「手・・・握って」

俺は、すぐに水桜の手を握る。

「大好き・・・」

「俺も」

そんなの当たり前だ。

俺だって、好きだ。

「でも・・・、私が・・・」

そう言って、彼女の手の力が弱くなっていくのを感じた。

「おい、水桜⁉」

「死んだら・・・」

「死なない!」

俺は、水桜の声をかき消すように叫んだ。

こんな感じで叫ぶのは、二度目だ。

「私さ、もう、長くない・・・。退院なんて・・・、嘘・・・」

とぎれとぎれだけど、ゆっくり話してくれる。

「私・・・、また・・・、来世でも・・・君と恋をしたい・・・」

水桜の頬に涙が伝う。