「録音するよ。準備良い?」
「あーあー、大丈夫」
<普通の日常は、いつまで……続けられる?>
<昨日と今日が、終わって、明…日……は来るのかな>
<毎日、自分の……消費きげ…ん……を考え……てる>
この日は様子がおかしかった。
歌ってる最中に息が続かず息切れを起こしていた。
「まっって、大丈夫?休んだ方が……今日はやめとく?」
喋るときは普通なのに、肺活量を使って歌を歌うのは、声も震えだしてしんどそうだった。
「もう少し……」
<いつ終わっても……おかし……く…ないか、らだ>
見ていられなかった。
それでも見なきゃダメな気がした。
これが、莉乃の本当の姿なんだ。
「やっぱりやめた方が……」
「だめ、今やめたらこれから先も歌えなくなる。
……ゴホッゴホッ…こんな歌じゃ誰の心にも残らないのかな」
莉乃は泣きだした。
「僕が責任もって歌を見届けるよ。すくなくとも、僕の心には響いてる。ちゃんとこの胸に」
「そっか、やっぱりもう少し歌ってみるね」
そう言って何とか歌い終わって、僕が書いたイラストとともにアップロードした。
彼女の体は、終わりへと向かってるんだ。
小さな体で闘ってるんだ。
僕が見守らなくてどうする。
僕が一番そばにいて支えてやらなくてどうする。
やりたいこと一緒に成し遂げるって決めたのはこの僕だ。
彼女は疲れ果てて寝てしまっていた。
「おつかれさま」
僕は莉乃にブランケットをかけてそっと頭をなでた。
愛おしく感じる。
普通の日常はいつまで続けられる?
昨日と今日が終わって、明日は来るのかな
毎日、自分の消費期限を考えてる
いつ終わってもおかしくない この体
明日起きたら体が動かないかも
そんな日々を過ごすのは苦しい
また君から遠ざかる
I want to be by your side.
君は心配するだろうな
この命が尽きるまで 君といよう
タイトルは[命が尽きるその時まで]



