下書き星空の下で、君の願い事を。

僕は始発で電車に乗って、莉乃のもとに向かった。
「莉乃!」

「面会は九時からでお願いし、ちょっと困ります」

そう言って、なかなか看護ステーションから進めずにいると「何の騒ぎ?」と莉乃が病室から顔を出した。

「莉乃大丈夫なのか。あの後連絡ないから心配したんだぞ」

「あー、あのあとね……看護師に見つかっちゃって、ごめんね?連絡できなくて」

何かあったのかと思って心配してた。

あの時言いかけた言葉もホントは気になる。

でも聞かれないようになのか、話をそらして部屋でトランプでもしようと誘ってくる。

「ま、トランプなんて持ってないけど」

なんて病室で言うもんだから、びっくりした。


「ねぇ、八月七日に花火があるんだって、行かない?有料席、実はとれたんだ!私浴衣着てデートしたい」

「僕も浴衣着るの?」

「もちろん、浴衣デート楽しみ、レンタル浴衣できるとこ予約しちゃおうかな。あ、これカップルプランもある!しかも普通にレンタルするより安い、これ予約しちゃうよ?えいっ!あ、メール来た予約受付ましただって」

あっという間に話が進んでしまうことだけが、莉乃についていくのに必死だ。