「本当だよ!でもなんか二人が付き合ってるって言われても、ピンとこないんだよね…。あ、悪口とかじゃなくて!ちょっとした疑問って感じなんだけど」


「それ私もわかる。なんか違和感あるよね」



…しまった。こっちもついてくるべきじゃなかったかも。



「あ、あははーそんなことないけどなぁ?まあたしかに私が及川くんと付き合うなんて最近まで想像もしてなかったよ」



うまい言い訳も見つからず、適当に笑い流すことにする。


やっぱり及川くんが私にゾッコンという設定は考え直す必要があるな…。



そんなことを考えていると、彩美の小さな悲鳴が聞こえてきた。



「あ、ごっめーん。手が滑っちゃって」



大学生くらいの男の人二人組に謝られている彩美の胸元が、水をこぼされたのか濡れてしまっていた。