たけるの好きな子も、好きな人がいるらしい。

この関係を壊したくないから私は告白なんてしていない。

みんなそんな感じだ。

この関係を壊したくないから、誰も告白できない。

「なあ、今日さ、昼休みに屋上に集まらねえ?」

湊が、明るい声をあげる。

「いいね!」

未亜の高くて甘い声が聞こえる。

「いいよ」

顔は、無表情なのに声が少し弾んでいるたける。

「オッケー!」

最後に答えると湊が、ガッツポーズする。

「来いよ!」

「んー、たぶん行ける」

「俺は、分からない」

「たぶん」

湊は、来いよって言うけど、他の二人は来れるか分からないらしい。

「まあ、取り合えず来れたら来い」