(3年前)
『みにゃあ! みにゃあ!!』
『生まれたか!?』
『オースティン様! まだ呼んでいませんよ!!』
『勝手に来られては困ります!!』
『う、す、すまない。だがしかし!!』
『もう、あなたったら。ほら、可愛い男の子よ』
『本当か!!』
『はぁ。私達の、いえ、森の長ともあろうお方がそんなに慌てて。無事にお生まれになりましたよ』
『ですがまぁ、今回は予想外の出産でしたからね、慌てても仕方がないのかと。ですが良いですか、あまり騒がれないようお願いしますよ』
『そうか、そうか、男の子か。まぁ、どちらが生まれても構わないが。本当の生まれたんだな!!』
『オースティン様!!』
『お、おう、すまない。……可愛いな。君にそっくりの本当に可愛い子だ』
『でもあなたにも似ているわよ。イーライは目元は私で、口元はあなたに似ていたけれど、この子は反対に目があなたで、口元が私に似ているわ』
『ああ、そうだな。いやしかし、本当に無事に生まれてきてくれて良かった。何しろ予定よりもかなり早い出産だったから。君と子が無事で良かった』
『本当、生まれてきてくれて良かったわ』
『だが、これからがやはり大変だな。こんなに小さくては、気をつけて育てなければ』
『そうね、私もそれが心配だわ』
『イーライにもしっかり伝えておかないと。いつもの調子でこの子の相手をされたら大変だ』
『大丈夫よ、あの子はちょっと元気が良すぎるところもあるけれど、その辺はちゃんと分かっているもの』
『はははっ、どうだかな。君がいない間どれだけの物を壊したか』
『それはそれよ』
『父ちゃん!! 母ちゃんと赤ちゃんは!!』
『ふっ、話しをした思ったら。待っていろと言っておいたのに』
『あら、あなたも同じじゃない。誰もまだあなたを呼んでいなかったはずだけれど?』
『……イーライを来させても大丈夫か?』
『ええ、大丈夫ですよ。ですが話しは少しに、パメラ様とお子様にはゆっくりしていただかなくては』
『わ、分かっている。さっきは心配しすぎて、思わず来てしまっただけだ。イーライ!! 来て良いぞ!! だが静かにな!!』
『父ちゃん!!』
『こら!! 静かに来るように言っただろう!!』
『でも父ちゃんは、さっきは戦う時よりも早く走ってここに来た』
『父さんは良いんだ!』
『あなた、その話しは後にして。さぁ、イーライ、あなたの弟よ。とても小さい子だから、そっとそっと接してあげてね』
『みにゃあ、みにゃあ!』
『……、……オレの弟?』
『ええ、そうよ。可愛いでしょう?』
『……小さい』
『そう、この子はね他の子よりも小さくて、少しだけ弱く生まれてきてしまったの。でも声を聞いて? とっても元気でしょう? もう少し大きくなれば、あなたともいっぱいいっぱい遊べるわよ。だけどそれまでは、ゆっくりそっと接してあげてほしいの。そうしないと怪我をしてしまうかもしれないから。どう、イーライ? そっとしてあげられるかしら?』
『……オレの弟、……とっても小さい、……怪我しちゃう。うん!! オレ、そっとできる!! オレが弟を守ってあげるぞ!!』
『ふふ、ありがとう』
『母ちゃん、ちょっと撫でるの良い? ぺろぺろも』
『ええ、良いわよ』
『……ふわふわ、クンクン。……赤ちゃんの匂い? えと、初めまして!! オレ、イーライ!! お兄ちゃんだぞ!! オレが守ってあげるからな!! えと、えと、赤ちゃん? ん? 名前? ハッ!? 父ちゃん、母ちゃん!! 名前!!』
『あら、そういえば』
『名前がまだだったな』
『オレ!! オレが考えた名前!!』
『何だ? 名前を考えていたのか?』
『どんな名前を考えていたの?』
『ノエル!!』
『あら、良い名前じゃない』
『何だ、本当にちゃんと名前を考えていたのか』
『ノエル!! 父ちゃん母ちゃんノエルが良い!!』
『どうしようかしら、あなたはどう思う?』
『俺は別に構わないが』
『みにゃあ、みにゃあ! みにゃ? みゃー!! みにゃにゃ』
『あっ!! ノエル笑った!! ノエルが良い?』
『みゃみゃぁ!!』
『あらあら、まぁまぁ。本当に気に入ったみたいね。言葉はまだ分からないはずなのに。あなた、この子も喜んでいるみたいだし、せっかくイーライが考えてくれた名前だから、ノエルでどうかしら?』
『そうだな。今まで泣いていたのに泣き止んで、こんなに元気に笑っているんだから、よほど気に入ったんだろう。よし、この子の名はノエルで決まりだ!!』
『ノエル~、お兄ちゃんだぞ~』
『みみゃ! みみゃ! きゅ~ん!』
『さぁ、そろそろ今日は終わりに』
『もうか? もう少しだけ……』
『先ほども申したはずです。パメラ様とノエル様には、ゆっくりしていただかなければ』
『ハッ!? 父ちゃん! ノエルには優しくそっとなんだぞ!! 母ちゃんもとっても疲れてるんだぞ!! 今日は終わりなんだぞ!!』
『もう、イーライの方がちゃんと分かっているじゃない』
『……イーライに注意されるとは』
『ノエル、また明日来るぞ!! そうしたらお兄ちゃんと遊ぼう!! 母ちゃんさっきもう少し大きくなったらって言ったもん。だからきっと明日になったら、もう少し大きくなってるはず。父ちゃん、ほら帰ろ!!』
『あ、ああ!』
バタバタバタッ!!
『ふふ、さすがに明日は無理ね。まぁ良いわ。明日来た時にノエルを見たら分かるでしょう。それにさっきも、言った通りそっと接してくれていたものね』
『ええ、そうで』
『みにゃ?』
『……ノエル、生まれてきてくれてありがとう。あなたは私達の大切な家族。あなたが元気にすくすく育ってくれるように、しっかり守るから安心してね』
『みにゃあ! みにゃあ!!』
『生まれたか!?』
『オースティン様! まだ呼んでいませんよ!!』
『勝手に来られては困ります!!』
『う、す、すまない。だがしかし!!』
『もう、あなたったら。ほら、可愛い男の子よ』
『本当か!!』
『はぁ。私達の、いえ、森の長ともあろうお方がそんなに慌てて。無事にお生まれになりましたよ』
『ですがまぁ、今回は予想外の出産でしたからね、慌てても仕方がないのかと。ですが良いですか、あまり騒がれないようお願いしますよ』
『そうか、そうか、男の子か。まぁ、どちらが生まれても構わないが。本当の生まれたんだな!!』
『オースティン様!!』
『お、おう、すまない。……可愛いな。君にそっくりの本当に可愛い子だ』
『でもあなたにも似ているわよ。イーライは目元は私で、口元はあなたに似ていたけれど、この子は反対に目があなたで、口元が私に似ているわ』
『ああ、そうだな。いやしかし、本当に無事に生まれてきてくれて良かった。何しろ予定よりもかなり早い出産だったから。君と子が無事で良かった』
『本当、生まれてきてくれて良かったわ』
『だが、これからがやはり大変だな。こんなに小さくては、気をつけて育てなければ』
『そうね、私もそれが心配だわ』
『イーライにもしっかり伝えておかないと。いつもの調子でこの子の相手をされたら大変だ』
『大丈夫よ、あの子はちょっと元気が良すぎるところもあるけれど、その辺はちゃんと分かっているもの』
『はははっ、どうだかな。君がいない間どれだけの物を壊したか』
『それはそれよ』
『父ちゃん!! 母ちゃんと赤ちゃんは!!』
『ふっ、話しをした思ったら。待っていろと言っておいたのに』
『あら、あなたも同じじゃない。誰もまだあなたを呼んでいなかったはずだけれど?』
『……イーライを来させても大丈夫か?』
『ええ、大丈夫ですよ。ですが話しは少しに、パメラ様とお子様にはゆっくりしていただかなくては』
『わ、分かっている。さっきは心配しすぎて、思わず来てしまっただけだ。イーライ!! 来て良いぞ!! だが静かにな!!』
『父ちゃん!!』
『こら!! 静かに来るように言っただろう!!』
『でも父ちゃんは、さっきは戦う時よりも早く走ってここに来た』
『父さんは良いんだ!』
『あなた、その話しは後にして。さぁ、イーライ、あなたの弟よ。とても小さい子だから、そっとそっと接してあげてね』
『みにゃあ、みにゃあ!』
『……、……オレの弟?』
『ええ、そうよ。可愛いでしょう?』
『……小さい』
『そう、この子はね他の子よりも小さくて、少しだけ弱く生まれてきてしまったの。でも声を聞いて? とっても元気でしょう? もう少し大きくなれば、あなたともいっぱいいっぱい遊べるわよ。だけどそれまでは、ゆっくりそっと接してあげてほしいの。そうしないと怪我をしてしまうかもしれないから。どう、イーライ? そっとしてあげられるかしら?』
『……オレの弟、……とっても小さい、……怪我しちゃう。うん!! オレ、そっとできる!! オレが弟を守ってあげるぞ!!』
『ふふ、ありがとう』
『母ちゃん、ちょっと撫でるの良い? ぺろぺろも』
『ええ、良いわよ』
『……ふわふわ、クンクン。……赤ちゃんの匂い? えと、初めまして!! オレ、イーライ!! お兄ちゃんだぞ!! オレが守ってあげるからな!! えと、えと、赤ちゃん? ん? 名前? ハッ!? 父ちゃん、母ちゃん!! 名前!!』
『あら、そういえば』
『名前がまだだったな』
『オレ!! オレが考えた名前!!』
『何だ? 名前を考えていたのか?』
『どんな名前を考えていたの?』
『ノエル!!』
『あら、良い名前じゃない』
『何だ、本当にちゃんと名前を考えていたのか』
『ノエル!! 父ちゃん母ちゃんノエルが良い!!』
『どうしようかしら、あなたはどう思う?』
『俺は別に構わないが』
『みにゃあ、みにゃあ! みにゃ? みゃー!! みにゃにゃ』
『あっ!! ノエル笑った!! ノエルが良い?』
『みゃみゃぁ!!』
『あらあら、まぁまぁ。本当に気に入ったみたいね。言葉はまだ分からないはずなのに。あなた、この子も喜んでいるみたいだし、せっかくイーライが考えてくれた名前だから、ノエルでどうかしら?』
『そうだな。今まで泣いていたのに泣き止んで、こんなに元気に笑っているんだから、よほど気に入ったんだろう。よし、この子の名はノエルで決まりだ!!』
『ノエル~、お兄ちゃんだぞ~』
『みみゃ! みみゃ! きゅ~ん!』
『さぁ、そろそろ今日は終わりに』
『もうか? もう少しだけ……』
『先ほども申したはずです。パメラ様とノエル様には、ゆっくりしていただかなければ』
『ハッ!? 父ちゃん! ノエルには優しくそっとなんだぞ!! 母ちゃんもとっても疲れてるんだぞ!! 今日は終わりなんだぞ!!』
『もう、イーライの方がちゃんと分かっているじゃない』
『……イーライに注意されるとは』
『ノエル、また明日来るぞ!! そうしたらお兄ちゃんと遊ぼう!! 母ちゃんさっきもう少し大きくなったらって言ったもん。だからきっと明日になったら、もう少し大きくなってるはず。父ちゃん、ほら帰ろ!!』
『あ、ああ!』
バタバタバタッ!!
『ふふ、さすがに明日は無理ね。まぁ良いわ。明日来た時にノエルを見たら分かるでしょう。それにさっきも、言った通りそっと接してくれていたものね』
『ええ、そうで』
『みにゃ?』
『……ノエル、生まれてきてくれてありがとう。あなたは私達の大切な家族。あなたが元気にすくすく育ってくれるように、しっかり守るから安心してね』