告白するのが遅かったのか?

「私さ、瑞佳と付き合ってるんだよね」

(はあ⁉)

初めて聞かされた真実。

「中学二年の時に、告白したら、オッケーもらえてさ」

夏がこれまで以上に笑顔で話す。

「私ね、女子が恋愛対象なんだよね」

夏が、ふいに俺を見つめてきた。

「だから、ごめん」

夏は、それだけ言い残して、走っていった。

「はは、じゃあ、告白以前の問題じゃん」

ポツポツ

空から、雨が降ってくる。

顔が雨でぬれる。

「ああ」

空は、今の俺の気持ちを表しているみたいだった。

「あの・・・、大丈夫ですか?」

悲しみに浸っていたら、はなしかけられた。

「かぜ、ひきますよ?」

そう言って、傘を差しだして走ってどこかにいってしまった。

「今の制服・・・」

あれは、俺と同じとこの制服だ。

「今度、話しかけてみよう」

俺は心にそう決めて、家に帰る足を急がせた。