下書き星空の下で、君の願い事を。

「ねぇ、動物園行こうか、部屋の中に閉じこもってたらもったいないよ」

そう言われ、動物園に向かった。

「見て、カピバラいる!桶の中で泳いでるよ、かわいいね」

「珍しいね、カピバラいるなんて」

次々と目に映る物に寄っていく彼女の姿は、子供みたいだった。

まだ未成年の子供には違いないけど、19歳はこんなものなのだろうか。

僕が19歳の頃は、どんなだった…?

思い返しても、いい思い出がない。

専門学校行ってたぐらいしか、思いつくことがない。

ただがむしゃらにイラストを描いていたくらいか。

「ねぇ、あっち行ってみようよ、キリンがいるらしい」

手を引かれて連れ回される僕は、意外と気分がいい。

疲れることは間違いないけど。

「首が長いねー!あんな高いところの葉っぱ食べてるよ。私も首伸びないかな」

「人間が首伸びたらお化けになっちゃうよ」

「それもそっか、確かにそれは怖いかも」

なんて笑い合う僕らは、立派な動物園デートをしている。

七月九日 水曜日 晴のち曇り
今日は動物園に行った。
莉乃にあちこち連れ回されて、正直な話結構疲れた。
少しだけ足が痛む。
筋肉痛みたいだ。自分の体力不足さに苦笑いする。
彼女と出会ってから二ヶ月が経った。
出会ってから半年に彼女の人生は終わりを告げる。
残りの時間は、四ヶ月。
11月の莉乃の誕生日を迎えられるのだろうか。
そういえば、11月のいつが誕生日なのか聞いたこと無かったな。
明日聞いてみよう。