だけど。



「目立つからって、
涙を止めたい、まで考えますか?」



先輩の言葉を聞いて、
反射的にそう質問すると...............



「それに、水面ちゃんかわいーし」

「〜〜っ、それはっ、余計ですっ!」



頬が赤くなっちゃうようなことを言う先輩。



(こんな感情は、たぶん、初めてだっ、)



心の中でそう思っていると。



「ははっ。まぁ、そーかもね?
でもさ、水面ちゃん、笑って良かった」



そう言って、私の傘に入ると、
ポンッと頭に手を乗せてくれた先輩。



「〜〜っ、」



今まで1人でいたから、
優しい夜島先輩と話したのは初めてだけど。



『きみが泣いてたら、涙を止めたい』



そう言ってくれた先輩に抱いたこの感情は。



──────たぶんきっと〝恋〟だ。





fin.