「あ、ありがとう」

俺は、靴箱のところで昨日の女の子を見つけた。

「えっ、いえ」

「あっ、俺、明日原響」

「私は、濱野柚乃(はまの ゆずの)です」

「俺、中一」

「私、中一」

「「同い年」」

まさか、同じタイミングで言うとは思わなかった。

それは彼女も同じだったのか、二人して顔を見合わせて笑い合った。

それからというと、何回か、校内で会ったり、待ち合

わせとかして、よく遊んだ。

柚乃のは、おばああちゃんが困っていたら、迷わず助けたり、とにかく優しい子だった。

柚乃と一緒にいたら、いつの間にか柚乃のことが好きになっていた。

だから、今度こそはすぐに告白しようと思っていた。