「やっぱ、モテんじゃん」

ボソッと横から低い声が聞こえる。

「ん？」

「やっぱり、琉唯はモテるね」

「そうかな？」

それは、一部の評価でしかない。

モテたって好きな人から好かれななきゃ意味がない。

「モテたって意味がないよ・・・」

私は、うつむきがちで答える。

絶対に私が湊のことが好きだって気が付いてない。

それでも、みんな幼馴染の全員が誰かに恋をしていることは知ってる。

「そうだよな」

たけるも、モテたって好きな人に振り向いてもらえないからなんとなく分かったんだろう。

「じゃあな」

下を向いて歩いていたからなのか、たけるが声をかけてくれるまで、

クラスの近くまで来ていたことに気が付かなかった。

「あっ、あとでね」

たけると別れてすぐに教室に入る。

お昼休憩は、湊に会いたいはずなのに