「じゃ、まずは投稿アカウントを作ろーう!ニートになった栄佑くんに頼みごとがあります」
「え、なに。まだほかに頼みがあるの?」
「パソコン、教えてくんない?わかんなくてさ」
「なんだ、そんなことか」
もっと重大なことかっと思ったら、ただ教えてほしいだなんて。
「何、その反応~もっとすごいことかと思った?ま、パソコンないんだけどね……。お願い、貸して?」
彼女は、両手を絡めて近くに寄ってきたかと思えば、パソコンを貸してほしいと言う。
「どうせ僕が動画作るんだろ、一緒に使えばいいさ」
「そっか、一緒に……。ふふふ…なんか、いいね?初めての共同作業だ」
「初めての共同作業か、僕は初めに何したらいい」
「ん-、私を抱きしめるとか?」
「は、はぁ?」
「なんて冗談。私の活動ネームを考えよう、なんかないかな」
「どんなのがいいの」
「なんか、本名もじって考えるとか。ローマ字でrinoをいじって、rion-りおん-って読むとかどうかな」
「え、いいね。rion......なんかカッコいいと思う」
僕は本当にカッコいいと思ったんだ、名前が隠されてるなんて。
「アカウント作るから早速だけど明日!教えて。動画サイトegaoに投稿するから」
でも、一つ思った。
病院で歌の録音を取るにしては、難しい気がする。
カラオケの録音機能を使えれば、そのままイラストをくっつけるだけで投稿できるが、マイクもなければ音源と歌声を合わせるような編集技術すらない。



