また、春がきた。

水桜は、俺と会う前に余命一年と言われてたらしい。

それを、俺はつい最近知った。

「ねえ、私が死んだら、誰かと幸せになってね」

彼女は、いま入院している。

お見舞いに行くと、毎回そんなことばかり言う。

「・・・そんなこと言うなよ」

俺は、目にたまった涙がこぼれ落ちないようする。

泣きたいのは、俺じゃなくて、水桜なのに。

「・・・」

俺は、気づけなかった水桜の瞳に涙が溜まっていることに。

俺は、日曜日のお昼に水桜のお母さんからの電話の内容を聞いて,動けなかった。

でも、俺はすぐに水桜が入院している病院に向かった。

「水桜!」

水桜の病室に入ると,今にも息が止まりそうな水桜がベットに横たわっていた。

「・・・ひ・・さき」