中学からの親友である、内巻きボブの加賀彩美が心配そうな顔で私の顔を見つめてきた。
「私が雫月に連絡すればよかったよね…。ごめんね」
「いやいや!彩美が謝ることなんて一つもないよ!私がまた忘れちゃっただけ」
鞄から日記帳を取り出して、ペラペラと今日のページを開き“放課後に数学の課題プリント提出”と書き込む。
私は中学二年生の夏に、信号無視をしてきた車を避けた際につまずいてしまい、頭を強く地面に打ちつけた。
一命を取り留めたもののその時に記憶をつかさどる大事な場所である海馬を少しだけ傷つけてしまったらしく、たまに記憶の一部が抜けてしまうという後遺症が残った。
それから日記帳にその日あったことを記録することで、日常生活に支障をきたさないように自分なりに気を遣っているつもりなのだが、さっきまでしていたことを忘れるなんてこともたまに起きるため、かなりマメにメモをしておかないといけなかったりもする。
よく言えば、物忘れが多くなってしまったという感じだ。
この後遺症を物理的に治す方法はないみたいで、私の精神的ストレスで悪くなったりするかもしれないし、いつかふと治っていたりするかもしれないらしくはっきりとしたことはわかっていない。
ただ今のところ日常に困るほどの影響はないため、今はそっとしておこうと病院の先生と親と話して決めたのだ。
「私が雫月に連絡すればよかったよね…。ごめんね」
「いやいや!彩美が謝ることなんて一つもないよ!私がまた忘れちゃっただけ」
鞄から日記帳を取り出して、ペラペラと今日のページを開き“放課後に数学の課題プリント提出”と書き込む。
私は中学二年生の夏に、信号無視をしてきた車を避けた際につまずいてしまい、頭を強く地面に打ちつけた。
一命を取り留めたもののその時に記憶をつかさどる大事な場所である海馬を少しだけ傷つけてしまったらしく、たまに記憶の一部が抜けてしまうという後遺症が残った。
それから日記帳にその日あったことを記録することで、日常生活に支障をきたさないように自分なりに気を遣っているつもりなのだが、さっきまでしていたことを忘れるなんてこともたまに起きるため、かなりマメにメモをしておかないといけなかったりもする。
よく言えば、物忘れが多くなってしまったという感じだ。
この後遺症を物理的に治す方法はないみたいで、私の精神的ストレスで悪くなったりするかもしれないし、いつかふと治っていたりするかもしれないらしくはっきりとしたことはわかっていない。
ただ今のところ日常に困るほどの影響はないため、今はそっとしておこうと病院の先生と親と話して決めたのだ。