――朝、目が覚めたら、左腕が消えていた。

 痛みはないが、そもそも腕自体が無い。小姫(こひめ)は何度も目をこすり、それが幻ではないことを確認した。さらには頬をしつこいほどつねってから――。

 ようやくのこと悲鳴を上げ、ぽすんとベッドの上に倒れた。