今日もモキュメンタリーホラー小説の執筆に向けて短編を3本読み、動画を2本(ドキュメンタリー系とゲーム実況系)観た。
 ホラーの雰囲気づくりのために頭の中をホラー脳にしておかないといけないのだが、なにぶんホラー嫌いの身としてはこれがなかなかにしんどい。ううっ。

 そうそう、日曜日の現地調査については、昨日書いた千咲先輩と仲の良かった、満谷先輩(仮名)に話を聞きにいくことができそうだ。
 また私の親友が行方不明になった件について、彼が所属していたサークル(私と彼が所属していたテニスサークルとは別のダンスサークル)のメンバーと、彼のお兄さんに連絡を入れた。ただ二人とも次の日曜は難しいらしいので、その次の日曜になりそうだ。

 よし。ということで、今日はこの辺で。
 また明日も頑張ろう。





















 というのは、さすがにダメ?
 ダメか。
 いや、わかっている。いくらホラー嫌いとはいえ、ちゃんと書くものは書かないといけないということを。
 ホラーを連日に渡って読み、視聴して、考え続けてもはや震えまくっている心だが、頑張ってあの噂を思い出して、しっかり書きまとめておかないといけない。……いけないよなあ。

 さて、さすがに先ほどの数行では全然ダメだと思うので、もう少し追記していく。
 まず満谷先輩というのは、千咲先輩と仲が良く、当時私が所属していたサークルの副会長も務めていた人だ。私はあまり話したことはなかったのだが、人当たりがとても良く、明るくて社交的な人だった。確か、いなくなった私の親友とも馬が合っていたようで、飲み会の時はよく絡み合っていたのを覚えている。
 現在は東京のほうで不動産関係の職に就いているらしく、受け持っていた仕事がひと段落ついたので有休をとって地元に数日帰ってくるそうだ。そんな貴重な休みに私の取材もどきを受けていただくのはとても申し訳ないのだが、そこはさすがの満谷先輩ということで快諾してくれた。イケメンすぎる。
 千咲先輩のこともさることながら、私の親友の行方不明の一件についてもいろいろご教示いただこうと考えている。

 またその行方不明事件に関して何か知っていそうな、心当たりのある数人に連絡を入れてみた。
 その中でも、先ほど記述したダンスサークルに所属していた人(仮に加藤さんとしておく)と、親友のお兄さんである智也さん(こちらも仮名)が当時のことをいろいろと覚えているようだったので、詳しい話を直接聞かせてもらうことになった。二人のことについては後日改めて書いていきたいと思う。
 そのほかにも、メッセージでやりとりをした人の中には気になることを言っている人もいたので、もう少し訊いてみたうえでこちらについても後日まとめておきたい。

 そして今日は、気になっている残り二つの噂話のうち、ひとつについてはまとめておかないと。
 どちらもミステリーというよりは完全にホラーな話なので、私個人としては本当に書きたくない。誰か代わりに書いてくれないだろうか。(誰かって誰だ。)


 今日まとめておきたいのは、「隠れ鬼」に関する噂話だ。
 ここでいう「隠れ鬼」というのは、世間一般に広く浸透している「かくれんぼ」と「鬼ごっこ」を組み合わせた、子どもの頃にしていた遊びのことだ。知っている人も多いと思うが、本日記に目を通していただいている方たちの中には知らない人もいるかもしれないので、念のためルールも以下に書いておく。

【「隠れ鬼」の基本ルール】
・最初にかくれんぼと同じく鬼を決める。
・鬼以外は、鬼が時間を数えている間にどこかに隠れる。
・鬼は時間を数え終わったら、隠れている参加者を見つけにいく。
・鬼は参加者を見つけたら、鬼ごっこの要領でその参加者を捕まえにいく。
・捕まった場合は、その捕まった参加者が次の鬼になる。

 これ以外にローカルルールも多数あるらしく、私のいた地域では鬼が参加者を見つけた場合、かくれんぼと同じく「みーつけた」と見つけたことを言葉で示すことになっていた。(調べた限りでは、「みーつけた」と言わない場合が多いらしい。)

 そしてここからが本題なのだが、親友が行方不明になった当時、小学生くらいの子どもたちが行方知らずになる事件が数件起きていて、その子どもたちはこの「隠れ鬼」をして遊んでいたらしい、という噂が流れていたのだ。
 噂の内容もいろいろと不可解で怪しげなものが多く、

「参加者とは別に、『隠れ鬼』という本物の怪異が紛れ込んでいたらしい」
「隠れている時に、本物の隠れ鬼に見つかり捕まると攫われる」
「お墓の見える場所で、お墓に背を向けて隠れると連れて行かれる」
「本物の隠れ鬼は前髪の長い子どもの姿をしており、朱色に染まったボロボロの服を着ている」
「本物の隠れ鬼は獲物を見つけた時に、『みーつけた』のほかに、『お逃げーなさい』と言うらしい」
「本物の隠れ鬼は獲物を追いかける時に、『ほーらはやく。お逃げーなさい』と繰り返し唱えてくるらしい」
「本物の隠れ鬼に連れて行かれると、連れて行かれた先でもう一度隠れ鬼をやらされ、逃げ切った場合は元の場所に戻れるが、捕まった場合は食われてしまうらしい」

 などといったことがささやかれていた。

 この噂についても、真偽のほどは定かではない。
 ただ、いかにもなホラー話だし、信ぴょう性は低いように思われる。(というかそうであってくれ。)
 一方で、大人である大学生が、このような子どもじみた噂をしていたことはどことなく不思議ではある。発信元もわからないし、それこそ当時私の周りではよくある怪談話の一種みたいなノリで話されていたのだ。

 もっとも、この話の真偽がどうであれ、私の親友の行方不明の一件とはさすがに関係ないと思っている。
 あくまでもこの話は「隠れ鬼」で遊んでいることが前提にあるし、子どもならまだしも、いち大学生が「隠れ鬼」をして遊んでいた可能性はかなり低い。やはり、昨日まとめた闇バイト事件のほうが関係はありそうだ。その意味でも調査する必要はないと思っているのだが、ひとつだけ気がかりなことがあるのだ。

 それは、「隠れ鬼」のできそうな広さのある場所で、噂にあるような「お墓の見える場所」が、親友が住んでいたアパートの近くにある、という点だ。

 さすがに違うと思う。これだけでは、やはり弱い。
 しかし、明後日の日曜日に現地を軽く見ておきたい気持ちもあるのだ。
 現地を見て回り、後日ダンスサークルに所属していた加藤さんや親友の兄である智也さんに、合わせてこの話についてもいろいろと訊いて、やはり関係なかったのだと心の中で確証付けておきたい。それに、この手の話はホラー感がかなり強いので、モキュメンタリーホラー小説の題材としても申し分ないだろうし。

 以上が、今私が気になっている噂話の二つ目だ。
 よし、まとめ切った。よくやったぞ、私。

 明日は残る最後の噂話について、頑張ってまとめてみよう。
 そちらもホラー感満載の話なので、正直気は進まないのだが。
 のめり込むように物語を読んでいたら怪異に連れ去られる、なんて話、ありえないだろうし。