僕・明日原響(あすはら ひびき)には気になっている人がいる。

その人はよく笑うし、よくからかってくる。

しかも、蹴りとか武道系がなぜかものすごく強い。

彼女は、今、僕とバスケの試合をしている。

彼女の名前は、蝶麻夏(ちょうま なつ)。

夏と彼女の友だち、在木瑞佳(ありき みずか)、

北川心(きたがわ こころ)の三人が相手チームだ。

俺のチームには、吉崎櫂(よしざき かい)、甘鈴 美憂(あますず みゆ)、

滝沢吏緒(たきざわ りお)、美柳深(みやぎ しん)だ。

美憂以外は全員男子。

そして、夏たちは小学六年生だ。

そして、僕たちは小学三年生だ。

まあまあの差がある。

「よしっ!一点!」

夏の明るい声が聞こえる。

「余裕で勝つんじゃなかったの?」