「…別に。今から帰るとこだけど、なんか用か?」


「今からクラスの暇なやつらで遊び行こーぜってフッ軽で決まってさ。お二人さんもどうかと思って」



宇佐美くんの後ろから心配そうにこちらを覗いている彩美と目が合う。



「加賀さんも行くよな?」


「へ!?あ、えっと、私は雫月が行くなら…」



急に振り返った宇佐美くんに彩美があたふたとしながら答えた。



「あ、じゃあ行こうかな…」


「…俺も」



宇佐美くんが先陣を切って、近くの大人数部屋もあるカラオケに行くことになった。



「及川がこーゆーの来るの珍しいな!やっぱり花村がいるから?」



目の前に座っていた宇佐美くんがタッチパネルで歌を選択しながら、私の隣に座っていた及川くんに話しかけている。