「えっと、告白は…」


「俺からだよ」



ぐいっと後ろから腕を引かれ、及川くんの広い背中が目の前に現れた。



「入学式の時に花村に一目惚れしたんだ。その時からずっと花村のことが好きで昨日俺から告白した」


「きゃーっ、いいなー!」


「雫月やるぅ」


「あのクールな及川くんが雫月にはデレってことか…」



マイナスな発言はなかったものの、みんなは及川くんが私にゾッコンという設定に訝しんでいるのはなんとなくわかった。




それはそうだ。


私がサラストのマドンナ的存在の美少女だったらよかったけど、腰まである髪はゆるふわに巻いてるかのような癖っ毛だし顔はまあ軽くメイクするだけでいいくらいの少しは整っているものの、ずば抜けて美少女とかではない。