「なにって、キス」
ほら。私の予想通り。
しかも、悪びれる様子もない声で言われた。
だから...........................
「そっ!そんなシンプルに言うな‼︎」
思わず、勢いのまま声を荒げると。
「んー、じゃあ、接吻?」
「............なんか、論点ズレてない?」
まぁ、例のごとく会話が成立しない。
「気のせいじゃない?」
「...............、ノーコメントで!」
利久は言葉の使い回しが上手くて。
頭の回転も凄く早くて、
私なんか、すぐ返す言葉もなくなってしまう。
私の心なんか、すぐに捕まえて、
余計なことを考える隙も与えない。