及川くんはきょとんと首を傾げながら「そうだけど」と当たり前かのように言ってきた。



「まだ足りないか?」


「いやいや、十分すぎるっていうか、不自然すぎる!」


「不自然だと?」


「たとえ彼女がいたとしても、クールな及川くんが彼女にデレデレなんてキャラじゃないもん!変だよ!」



及川くんがムッとしたように押し黙った。



「…そう思ってんの、花村だけじゃねぇの?」


「な…っ」


「おまえら何してんの?」



ひょこっと扉から顔を出してきた宇佐美くんに驚いて、思わずびくっとしてしまう。