葬式後、水桜のお母さんに呼び出されて、水桜の家に

向かった。

「あの子がね、もし死んだら渡して、って」

水桜のお母さんは、そう言って俺を水桜の部屋に残していった。

俺は、おそるおそる手紙を開く。

『久咲へ

手紙なんて、変な感じだけど私には、時間がないみたいなんだよね~。

自分の体のことは自分がよくわかる。

ねえ、泣いてない?

私が死んで泣いてくれた?

でも、泣いてくれるのはうれしいけど,笑わないのは嫌だな。

ねえ、天国で待ってる。

天国で、久咲の人生の楽しかったこと、話してね。

そのために、いっぱい、精一杯生きてね。

で、来世でも私はまた君に恋をする。

だから、それまで、時間はいっぱいある。

楽しんで、土産のお話を天国で待ってる。

じゃあね、久咲。         水桜より』