「ナイス!」

そう言って、夏とハイタッチしている赤ゼッケンの先輩。

「連のおかげだよ」

ニコニコしながら、赤ゼッケンの先輩に話しかけている夏。

そんな夏を見ていると少しイライラする。

「夏~!」

俺は、体育館の外から声をあげる。

「おお、響」

夏は、俺の方を向くと笑顔で手を大きく振って、こっちに走ってきた。

「なんでいるの?」

「体育館から歓声が聞こえてきたから」

俺は、チラッと夏の横にいる赤ゼッケンの先輩に視線を移す。

「この先輩は?」

俺は、できるだけ平静を装って聞く。

「ああ、この人は〝沖間 連〟(おきま れん)」

夏はニコニコしながら話す。