「嫌だッ嫌だッ」

ああ、この人の泣き顔を何度見ればいいのだろう。

この人自身が覚えてなくても私は覚えてるわけだから、これで5回目か。

「嫌だッ、置いてかないでッ」

子供みたいに目からポロポロと涙を落とす。

だけど、視界がぼやけていく。

ああ、またか。

またこんな顔をさせるんなら、最初から関わらなかったらいい。

次こそは、生き抜いてやる――――。