「夏!」

俺は、門の前で夏が来るのを待っていた。

「何?」

夏は、不思議そうに首をかしげる。

「俺さ、夏のことが好きなんだ!」

「えっ」

夏は今まで俺に見せたこともないぐらいに目を見開かせる。

「あの、私さ、正直に言うね」

夏はゆっくりと俺に目を合わせる。

「私さ、だ、男子が嫌いで、無理なんだ。というか、女子の方が恋愛対象かもしれないんだ」

「じゃあさ、お試しでいいから、付き合って。もし、好きになれなかったら、別れてもいいから」

夏は困ったように顔を歪める。

「それ、響が傷つくだけじゃん」

急に夏が、顔を険しくしかめ、イラついたような声をあげる。

「それと、私さ、付き合ってる人がいるんだよね」

「えっ」

嘘だろ・・・。