「とにかく、疑問を持たせないくらい俺が花村に夢中ってことをみんなにわからせればいいんだろ」


「…え?」



及川くんは私が口を開く前に、合っているのかわからない解釈をして教室に戻ってしまった。


えっと、大丈夫、だよね…?





「花村、それ一口ちょうだい」


「え?」



及川くんは私が食べようとしていたお弁当に入っているミニハンバーグを、返事をする前にパクりと食べてきた。



「ん、んま」


「ありがとう、これ私が作ったやつで…って、勝手に食べないでよ!」



こんな人前で、よくカップルがやる「あーん」をやってしまうなんて…。