でピースサインをする、モノクロ写真の中の少年を指した。
「……ここに写っているのは、俺だ」
「えっ? こいつ? こいちゃんなの? こいちゃん、ここの卒業生なのかっ?」
浩志は、小石川の言葉に、写真を指差しつつ、小石川と写真を見比べる。
「おい、成瀬。先生に向かって、こいつはないだろ」
「ああ。ごめん。え? でも、本当にこいちゃんなの?」
浩志は、頭に手をやり、しまったという顔をしながら、軽く小石川に謝る。
「先生、この写真の人達は誰なんですか?」
浩志と優は、机の上に身を乗り出すようにして、困惑気味の小石川に詰め寄った。
そんな2人を、小石川は、自身も混乱してはいたが、とりあえず宥めすかす。
「俺だって、何が何だか。まぁ、とりあえず、落ち着け」
「だって、こいちゃん! せつなの事は知らないって……」
小石川の言葉など全く聞かない浩志は、混乱した気持ちのままに言葉を吐き出し続ける。そんな浩志を、隣に座る優が、彼の腕を掴みながら、制す。
「ちょっと、成瀬。一旦、落ち着いて。小石川先生は、知らないなんて、言ってないでしょ! この学校に、《《せつなさんはいない》》って言っただけ。先生は、せつなさんについて何か知ってるわ。ね、そうでしょ? 先生」
最後は小石川に向けて言うと、先を促すように、優は小石川をじっと見つめた。彼女の言葉に、浩志も、はっとしたように小石川を見る。2人に見つめられて、小石川は、はぁと深くため息を吐くと、何かを決意したかのように1つ頷いてから、口を開いた。
「ここ、日付を見てみろ」
そう言って、小石川は、校内新聞の最上部を指でコンコンと叩き、指し示す。2人は言われたとおりに、日付を確認する。そして、2人そろって眉根を寄せた。
「……これは、15年前まで、高等部に存在していた新聞部の記事だ。新聞部は廃部になってしまっていたが、運よく、記事のスクラップが図書館に保管されていたので、借りてきた」
そう説明する小石川に、優は、不思議そうに確認する。
「どうして先生は、この記事に、私たちが探しているせつなさんが載っているのを知っていたのですか? と言うよりも、どうして先生は、この記事の存在を知っていたのですか?」
優の息つかぬ質問に、小石川は少し気まずそうな表情を見せながら、もう1人の男子生徒と肩を組み、やんちゃな笑顔でピースサインをする、モノクロ写真の中の少年を指した。
「……ここに写っているのは、俺だ」
「えっ? こいつ? こいちゃんなの? こいちゃん、ここの卒業生なのかっ?」
浩志は、小石川の言葉に、写真を指差しつつ、小石川と写真を見比べる。
「おい、成瀬。先生に向かって、こいつはないだろ」
「ああ。ごめん。え? でも、本当にこいちゃんなの?」
浩志は、頭に手をやり、しまったという顔をしながら、軽く小石川に謝る。