妖怪村の異類婚姻譚

 ――朝、目が覚めたら、左腕が消えていた。

 最初は、寝ぼけているのかと思った。何度も目をこすり、左肩を凝視する。
 しかし、いくら見つめていても、肩の先は煙のように消えていて、もちろん指の感覚もない。

 小姫(こひめ)は、しつこいほど頬をつねった。……それでも、腕は現れない。

(……嘘、でしょ……?)

 小姫はようやく悲鳴を上げ、ぽすん、とベッドの上に倒れた。